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漢字学習に必要なサポートは「どこで」学ぶかで変わってくる

家族で海外で暮らしていると避けては通れないのは、子どもの日本語の学習のことだと思います。

中でも、海外生活が長くなればなるほどネックになってくるのが漢字の学習ではないでしょうか?

特に2019年から始まった新型コロナウィルスの影響を受け、日本を感じられる機会がグッと狭まり、漢字に取り組むモチベーションもグッと下がってしまったお子さんも多いのではないかと思います。

日本からの郵便物は滞り、日本から来られる方の数も減り、日本に戻ることも難しかったですものね。

オンラインで色んな可能性が広がったとはいえ、このインパクトは大きかったのではないかと感じています。

本当にお疲れ様です!

そして、この度、3年ぶりに日本に帰国し、感じたことがあります。
それは、同じ漢字でも日本で学ぶのと、アメリカで学ぶのとでは全然違うのかも!?と言うことでした。

日本の小学校4年生に1ヶ月だけ編入させていただいた体験を通して感じたことと、アメリカで学ぶ上でそれらの要素をどう補っていけるか、考えてみたことメモしておきたいと思います!

3年ぶりに日本で漢字を学ぶ娘を見て思ったこと

1.漢字 is everywhere!!〜目にする機会が多い!

3年ぶりに日本に着陸し驚いたのは、

漢字だらけじゃん!


と言うことでした。

当たり前かもしれませんが、アメリカで身振り手振りを用いて説明していた漢字も、ふっと目をあげるとあちこちに掲示されているではないですか!?

4年生で学ぶ「順」説明しなくても意味が自然と入ってきます

駅や電車の中の漢字がいっぱい

買い物の表示

ニュースの音

こういう環境で漢字を学んでいるのかぁ〜と妙に新鮮に感じたのと同時に、
これほど使われているのを目の当たりにすると、確かに、日本で生活する上では必要だから学んでいるんだと言うことが妙に理解できました。

恥ずかしながら、アメリカにいると、漢字を学ぶと便利になることは「教科書が読めるようになる」と言うくらいだったからです。

さて、日本で暮らしていると、知っていると便利な漢字ですが、
海外ではそれほど使われていないし、
日常生活では、なくても正直不自由は感じません。
知れば知るほど世間が分かるようになる環境がない中、そのベネフィットをどう補っていくかが問われているように感じました。

それにしても、色んな解説なしに、語彙を伝えらる楽さはこの上なかったです。

2.先生 is so kind!〜フィードバックの機会が多い!

3年ぶりの一時帰国で、次女が通わせていただいた小学校での取り組みを見ていて驚いたのは、漢字の書き方だけでなく
- ノートの使い方、
- 下敷きの使い方、
- ノートを大事に使うことなども
指導していただけること。

4年2組古谷先生配布資料より


そして、ただ配布され指示されるだけでなく、

 ☝🏻その日に提出した宿題
☝🏻その日のうちに添削してくださり、
☝🏻その次の日には添削していただいたもののCorrectionを提出し、
☝🏻再び確認していただけると言う

トリプルフィードバック!!をいただけると言うことです。

更に、漢字は
📝毎日学校で少し触れ、
📝帰宅後また宿題で触れ、
📝テストで触れ、
📝お直しで触れ、
と、何度も何度も確認するチャンスフィードバックを得られる機会があることに驚きました。

「定着」と言うことを考えると、
最高の環境にあると言うことに気付かされます。

次女はアメリカでしばらくずっとオンラインで日本語を学んでいたので、
実際に先生に赤ぺん入れていただくこと自体が嬉しい体験だったのに、
2回も、しかも、すぐにフィードバックがいただけるありがたさと言ったら。

とっても励みになりました。

実は私は日本の小学校で漢字を学んだ経験がほとんどありません。補習校で1週間に一回、短時間で学び、次の週の金曜日に追われるように、泣く泣く宿題に取り組むと言う学習方法になってしまっておりました。

なので、日本ではこんなにも
毎日やりとりがされていると言うこと。
迅速なフィードバックが得られると言うこと。
定着するまで繰り返すチャンスがたくさんあると言うこと。
に正直驚き、日本語教室の先生はこういうフォローをお家で求めていらっしゃるんだーということが初めて理解できた気持ちがしました。

これまでは、嫌にならない程度にやってたらいいんじゃん♪と言うお気楽モードでしたが、日本ではここまで繰り返し、何度も何度も練習していると言うことを知り、身が引き締まる思いがしました。

さて、この環境をアメリカで作るにはどうすればいいか?
を考えてみようと思います。

海外で漢字を学ぶからこそ提供したいサポート

ちょっとここまでのことをまとめてみようと思います。
日本で日本の小学校と言う環境で漢字を学ぶベネフィットは

  • 漢字を目にする機会が多い

  • 漢字を耳にする機会が多い

  • 学べば学ぶほど生活がしやすくなる環境がある(読めるものが増えるから)

  • 先生からフィードバックを次の日にはいただける

  • お直しに対するフィードバックもその日中にいただける

  • 「定着」に向けての活動が多い。定着に向けての意識が高い。

  • みんなやっている

さて、これらを、アメリカで、しかも、生活を回す母親と言う立場でどう取り入れていけるかを考えてみました。

① 漢字を見る・聞く機会を増やすこと

色んなことが考えられますが、日々忙しい中でもちょっと意識を向けるだけでできることを考えてみました。

  • 食事の時に、日本語の書かれたものをさりげなく食卓に置いておき、そこに書かれている文字を会話のネタにすること。

例えば、お醤油、七味、お菓子のパッケージなど。
「日本語」が書かれていて、食卓に置いていても違和感なく、勉強と気づかれないものを選び、会話のネタにすること。

これだと、1秒意識することで食卓の上に置けますし、
食事ですでに座っているので、目線を誘導するだけで漢字に自然と話題がふれるのではないかと思ったからです。

後は、壁に貼っている漢字ポスターなどの有効利用もしていきたいので、生活の流れの中でできることを考えてみようと思います。

次は、意識的にちょっと頑張ってでも続けようと思うのは

  •  漢字リズム音読

です。

https://note.com/ohlone/n/n0d391aa3a567

日本語教室で出された漢字に関する漢字リズム音読を続けることで、

-その週の漢字を目にする機会が増えます
-その週の漢字を使った語彙に親しめます
-その週の漢字の音訓両方の読みを耳にする機会が増えます

日本語に囲まれていない状況は、
漢字リズム音読のリズムと文字に触れ続けることで、
日本で作られた漢字教材を使うのに必要な環境に
少し近づけると思いました。

② タイムリーなフィードバックを提供すること

正直、この点については、お手上げです。
そもそも日本語の勉強が嫌になりかけている娘が座って漢字を書いているだけではなまる💮をあげたい気分になるからです。

これは、仲間の力を借りて、漢字カフェ(同じ日本語教室に通う仲間とやっている漢字勉強会)で意識してみんなで楽しくやっていけないか試行錯誤してみようと思います。

雑感ーテクニカルな問題を解決することが漢字嫌いを減らす近道!

以上より思ったのは、
海外で子どもたちが漢字学習が嫌いになっていくのは、

- 子どもたちのせいじゃない!
- お母さんのせいでも、
- 日本語教室のせいでもない!

と言うことです。

なぜならば、海外で、
日本で使われている教材で
漢字を学ぶのに必要なのは、

漢字を
- 見る機会、
- 聞く機会、
- 学ぶことで感じられるベネフィット
- 学ぶ上で先生からいただけるフィードバックの回数
をどう補っていくかという

テクニカルな問題を解決することも含まれるのではないかと思ったからです。

この点について引き続き、我が子を見ながら、マルチリンガル漢字指導法研究会で学ばせていただこうと思います。

日本の小学校で漢字を学ぶという貴重な機会をコロナ渦下でも提供してくださった日本の小学校に感謝申し上げます。

充実した音楽の授業と教室にも娘は感動しておりました


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