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ミッション:インポッシブル。なんのひねりもなく言っちゃうけれど、面白かった。内容には詳しく触れてはいません。

ミッションインポッシブル:デッド・レコニング デッド・レコニングっていう単語を初めて聞いた。説明によると船舶や車両などの移動体の現在位置を推定する技術らしい。

はっきり言ってムチャクチャ面白かった。
最初から最後までノンストップで面白い。
ローマでのカーチェイスのシーンも(本当にローマの街並みを封鎖して撮ったっていうのが驚き)ベネチアのドゥカーレ宮殿の周りを灯す何百と並べられたキャンドルも、全てが規格外で映画ってこういうもんだ、これでいいんだと改めて思った。
そう最高のエンターティメントだった。

ストーリーは、もちろんイーサン・ハントとそのチームが、いつもながら世界を破滅から救うっていうお決まりなものだけれど、それがどうした、ものすごいアクションと絶妙な笑いと、グッとくるセリフ満載で感情が揺さぶられっぱなし。

バイクも列車の上も、飛び降りるトムも、屋上を全力疾走するトムも、ちゃんと期待通り出てくるよ。
今回はイーサンはフェラーリにもポルシェにも乗りません。このシーンで劇場中から笑いが起きたのもなんか一体感って感じで良かった。
そして、あーイーサン、私にもそのセリフを言ってくれ状態。

ただ、今回は見えない敵と戦うことになっちゃったから、なんだか大変。
殴ることも蹴り倒すこともできない。
憎たらしいったらありゃしない。神にでもなったつもりか。
まだ観てない人がいるからあんまり書けないけれど、映画が好きで時間がある人は見てみて。アガルこと間違いなし。

なんかかっこ良かったから、初めて写真とか撮ってみた。

ということで、書いても差し支えなさそうな事として音楽について書いてみようかな。

今回の作品のトレーラーが流れた時から、バックに流れるお決まりのあのテーマ曲のアレンジが気になっていた。
ちょっと聞いただけでもアレンジが好みで、本編で聴くのを楽しみにしていた。
大当たり。

マーチングバンドばりの打楽器が繰り出すあの4分の5拍子を追いかける形で、重厚なユニゾンでメロディを重ねてくるホーンセクションとストリングセクションが、否応なく期待感を高める。ティンパニの音って好き。

アップテンポなリズムの中、どこかのセクションが多すぎると崩れそうっていうギリギリのバランスまで楽器が重ねられて、その音の渦の中を打楽器が躍動する。

カーテンコールでは、列車の走行音までリズムになって溶け込んでいて、手に汗握るストーリーに、余分にアレンジされたメロディが少ない分、これでもかっていう楽器の厚みから作り出す突き抜けた疾走感は、今回のデッド・レコニングの世界観にピッタリだと思う。

トム・クルーズが主演を務めるようになった最初のミッション:インポッシブルでは、ダニー・エルフマンが、今までのスパイ大作戦のノスタルジックな路線を引き継いで、あの心躍るリズムの上に、やもすると不協和音っぽく聞こえがちな木管楽器のトレモロを使って、ワクワク感とその裏にある不安感を作るのに成功している。

ミッション:インポッシブル2では、イーサン・ハントが(トム・クルーズ自身も好きそうな)岸壁に自分の腕2本だけでぶら下がってたシーンのアップに重ねて、リンブ・ビズキットのテイク・ア・ルック・アラウンドが流れてきた時には、いい女を見た時の男の子みたいに口笛吹きそうになったし、セルビアでのシーンとか、ジョン・ウー監督お決まりの鳩が飛ぶシーンでも、いいね、それっ。ってなってた。音楽は流石のハンス・ジマー。

ミッション:インポッシブル3とゴースト・プロトコルの音楽はマイケル・ジアッチーノ。
マイケル・ジアッチーノのテーマ曲もブラスの音の構成は同じなのだけど、主張が激しいフルートと、どれだけオケの人数が多くても一本で突き抜けてくる少し癇に障る高音のピッコロ、それにかぶさる歌い過ぎるトランペットが混ざり合って奏でるトレモロ多めのメロディが強調されて、支えるホルンやチューバの遠くまで響くファンファーレ的和音が、より一層足元にまとわりつくような不安感を醸し出している。

歴代のミッション:インポッシブルのテーマ曲のアレンジの中で今回のが一番好きだ。音楽を担当したのは前回のフォール・アウトと同じ、ローン・バルフ。
フォール・アウトでも、曲の最初から最後までコンガ的な打楽器の連打がずっと敷き詰められていて、そのリズムが心理的な焦りを感じさせる。

映画はストーリや視覚効果ももちろん大切だけど、音楽との相乗効果が絶大で、多分今回のデッド・レコニングは、映画の内容がすごく面白かったから、音楽も今まで以上に印象に残ったのかもしれない。

爆音で流れるテーマ曲を聴きながらエンドロールを眺めていると、感極まって両手を上げて「きゃっほう!」って叫びそうになった。
音楽もアクションも作品全体が今までで一番突き抜けてる感じ。

原曲を作曲したのはラロ・シフリン。あの4分の5拍子のリズムで綱渡り的な緊迫感を表現し、その上に少しだけ不安なメロディーを乗せた名曲は、少しだけラテン系な感じにジャズっぽい要素も入っている気がする。

しかし自分が生み出した曲がこんなにもずっと愛されるってどんな気分なんだろう。

映画館のメントスガチャで最高8個ゲットできるのに、7個だった。
惜しいな。今度は8個を目指そう。

本編が始まる直前に隣の席に滑り込んできたオヤジがいる。言葉は悪いが敢えてオヤジと言わせてもらう。
座るなりエコバックから白いちっこいタッパーとお酒を取り出した。そしてそのタッパーを開けた瞬間、ニンニクの匂いがムッチャクチャしてきて、嘘だろ?と思った。

久しぶりに殺意を覚えた。

ありえないだろ?持ち込みダメって言ってるよね?
おまけになんなんだその匂い。冗談じゃなく鼻が痛い。ほんとにそのくらい臭う。
馬鹿じゃないの?思わず「臭い!」って言ったけど、聞こえないふり。

もう一度胸ぐら掴んで(それはしない)「臭いよっ!」って言おうかと思ったけれど、もうトム出てきて頑張ってるし、みんな楽しそうに映画に没入してるから、ここで騒ぎを起こしたら他の人に悪いと思って、マスクの中にハンカチを突っ込んで耐えることにした。

何のニンニク味かニンニクそのものなのか知らないけれど、くちゃくちゃ音を立てながら、そこにお酒を流し込むそのオヤジが不愉快でたまらなかった。
どういう人間なんだ、一体。

本編ギリギリで滑り込んできたオヤジは、エンドロールが始まるや否や出ていった。馬鹿だな、この曲を聞かないなんて。ばーか。

でも、もしかしたら隣の私だけじゃなくて、前後左右1mから、鼻がいい人で2mくらいの人には不快な匂いが届いていたかもしれないと後で思って、やっぱ蹴り出せばよかったかなとも思った。

でも、あのオヤジの馬鹿さ加減を抹消させるくらい、最後には「最高、むっちゃ面白かった!」って思わせてくれたトム・クルーズと仲間達。
それを考えても、ますます面白い映画だったんだなと思う。
お久しぶりのキトリッジにも会えたし。

帰りのエスカレーターで、後ろに立った彼女づれの大学生くらい男の子が「IMAXで初めてみたけど、すごいんだね。なんか物凄く感動しちゃった。あれ見ちゃったら他のもIMAXで見たくなるね。」と興奮気味で話していた。
でも、デートっぽかったからその興奮をちょっと抑えぎみに彼女に話してるのが微笑ましかった。
男友達と来てたら、もっと興奮を隠さずにガンガン話したんだろうな。
可愛いやつめ。
彼女とお幸せにね。
また、映画デートできるといいね。





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