Q.PTの仕事で1番大変なことは何ですか?

ご覧くださりありがとうございます。私は訪問リハ(訪看ステーションから)を軸に、養成校で講義を年に数回している中堅PTです。

講義で学生に毎回質問をしており、いい質問があるので残しています。これを見て、何かの参考やきっかけになれば幸いです。では早速回答にいきます。

A.時期によって違ったので、それぞれ書きます。
(「PT」と「仕事」を切り離せてないこともしばしば)

PTの仕事で一番大変なこと…あれかな?これかな?と考えていたら、一番が時期によって違ったんだなと感じました。私の今の大変さは、学生の方にはピンとこないかもと思い、次期別で回答してみます。なお、給料やライフワークバランスなど、プライベートにもがっつり組み込める気もしましたが、業務時間で線引きすることにしました。


①1~3年目で大変だったこと:とにかく目の前のこと全て

答えとして最低な気がしますが(笑)。仕事を覚えること。与えられた仕事を全うすること。一人前になりたいと思う反面、普通に大変でした。担当者を引き継ぐ。統合と解釈を患者さんごとに実習の倍速でしていくこと。どれもこれもが本当に大変。

 幸いですが、上司・同期にも恵まれていたので、自己嫌悪よりも、レベルアップしていく感じや、より介助量やリスクの高い方なども任せてもらえた!という喜びが勝っていた気がします。仕事に少しは慣れてきた後は、
管の多い人のバイタル管理しての離床。と、回復の見込みの少ない人に関わる時の私自身のメンタルコントロールが特に大変でした

 管の多い人の離床は、悪化させないか、ルートトラブルおきないかなど、事前に想定することが多く、私の脳がオーバーヒート寸前でした。正直、ICU的な場所に行くのは気が重かったですね。嫌ですなんて言えないし。訪問でルート管理はだいぶ減りましたが、あのドキドキを経験したことは、今となってはよかったですね、

 回復見込みの少ない人に関わる時のメンタルは、リハビリテーションってなんだ?という問いに向き合うことへの大変さだっと思います。この辺は、終末期・神経難病の方に対するリハビリテーションとして、よくなるだけがリハビリテーションでないということを、学生時代にもっと見聞きしておけば違ったのかなとも思います。…書いていて思い出しましたが、在学中に施設見学などで考える・知る機会はありました。自分事でなかったのですね。関心あることにしか頭に入らない。人間そんなもん笑


4~9年目で大変だったこと:利用者(家族)との価値観の違い。現場離れてる時のヒトとカネとの関係(1年くらい管理職)

私は4年目になり転職しました。結果的にそこで訪問リハに出会い、マネージャー的な立場にも少しだけなりました。

 病院でも離床意欲をもてない方は沢山いましたが、するしないの権限が割とセラピスト側にあった気がします。在宅では、逆転します。本人は望んでないけど、家族が回復を望む。本人が代償的な戦略にシフトできず、見込みの低いアプローチを強く希望する。

 その人らしく生きることの手段としての理学療法・リハビリテーションのはずが、目的としての理学療法・リハビリテーションになっているケースで、説明する大変さ、私自身が納得できずに相手の意見に合わせる(当時は負けだと感じてました)ことの大変さがありました。

管理職になって、なんで管理職が給与あがるかと痛感しました。組織も人間。協力すれば達成できる目標をすり合わせる事、困難をチームで乗り切ること。これがいかに大変か。そして、その舵取りの責任を負うことがいかにハードかを身をもって学びました。

10年目~:見立てや結果を伝える(利用者・看護師・人事部)

そんなこんなを経て、プライベートでは家族が増えたりと変化があり、私は管理職を降り、また転職。一旦「特別支援教育」に身を置きます。そしてまた訪問リハの世界に戻ってきました。今は理学療法士が非常に少ないステーションに在籍しており、今まで当たり前に近かった「リハビリテーションの視点」をチームで共有することが大変だと感じています。

 そりゃ、実務的に、結果の出にくいケース、アプローチに悩む、家がゴミ屋敷、家族がやっぱり関わりにくさ満載…などはまぁあるんですが、その人の人生史自体を否定せず、関心はもつけど距離を詰めすぎないといった感覚が身に着いたのでしょう。大変ちゃ大変だけど、今の1番ではないですね。

 それよりは、理学療法士・リハビリテーションの価値を必要な方に理解してもらうには、私自身の言動がすごく大事だと実感している中で、伝えきれてない現状というのが大変だと思っています。


おわりに

唐突に締めに入ります(笑)いかがでしたか。いい質問のおかげで、自分の職歴を振り返ることもできました。

 きっと学会発表とか研究とか、医師との連携とか、新規事業とか、「PTの仕事」の大変さはやっぱり十人十色なんだと思います。

 読んでくれた方の仕事で大変なこと、コメントくれたら嬉しいです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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