「自分には関係ない」をじわじわ減らすための地域の場づくり
8月にスタートさせる予定のデイサービス。
予定している物件は、総社市の中心部にある総社宮の目と鼻の先にあります。商店街にも程近く、県外からもお客さんが訪れるパン屋さんや、古民家を活用した飲食店など素敵な店舗が並びます。
最近では近隣に移住してくる事業者も多いらしく、空き物件は次々と埋まってきているそう。そんな人口が増えつつある総社市で "デイサービスっぽくない" デイサービスを開きます。
デイサービスっぽくないとは
自分たちでつくるデイサービスで大切にしたいことは「デイサービスっぽくない」場所にすること。これまで、身近な人を思い浮かべながらサービスの軸を考えてきた際に出てきたキーワードでした。
脩平とちかのふたりは、現場で高齢者の方と接していてデイサービスに対してネガティブな印象を持っている人も少なくないそう。ぼく自身の身の回りにいる方でも、積極的に行きたいと思っている人はあまりいません。そんな流れを変える、自分から行きたいと思える場にしたい。そんなことを考えています。
以前のnoteにも書きましたが、従来のデイサービスの課題は「一部の利用者にとって主体的に活動に参加することが難しく、生活機能の維持や向上に限界があること」だと捉えています。
その課題につながっている要因として考えているのは次の3つ。そして、この3つがデイサービスっぽさをつくっているのでは?と思います。
(詳しくは↓のnoteで書いています)
これまでのnoteで、①や②について自分たちがどういうアプローチをしているのかを紹介してきました。今日は③の「デイサービスと地域とのコミュニティに隔たりがある」ことについて、どうやって解決しようとしているのかを紹介していきます。
これまでは「関係なかった人たち」と関係性をつくる
ぼくたちがつくるデイサービスは実際にサービスを利用する高齢者の方以外の地域の方にとっても「なんとなく自分と関係がある場所」にしたい。
いま、自分の街や地元にあるデイサービスを思い浮かべた時に、介護が必要な高齢者の方以外の人にとってほとんど認知されていないように感じています。
きっと、利用者の心理的安全を守るためなどの理由はあると思うのですが、そのもっと多くの人に関わってもらうことで、可能性がぐんと増えると考えています。
たとえば、近所の子どもたちが遊びに来てくれておじいちゃん、おばあちゃんたちと一緒にワークショップや習い事をしたり、子育て世代のお父さん・お母さんのためのイベントを開催したり。
さまざまな世代の人がそれぞれの温度感でこの場と関係をつくるための企画をしたい。そのための仕組みのひとつが縁側ライブラリです。
もともとは、本がすきなちかの「いつか本屋さんをやってみたい」という思いを小さく実現するためのアイデア。
それが広がっていって、本をきっかけにして、普通ならデイサービスに立ち寄らない中学生が漫画を立ち読みしに来たり、お母さんが子どもと絵本を見に来たり。デイサービスの利用者さんがこれまでに読んできたすごく大切な一冊を紹介して、ゆるく繋がりを作ったり。
本を媒介にすることで、地域の人たちと場の関係づくりをしていきたいと考えています。
利用者の方が人目を気にせずにゆっくり過ごせる空間はちゃんと残しつつ、地域の人にとっても立ち寄れる場にしたい。それは、たとえば地域に暮らす人たちの家族が介護が必要になった時に「ここなら良さそう」と思ってほしいからです。
ぱっと外から見て、デイサービスとわからないような外見。ふらっと立ち寄ったら、そこがデイサービスだった。そんな体験を作れたらいいなと思っています。
なんかいいな、好きだなと思った先にデイサービスがある。この場所なら、将来、自分の祖父母や父母に来て欲しいなと思える。そんな場所を目指しています。
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