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田んぼと森林と水の関係 by おいしそうな森の環境研究所

今から12年前の2012年
大きな川もなく、ましてや農業用水も引かれていない
水稲栽培に向いていない地域で
NPOの方に教わりながら自然農の米作りに挑戦したことがある。

周りに誰もいない秘密基地っぽい場所で
沢に染み出す清水と雨水を引いて米作りをしていた

緑肥に窒素固定するれんげ草をまいてすき込んだり
水田の雑草といわれる「コナギ」を除去するついでにコナギで草木染めをしたり
なかなか都会にいると味わえない貴重な経験だった

春の田おこしの時にれんげ草も一緒にすき込むと窒素肥料になる

今、思えば区画整理された平地の水田地域とは異なり
周囲には様々な樹木が生えていた(おそらく鳥などに種を運ばれたのだろう)

生態系も含め自然豊かな場所だったのだけど

一つ残念なことがあり
近くでマンション建設がはじまり
水がでなくなったのだ

雨だけに頼るには厳しい

農業用水があるに越したことはないが
そんな中でも森があることで様々な恩恵を受けていたのだ

森と水は互いに深く関わりあっていて
土壌に雨が浸透し緑のダムのような絶妙な水分調整をする役割がある

また農地などの畑と違い
人間の手が入らない原生林の森が維持されているには
生物多様性で様々な植物が枯れ、強いものだけ生き残り
更に落ち葉や動植物のフンや死骸など分解され
土に還るまでのサイクルが長い年月をかけて自然にバランスがよくなっている

里山や人工林などは人がどちらかというと経済目的に
人間が利用するシステムなので
手入れをすることで木材の価値の向上につながる
上手に生態系のバランスを保ちながら里山を守られている方もいる中で
人間の欲に走り、木を伐採しすぎて生態系のバランスが崩れると
地滑りなど大きな危険がある

手入れのされている里山、手入れがされず荒廃する里山

もしかしたら紙一重で
人間からみたら荒廃しているように見えているが
その中でも密かに
植物同士にとっては枯れたり芽生えたりを繰り返し
自然界にかえるプロセスの途中なのかもしれない

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