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社会課題に挑戦するフードテック企業を支える。 世界最先端の”食”を扱う 『Oisix クラフトマーケット』 の挑戦

今、世界中で「フードテック(Food-Tech)」 という言葉に注目が集まっています。

飢餓、食糧廃棄、農業就業人口の減少、食品における安心安全。食にまつわる様々な社会課題に対し、最新のテクノロジーでアプローチするフードテック企業が、海外では次々と誕生し成長を続けています。

一方、日本では、食に関わるユニークなアイデアがあっても、スタートアップできる環境が整っておらず、食の世界にイノベーションが起こりづらい状態であることを、ご存知でしょうか?

この現状を打破すべく、「これからの食卓、これからの畑」を企業理念とするOisix ra daichiでは、『Oisix クラフトマーケット』を2019年6月からオープンしました。

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Oisix クラフトマーケットでは、独自の技術を持つ国内外のフードテック企業から届くイノベーティブな食品から、伝統と職人の思いが詰まった1品まで、「世界中のとっておき」をお届けしています。

特に、グルテンフリーのスナックバー、コオロギ(食用)を使ったお菓子、小麦粉を使わないひよこ豆のパスタなど、これまで見たことのないスタートアップが手掛けた食品が話題になり、完売が相次ぎました。

フードテック企業の成長の後押しをすることで、日本における食のイノベーションを目指す Oisix クラフトマーケット。その裏側とビジョンについて、担当メンバーのペレス・ジェニファーさんに話を聞いてみました。

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世界には驚きのフードテックが沢山眠っている!

ーー クラフトマーケットには、見たことのない食品が並んでいて、ページを眺めるだけでワクワクします!どういう基準で扱う商品を選んでるのでしょうか?

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ペレス ジェニファーさん。アメリカのテキサス出身。ニューヨークの大学で学んだ後、上海を経て、早稲田大学院を卒業後の2018年にOisix ra daichiに新卒入社。海外のスタートアップ企業の中からクラフトマーケットで扱えそうな商品を探し、メンバーに提案している。また、アメリカのベンチャー企業で投資に値する企業のソーシングも行う。

ジェニファーさん:基本的には、国内外を問わず、コンセプトが新しくて、食の課題解決に貢献できる付加価値のある食材を選んでいます。もちろん、日本人の舌に合うことも、重要です(笑)。

例えば、「The Yes Bar」というカリフォルニア発のスナックバーがあります。

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ジェニファーさん:このスナックバーは、グルテンフリーで、砂糖不使用、添加物不使用です。食事制限が多い自分の子供のために母親が作ったおやつのレシピが開発のきっかけとなったそうです。

また、「Don Bugito」というコオロギを使ったお菓子も販売しました。

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ジェニファーさん:昆虫は栄養価が高く、環境負荷が低い。今後の人口増加による食糧問題解決の糸口として、アメリカでは昆虫食が注目を集めているんです。この商品は、サンフランシスコのスタートアップが製造しています。

この他にも、ココナッツオイルとオリーブオイルに雑穀類を加えて、乳製品を使わない「代替バター」となりえる商品。小麦を使わず、ひよこ豆を使って作ったグルテンフリーのパスタ。そんな面白くて成長の可能性がある食品を扱っています。

ーー どうやって海外のフードテック企業と出会ってるんですか?

ジェニファーさん:海外の提携企業から紹介してもらうことが多いですね。また、世界各地からフードテック企業が集まる大きな展示会がアメリカで年に数回開催されるので、その会場で探したりしています。

この仕事をはじめて、世界には驚くべきフードテック企業が沢山あることを実感しました。どれも面白いものばかりです! これからクラフトマーケットで紹介する食品も、きっと皆さんに驚いてもらえるのではないかと思います。

海外と比べ、日本はスタートアップが育ちづらい…?

ーー クラフトマーケットをオープンした目的は、日本におけるフードテック企業の成長支援だと聞きました。日本では、食領域のスタートアップが育ちにくい現状なのでしょうか?

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ジェニファーさん:確かに、アメリカと比べると、日本は育ちにくい状況だと思います。例えば、アメリカでは食におけるスタートアップ企業に対して、大手企業の投資意欲が盛んで、その投資で生まれたお金が、また新たなスタートアップに使われるというサイクルが出来上がっています。

また、資金の面だけでなくて、Oisix ra daichiと提携している『キッチンタウン社』のように、スタートアップ企業にオフィスを提供している会社もあります。なんと、オフィスに食品の製造工場がついているんですよ! また、投資家や大学関係者の紹介までしてくれます。ハードでも、ソフトでも、アメリカはスタートアップが育ちやすい土壌ができています。

一方、日本では、まだまだ食のスタートアップへの投資熱が高まっておらず、キッチンタウン社のようなサービスを提供する企業は現れていません。

この現状を打破するため、Oisix ra daichiでは、クラフトマーケットと並行して、『Future Food Fund』というコーポレートベンチャーキャピタルファンドをはじめています。

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ジェニファーさん:もともとOisix ra daichiでは、コーポレートベンチャーキャピタルとして、食領域のスタートアップ企業を資金面でサポートしていました。でも、より速く、より大きなインパクトを生み出すためには、私たちと共通のミッションを持つ他社との協力が必要だと気づいたんです。

そこで、ファンドという形に変え、他の食品関係の事業会社と協力して、日本の現状を変えていこうとしています。

Future Food Fundでは、Oisix ra daichiが培ってきた生産、物流、マーケティングなど、様々なノウハウを提供し、資金面に限らず幅広い支援をしています。そして、投資先企業のテストマーケティングの場となることがクラフトマーケットが担っている役割のひとつです。

Future Food Fundとクラフトマーケットを通じて、日本国内において、食領域のスタートアップ企業が成長できる状態を築くこと。それが、私たちのビジョンです。

Oisixのノウハウを活用し、商品を磨きあげる!

ーー 食に関する社会課題の解決を目指すOisix ra daichiですが、クラフトマーケットは同じように食の領域で活動する仲間を応援するプロジェクトなんですね。

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ジェニファーさん:そうですね。だから、クラフトマーケットで扱っている商品も、ここだけの限定販売にするつもりはなくて、ゆくゆくは一般の流通で扱われる商品に育って欲しいと思っています。

スタートアップ企業の場合、生産量が限られているので、最初から大きな流通に乗せるのは難しい。また、これまでにない商品なので、きちんと消費者に価値を感じてもらえるのか不明確で、大きな小売店が扱うにはリスクがあります。

ただ、Oisixであれば、生産量が少なくても売ることができますし、お客様の反応を見ながら改善ができます。もちろん、お客様に売るものなので、Oisixの安全基準に照らし合わせ、自信を持ってお届けできる状態からはじめますが、クラフトマーケットを通じて市場により受け入れられる状態に整えていきたいと思ってます。

ーー なるほど。Oisixでは、少量でスタートし、お客様の声を聞きながら改善を重ね、大ヒットに至った商品が沢山あるので、その時のノウハウが活きそうですね。

ジェニファーさん:そうなんです。そして、Oisixのお客様は食の流行に敏感な方が多く、新しいトレンドを体験できる場をつくることは、お客様にとっても価値を感じていただけると思うんですね。

クラフトマーケットを売り場として使ってもらうことで、スタートアップ企業の食品が世に出て行くキッカケを作っていきたいです。

様々な領域で挑戦するフードテックが育つ社会へ

ーー クラフトマーケットの意義やビジョンについて、よくわかりました。最後に、これからの意気込みを聞かせてください。

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ジェニファーさん:食の世界には様々な問題がありますが、クラフトマーケットやFuture Food Fundを通じて、解題解決に挑戦する人たちを応援していきたいです。

私は大学院で、環境負荷が小さいとみなされた商品をマーケティングする「グリーンマーケティング」という分野を専攻していました。でも、Oisix ra daichiに入社し、実際に挑戦している人たちから直に話を聞く機会が増え、見える世界が全く変わりました。

フードテックにも、食品を開発する会社だけでなく、情報システムを使って生産者を助ける「アグリテック分野」や、廃棄物や使わなくなった物を素材として利用する「アップサイクリング分野」など、様々な分野があります。食品だけでなく、そういったアプローチで食の課題にアプローチする企業も、ゆくゆくは支援していきたいです。

幸い、日本においても「SDGs」が言葉として浸透しはじめ、オーガニックやエコに関する関心が高まっています。また、こだわりの製法で作られたクラフトを楽しむ文化も広がってきてますよね。

食に関する様々な分野のスタートアップ企業を、資金面からも、販売面からも支援し、フードテックのスタートアップが育つ土壌をつくっていきたいです。

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<文章:井手桂司>

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Oisix ra daichiは、仲間を募集しています!

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多くの人が、安全でおいしい食卓を笑顔で囲むために。食を作る人が、報われ、誇りを持てる仕組みを構築するために。

Oisix ra daichiは「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食べる人と作る人を繋ぎ、持続可能な社会を実現するため、これまで誰もやったことのない事業に果敢にチャレンジしてきました。

2000年からインターネットで野菜を販売したり…
忙しいお母さんに向け、ミールキットを開発したり…
買い物難民の自宅に宅配スーパーをしたり…

様々な食の社会課題に対し、ビジネスというアプローチで変化を創り出す「Change Maker」になる。これが私たちが大切にしてきたことです。

そんなOisix ra daichiでは、Change Makerとして共に働く仲間を大募集しています。カジュアルな面談の場を通じて、業務の内容などを説明していく機会も設けています。ご応募お待ちしてます!

(▼)Oisix ra daichiの採用情報はコチラでご覧ください!


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