見出し画像

過去の遺物をノスタルジーあるストーリーに変える「Blockbuster: Until the Bitter End」


Summary

かつての映画レンタル大手ブロックバスターは、オレゴン州ベンドに家族経営の店舗が1つしか残っていないという問題に直面していた。

この問題の原因は、一般消費者の「新しいサービスの方が便利で効率的だ」という認識にある。

しかし、その認識の奥には、週末の時間に「魅力的なストーリーを体験したい」というインサイトがある。このインサイトに応えるため、ブロックバスターは、「金曜の夜に店内を歩いてVHSを探す行為は、誰にとっても懐かしい体験である」という真実と、「オンラインにも地元にも、ブロックバスターの熱心なファンがいる」という事実に着目。これらを活用し、世界に1店舗だけ残っているという事実を、懐かしさあふれる魅力的なストーリーに変えて、熱心なファンから拡散させることができるのではないかと考えた。

そこで、あえて低予算で制作した広告をスーパーボウルの広告と同時刻に店内で放映し、インスタライブで中継した。大予算をかけた最新のストリーミングサービスのスーパーボウルCMとの違いを際立たせることで、ノスタルジーの魅力を強調し、これをコアなファンから一般の人々へと波及させることを狙った。

「古さとは、不要な過去の遺物ではなく、ノスタルジーあるストーリーである」という気づきを通じて、多くの人々の来店を促すことに成功した。



Deconstruction


Brand

ブロックバスター - かつての映画レンタル大手。

Target
一般消費者。

Objective
オレゴン州ベンドに家族経営の店舗が1つしか残っていない → 多くの人々に来店を促す。

Barrier
新しいサービスの方が便利で効率的だ。

Insight
魅力的なストーリーを体験をしたい。

Thought Starter
「金曜の夜に店内を歩いてVHSを探す行為は、誰にとっても懐かしい体験だ」という真実と、「オンラインにも地元にも、ブロックバスターの熱心なファンがいる」という事実に着目。これらを活用し、世界に1店舗だけ残っているという事実を、懐かしさあふれる魅力的なストーリーに変えて、熱心なファンから拡散させる。

Execution
"Blockbuster: Until the Bitter End"
あえて低予算で制作した広告をスーパーボウルの広告と同時刻に店内で放映し、インスタライブでの中継。大予算をかけた最新のストリーミングサービスのスーパーボウルCMとの違いを際立たせることで、ノスタルジーの魅力を強調し、これをコアなファンから一般の人々へと波及させることを狙った。

Transformation
古さへの価値変容
不要な過去の遺物 → ノスタルジーのあるストーリー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?