吉村うにうに

はじめまして。小説を書いております。猫が主人公の長編小説や不思議でコミカルな短編を書き…

吉村うにうに

はじめまして。小説を書いております。猫が主人公の長編小説や不思議でコミカルな短編を書きます。 ショートショートnote杯に参加したくて登録しました。 飼い猫はノルウェージャンフォレストキャットで、毛玉の天使です。 https://twitter.com/NFCnozomi0419

マガジン

  • 毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト

    連載で小説を始めてみました。一話をかなり短く(200文字くらい)毎日ほんの少しずつ進める予定です。 読んで頂けると嬉しいです。

  • ちょっと嬉しかったこと(つぶやき中心)

    記事を採用して頂いたこと、ちょっとしたラッキーなことを載せていきます。

  • 猫さんとの生活

    おうちにいる猫さん(ノルウェイジャンフォレストキャットの女の子)との日常の一コマを切り取って紹介します。

  • シリーズ読書感想文|一冊を精読・整理・思索する

    毎回、一冊の本を取り上げ、感想やまとめ、そこから広げた思考についてつづっていきます。形式は変わっていますが、読書感想文のようなものです。

  • 自分語り・小説の書き方

    ここでは、自分の来歴、小説執筆のスタイル、これまでに学んだこと、作品の解説、受賞コメントなどを載せています。自分語りもちょいちょい混ざっております。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介記事を書いてみました。

名前 こんにちは、そして初めまして(の方もいらっしゃると思います)。吉村うにうにです。名前の由来はこちらです。 普段は小説、エッセイ、詩などを書いております。ショートショートnote杯をきっかけにnoteを始めまして、現在まで更新を続けております。ちなみにショートショートはこんな感じです。↓ SNSアカウント xはこちら fumi(吉村うにうに)(@NFCnozomi0419)さん / X (twitter.com) Instagramはこちら 吉村うにうに(@nf

    • 水深800メートルのシューベルト|第899話

      「コーヒー淹れるけど、アビアナは?」  ルース叔母さんが尋ねた。 「私、コーヒー要らない」  彼女はお気に入りらしいフリルのスカートが膨らまないよう手で押さえながら、方に届きそうになった髪を揺らして返事をした。 「そうね、子どもが飲み過ぎると良くないものね」  叔母さんは湯気を顔に帯びながら呟くように言った。アビアナは近づいて来ると、僕の服に鼻を寄せて不満げに見上げてきた。 「アシェル君、臭うよ。もう、お風呂に入ってから帰って来てっていつも言ってるじゃない」      

      • 今日はやや肌寒かったです。雨が降りしきる中、外出してカフェでチーズケーキを食べながら執筆や物理の勉強をしました。濃厚で美味しかったです。優しい香りの紅茶も+300円でつけられます。ついこの前紹介したシャーベットが美味しいカフェです。天気のせいか平日だったせいか、空いていました。

        • 水深800メートルのシューベルト|第898話

          母親に似て滑らかそうな褐色の肌に、丸みを帯びた目。僕を認めて立ち止まると、けだるそうに目を向けてきた。 「アシェル君、おかえりなさい」  そう、そっけなく言った。叔母さんは、それを聞いて肩をすくめた。以前「アビアナ、アシェル君じゃなくてパパと呼べない?」と訊いたことがあったので、きっと「パパ」と呼べないことへ呆れているといったサインだ。 「アビアナ、学校はどうだい? 三年生だっけ?」  彼女にどう接したらいいのかわからず、緊張で声が高くなっているのを意識してしまう。彼女は

        • 固定された記事

        自己紹介記事を書いてみました。

        • 水深800メートルのシューベルト|第899話

        • 今日はやや肌寒かったです。雨が降りしきる中、外出してカフェでチーズケーキを食べながら執筆や物理の勉強をしました。濃厚で美味しかったです。優しい香りの紅茶も+300円でつけられます。ついこの前紹介したシャーベットが美味しいカフェです。天気のせいか平日だったせいか、空いていました。

        • 水深800メートルのシューベルト|第898話

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        • 毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト
          897本
        • ちょっと嬉しかったこと(つぶやき中心)
          42本
        • 猫さんとの生活
          32本
        • シリーズ読書感想文|一冊を精読・整理・思索する
          3本
        • 自分語り・小説の書き方
          43本
        • クセ字コンテスト
          5本

        記事

          誕生日のサービスとして、通院先の獣医さんが無料で尿検査をしてくれました。ついでに体重を計ってもらうと4.72㎏!一時5㎏超えていたのが戻りました。猫さん頑張りました。しかし、尿検査の結果「無菌性膀胱炎」疑いでしばらく経過観察、トホホ。ご飯の試供品とハンカチを頂いて帰りました。

          誕生日のサービスとして、通院先の獣医さんが無料で尿検査をしてくれました。ついでに体重を計ってもらうと4.72㎏!一時5㎏超えていたのが戻りました。猫さん頑張りました。しかし、尿検査の結果「無菌性膀胱炎」疑いでしばらく経過観察、トホホ。ご飯の試供品とハンカチを頂いて帰りました。

          水深800メートルのシューベルト|第897話

          「あらそう。この子が次に母乳を飲んでくれるようなったら、食事に招待したいわね」  トリーシャは胸から口を離したこの背中を、軍務を中断してから丸みを帯びた手で優しくさすった。 「アシェル、あなたの奥さんの代わりにコーヒーを淹れるわよ」  叔母さんがキチネットに向かい、ガスコンロに火を点けていた。 「いや、僕がやりますから。こういうの慣れているんです」  慌ててついて行くと、ルースさんは手で制してきた。 「いいのよ。あなたはアメリカと妻子のために働いてきたんだから。アビアナ!

          水深800メートルのシューベルト|第897話

          水深800メートルのシューベルト|第896話

          変わったことと言えば、粉ミルクしか飲まなかった赤子が、母親の胸に吸いついている光景だけだった。母親はとても幸せそうで、叔母の言っていたことは杞憂だったんじゃないかという気がしてくる。  後ろから大きな音を立てて、ルース叔母さんが入って来た。 「またこの子ったら、レトロな車で大きな体の上官に送ってもらったのよ」 「上官じゃないです」  僕は、フェリックスの髪をそっと触る。僕に似た金色の髪は、汗でびっしょりと濡れていた。熱がまだ完全には引いていないようだった。       

          水深800メートルのシューベルト|第896話

          水深800メートルのシューベルト|第895話

           妻は玄関で、赤子を抱いた状態で待っていた。 「おかえりなさい。ごめんね、やっと授乳ができるようになったの。このタイミングを逃したくなくて」  眉を寄せ、すまなそうな顔をして言った。  彼女は、服をはだけさせて、フェリックスに褐色の胸を含ませていた。 「いいんだ、トリーシャ。気にしてないよ。それより、飲むようになったって?」  彼女は、子どもが乳を吸うのを邪魔しないように黙って微笑んだ。 その表情を見て、心の中で安堵の息をつき、リビングに入ると鞄をソファの上に置いた。天井

          水深800メートルのシューベルト|第895話

          カフェでシャーベット食べながら執筆しています。パソコンへの打ち込みです。早くしないとシャーベットが溶けるので焦りました。シャーベット美味。 シャーベット400円にドリンク300をつけることができます。机も広くて執筆しやすかったです。あまり長居にならないよう手早く打って帰りました。

          カフェでシャーベット食べながら執筆しています。パソコンへの打ち込みです。早くしないとシャーベットが溶けるので焦りました。シャーベット美味。 シャーベット400円にドリンク300をつけることができます。机も広くて執筆しやすかったです。あまり長居にならないよう手早く打って帰りました。

          水深800メートルのシューベルト|第894話

          「では、なれそめは次回訊くことにしよう。アシェル、子どもに思う存分子守唄を演奏してやりなよ」  セペタは大きな手で僕の方に手をやると、そのままキャディラックに乗り込んだ。何度かエンジンが空回りする音の後に、発火音が鳴って車体が震え、元来た砂利をタイヤで擦りつけながら去って行った。  車が見えなくなるまで手を振ってから、再びバルコニーに目を向けたが、変わらず誰もいなかった。そそくさと、アパートメントの玄関をくぐり、絨毯が敷き詰められた階段を登って二階に行くと、僕は鍵のかかって

          水深800メートルのシューベルト|第894話

          水深800メートルのシューベルト|第893話

           自分の家のバルコニーを見つめた。時折、彼女が出迎える代わりに姿を見せることがあるからだ。しかし、透かし模様の入った金属製のフェンスの向こうには人影がなかった。益々不安になった。  こうなったら、誤解があれば早く解きたい。そのためには、叔母さんがセペタを家に招かなないかと不安になった。送ってくれた彼には悪いが、帰宅して最初の仕事が妻のご機嫌取りなので、余計な気遣いはしたくなかった。セペタは首を傾げた。 「どうした? 喧嘩なら、仲裁に入ってやろうか?」  そう冗談めかして言

          水深800メートルのシューベルト|第893話

          こんな夢を見たラジオさんから、景品のステッカーを頂きました。見た夢を300字以内で募集していました。6回掲載分で6枚でしょうか? 嬉しい限りです。今は夢を募集していませんが、再開して欲しいです。掲載作品はspotifyで聞けます。   https://open.spotify.com/episode/4dolcLbgvSiLWaJJt4pcCB

          こんな夢を見たラジオさんから、景品のステッカーを頂きました。見た夢を300字以内で募集していました。6回掲載分で6枚でしょうか? 嬉しい限りです。今は夢を募集していませんが、再開して欲しいです。掲載作品はspotifyで聞けます。   https://open.spotify.com/episode/4dolcLbgvSiLWaJJt4pcCB

          水深800メートルのシューベルト|第892話

          「今日は、虫の居所が悪いんだってさ」  そう言うと、彼は肩をすくめた。 「おいおい、今日は話どころか顔さえも見られないのか? アシェル、お前は家でも人を怒らせることをしていたな?」 「人聞きの悪いことを言うなよ。何もしてないよ。ずっと勤務でスマホもないのにどうやって怒らせるのさ?」  僕は、まるで他の場所でもトラブルを起こしているような言い方に不満だった。 「仕掛けていた爆発物が留守中に弾けたんじゃない?」  そういって笑ったが、僕は再び手紙のことが気になりだしていた。爆

          水深800メートルのシューベルト|第892話

          水深800メートルのシューベルト|第891話

          「私、アシェル君の上官を務めております」  彼はまじめな顔つきで、叔母さんに敬礼をしてみせた。 「はいはい、セペタさんでしょう? 嬉しいわ。最近の海軍では、部下を家まで送って下さるのね。で、アシェル・スコットは船を沈めませんでしたか?」  彼女は、笑って彼の冗談に合わせていた。彼女が妻の叔母だということに納得すると、セペタは周囲をキョロキョロと見回した。 「今日は、沈みませんでしたよ。ところで、アシェルの奥様は?」  彼は、叔母さんのノリの良さに笑いを堪えながら言った。

          水深800メートルのシューベルト|第891話

          水深800メートルのシューベルト|第890話

           曖昧に笑っていると、叔母さんは、僕の袖を引き、車を停めて降りて来たセペタに訊かれないような小声で言った。 「あの娘は機嫌が悪いみたいなのよ。ねえ、私、見たんだけど……、手紙が来てたのよ、アシェルに。覚えがないかしら? 女の筆跡だったわ。きっとそれが原因だと思うの」  誰だろう? 彼女が言うからには、手書きの文字で宛名を書いたのだろうか、それとも中身を読んだのだろうか? その言葉を心で繰り返していると、いつの間にか近づいてきたセペタが片手をあげて叔母さんに挨拶をしているのが

          水深800メートルのシューベルト|第890話

          水深800メートルのシューベルト|第889話

          「おかえりなさい。ごめんなさいね、あなたの愛しい奥さんが迎えに来なくて。誘ったんだけど」  彼女は歳よりも若く見える皺の少ない顔に、切れ長の目を更に細くしていた。紙は頂上で丸く結び、顔の肉を引っ張っている。 「いえ、フェリックスに熱が出たって、さっきメッセージを受け取っていますから」  そう言いながらも、彼女が迎えに出て来ないことは残念に思った。息子が生まれて以来、僕にはどうしても、自分がこの家に居ても居なくても良いんじゃないかという虚無の風が吹いているような気がしていた。

          水深800メートルのシューベルト|第889話