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さよならだけが人生なんだ

今日は11月29日。11月は終わり、そして多分あっという間に12月も終わる。

もう1年が終わってしまう。早すぎる。
まだこの2021年とお別れはしたくない。

最近本当によく思うのだが、自分の中に流れている時間の速度に対して、この社会の時間の流れはあまりに早すぎる。
自分の中でまだ整理ができていないうちに、やり切れていないうちに、もう次にいかなくてはならない。
人生で一番好きなことをできると言われている大学二年生ももうすぐ終わり、きっとそのうち、何をしたいかもわからないまま、就活の時期になって、たらたら文句を言いながら社会人になるのだ。

「佐々木、イン、マイマイン」。
上映1周年記念のリバイバル上映を新宿武蔵野館でやっていたので昨日見に行ってきた。
見るのはもう3回目。やはり素晴らしい、最高な映画だと思った。映画を見ながら今年の2月に初めて渋谷のシネクイントで見た時のこと、当時考えていたことを思い出して、胸が熱くなった。「佐々木、イン、マイマイン」は僕の中でしっかりと息づいていた。

映画終盤のあるシーン。これは僕にとって本当に本当に大切なシーンであり、昨日そのことを思い出した。今の僕に最も必要なことが詰まっている。
以下は映画のネタバレになってしまうのでご注意ください。





悠二が劇中、役者として稽古をしているロンググッドバイのセリフを言いながら佐々木のお葬式の会場まで走っていくところ。セリフすべてそのままを言うことはできないけれど、思い出せる範囲で書くならば彼は

世界はえらいスピードで進んでいるんだ、ついていかなきゃ。でもさよならを言えないほど早くはないだろう。さようなら。さようなら。お前はいつだってさよならを言ってるんだ。長い長いさようならを。なぜならそれが人生だからだ。

と言っている。(正確ではないし、全部ではないのでぜひもう一度見返して欲しい。)

いつまでもさよならをできない自分自身への言葉であり、さよならをすることでしか人生は前に進んでいかないんだと教えてくれる。そして、それと同時にさよならをすることは自分が前に進んでいる証なんだと、さよならをすることを後押ししてくれているように僕は感じる。

僕はこの一年に、具体的にはZINEにまださよならができていない。
長い時間をかけて、自分の思い通りにはいかない部分もあって、今見返すと恥ずかしい部分もあって、それでいて大切すぎるものに僕はまだすがっている。
変かもしれないが、完成してから僕はまだしっかりと読み返すことができていない。
なんならZINEを視界にいれることを避けてもいる。客観視してしまうともう終わってしまったものだと認めてしまうことになるからだ。
だからZINEを置いて頂いているお店にも本当はいかなくてはならないのに、まだ挨拶に行けていない。
2021年の始まりと同時にとりかかったことなので、年内にあいさつに行って、ZINEにもさよならをしたいと思う。
また進んでいかなくては新たなことに!
誰かが引きはがしてくれなければ、ずっとずっとそこに居座りたくなるものだから、時間流れが僕の中の時間とは無縁でよかったのかもしれない。

また年が明ける。
悲しいことに、そしてありがたいことに、また年が明けて1年の抱負を言わされるのだ。
抱負なんてねえわ!と思うのは僕だけなのだろうか。
毎回、こんなに思考が停止してる時はないなと抱負を言っている時の自分を思う。


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