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鬼さんとサンタさんが見ている

今年も残すところ後1週間。
そして明日はサンタさんが来る日。
子どもたちはずいぶん前からサンタさんに自分の欲しいものをリクエストし、
それが届くのを心待ちにしている。
息子は、書けないひらがなを一文字一文字
夫に教えてもらいながらサンタさんにお手紙を書いたほど。

もちろん、パパママサンタの方も準備万端。

それにしても、この数ヶ月
「いい子にしてないと、サンタさん来ないよ〜!」と何度言っただろうか。

片付けをしなかったり、
しょうもない事で兄妹ゲンカをしたり、
さっさとお風呂に入らなかったり…
母が困ったなーと思う度に「サンタさん見てるよ〜!」と声をかけていた。
そうすると“プレゼントを貰えないなんて、それは一大事!”とすぐに反応する4歳息子と、
“なんだか困った事になるかもしれない”と思って兄に釣られて動き出す2歳の娘。

そんな様子を見て、
あ、コレは…アレに似ている…と思ってしまった。

「鬼から電話」というスマホアプリをご存知だろうか。
子どもが親のいう事を聞かない時に、怖い形相をしたモンスターから電話がかかってくる、というアプリだ。
言うことを聞かない時の他、ごはんを食べない時、夜寝ない時など、ご丁寧に様々パターンがあり、タイマーをセットしておけば、スマホを手にしていなくても10〜60秒後にモンスターから電話がかかる。
もちろん現実と空想のはざまで生きている我が子たちも例外なく怖がり、着信音が鳴るだけで、半泣きで次の行動に移ってくれる。

とはいえ、脅して言う事を聞かせるのはちょっとね…と思うので、私もこれは最終兵器としてあまり使わないでいるのだけど、
クタクタになった一日の最後にいつまでも歯を磨かないとゴネられると「こんな時間までおきていると鬼さんが来るぞー!」というぐらいは言いたくなる。

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先日、夜中の2時半頃に突然娘が泣き出した。「うわぁ〜ん!」と大声で泣き出したと思ったら、「動画みた〜い!!!」と。
動画とは私のiPhoneの中にある主に子ども達を
撮った動画の事で、この2歳児は自分や兄が登場するそれをニヤニヤしながら眺めるのが趣味なのだ。
多分本人は寝ぼけているし、さすがに夜中の2時半にスマホを見せてしまうと完全に起きてしまうので、トントンしたり、優しくなだめたりして何とか眠って貰おうとしたのだが、娘の泣きは収まらずどんどん激しくなるばかり。
半分は寝ぼけているので、一回起こして正気にしようと試みようと、「あっちのお部屋に行こう」(居間から外を見せて夜だと分かると納得してまた寝てくれる事が多いので)誘ったり、抱っこして連れて行こうとするも、全身で拒否。
かれこれ1時間以上も叫び続けた。
明日も仕事だし勘弁してくれ、と諦め娘にiPhoneを差し出すも、
寝ぼけている彼女はいつものように操作ができず、また癇癪をおこしてiPhoneを投げつける。

あぁ、もう限界。
私の眠たい頭ではこれ以上何も考えられない。
どうしよう、明日は、しごと。
あと数時間で、おきる、じかん…

そして例のアプリを起動。

プルルル…プルルル…

着信音が鳴ると、さっきまで1時間以上も癇癪を起こしていた2歳児が目を見開きつつも、ピタッと泣き止んだ。
そして、「鬼さんかな…みんな寝てる時間なのに娘はちゃん寝てないからお電話きちゃったかな…?」
「…ねる…!」

効果絶大。
娘は怯えて私にピタリとくっつきつつも布団の中で静かに寝ようと努力している。
私も寝ぼけた2歳児相手にこんなに効くなんて思ってもいなかった。
しかも着信音だけ。鬼さんはそんなに怖いのか。

そんな娘の姿をみると、夜中に1時間以上も癇癪に付き合ったとはいえ、寝ぼけた娘に対して母はなんて大人気なく器の小さいことよ…と申し訳無さしか感じない。
しかしながら、鬼さん、母の睡眠時間を確保してくれてありがとう。

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そんな事があったりもして、思ってしまったのだ。
親にとって「鬼さん」も「サンタさん」も扱いがあまり変わらないなと…
恐怖と欲との違いはあるが、親とっては両者とも、子どもが素直に?話を聞いてくれる有難い存在なのだ。

ここ数ヶ月は「鬼さんが来るよー!」と「サンタさん来ないよー!」を交互に言われていた子ども達。
もちろん親である私達がそう言っている訳だけど、
子ども達は謎の人物2人に常に見張られてるようで何だか忙しい。

サンタさんは彼らにとってどんな存在なのか?
本当にプレゼントをくれる素敵なおじいさんなのか?本当に夢があるキラキラした存在なのかな?
きっと、ただただ怖いだけの鬼さんと、魅力的なプレゼントをくれるサンタさんは絶対的に違う存在なのだろうとは信じたい。

先週末、一足早く保育園でクリスマス会があった。
先生が扮したサンタさんも登場して、様々な楽しい催しと、ちょっとしたプレゼントをもらい帰ってきた子どもたち。
さぞかし楽しかっただろうと、娘にクリスマス会の事を尋ねてみたら、
娘は「サンタしゃんこわかったの!…エーンしちゃった…」と。

娘ちゃん、着ぐるみとか苦手だったね…
コレじゃあ本当に鬼さんと変わらないのでは…

子どもへの罪悪感と己の器の小ささと。
そんな複雑な気持ち抱えつつも、明日はクリスマス。

Merry Christmas
皆さん、良いクリスマスを。

我が子達もサンタさんからのプレゼント、
喜んでくれるといいな。

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