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共鳴*老松に春一番の濤しぶき

老松に春一番の濤しぶき  岡田 耕

    この句は読む人により場所の変わる句である。
日本の海岸に松原は多いが、日本海側の松原を感じる。長い冬が終り、春を告げる風「春一番」。強い風で昔から船乗りの良く使う言葉が残ったようである。
    むかし結社の吟行で「天橋立」でこの句の光景に合った事が今思い出された。
    句の光景は何の説明もいらない。葛飾北斎の絵のようで、一読で全てが伝わる句。「松にかかる浪しぶき」まで浮ぶ写生の名句で天に頂いた。
吟行の時には若く詠めなかった。吟行が今蘇る句である。

(岡 白雲)

「あひる句会報」令和三年二月号

(岡田 耕)

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