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老いを感じてから本気で思う「若いっていいなあ」。

「若いっていいなあ」そう言い始めたのはいつのことだろう。
20歳を過ぎた頃、バイトで一緒になった高校生の子に言ったのが最初だっただろうか。

でもあの頃はまだ、本気じゃないというか半分ネタだった。
だってまだ自分も「若い」と思ってたから。

「私、年を取ったな」と思い始めたのは多分、30歳が視野に入った頃だったと思う。
何かの勢いで徹夜したら、その疲れが1週間ぐらい取れなくて「学生の頃は徹夜明けにバイト行ってたのに…」と、はじめて「体力の衰え」みたいなものを感じた。

「ああ、もう無茶はできないな。年取ったんだな」そんな風に思ってちょっとショックだった。

それから30歳を過ぎ、40歳を過ぎ、昨年の11月に45歳になった。

肌の曲がり角を何度も迎え、白髪を見つけては愕然とし、それでも老いと戦いながら生きてきた。

44歳を過ぎた頃、急に目に老いがきた。
小さい字が見えない。すぐに目が疲れる。

あともっと困るのが「飛蚊症」。
白いパソコン画面が見づらい。
治らないらしいから、ますますつらい。

でも、身体は元来丈夫なおかげか、徹夜以外で「体力落ちたわ…」って感覚はあまりない。
まあ、体力の限界まで何かをすることもないし、さほど運動もしないからだと思うけど。


それよりも、最近すごい勢いで老いを感じるのが、「頭」。

まずは記憶力の低下。
すぐに忘れる。「なんだっけなあ」ってなる。

人の名前とか、映画のタイトルとか、店の名前とか、そういう固有名詞がすぐ出てこないのは、もはや当たり前。

そしてもっと感じるのが、とっさの判断力というか、「頭の回転が明らかに落ちてるな」ってこと。

ぱっと切り返したいときに、その瞬発力が出ない。
言葉も出ないし、なんというか「頭が動かない」感じがすごくある。

その瞬間「ああ、年取ったなあ〜」って実感する。
頭のハードディスクの性能が、確実に落ちてる感じ。嫌だなあ。


日々、何もかもが順調に老いて行っている。
それが自然の摂理だから仕方がない。

でも老いを感じて気付いたことがある。

今まではなんとなく、先の人生の方が長いと思って「将来どうしようかな〜」みたいに思っていたけど、45歳をすぎてから「あと何年、自分の身体は自由に動くんだろう。何年残されているんだろう」そう思うようになった。

「人生の終わりに向かって進んでいるんだな」そう感じる。すごく。


これからもっと頭は動かなくなっていくだろうし、集中力も根気もなくなるだろうし、目も見えにくくなるだろうし、肌も老いるし白髪も増えるだろうし、体力も衰えていくだろう。

それでも、この身体と仲良く生きていかなきゃ行けないんだけどさ。
まだまだやりたいこともあるしさ。

だから最近は心を込めて言ってしまう。

「若いっていいなあ」。


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