『おいしいものは田舎にある』『隠居志願』『ぼくのワインができるまで』『美味礼讃 (上)』といった、玉村豊男が書いたり翻訳した本を立て続けに読む。

何年か前に『料理の四面体』を読んで以来、玉村豊男の「多彩なライフスタイル」と「知への態度」に、勝手に弟子入りしている。弟子は師の一挙手一投足を取り込まなければならない。

『おいしいものは田舎にある』は、雑誌に掲載されていた80年代のエッセイをまとめたものだが、この本では広島風お好み焼きが意外性をもって紹介されていた。ということは、おそらくそれまで関東圏では広島風お好み焼きが知られていなかったということになる。驚きだ。

読んでいて思ったが、食は、一旦広まって一つ世代をまたがってしまえば、まるで祖父母の代から存在しているように錯覚しやすいジャンルではないのか。ノスタルジーと食。マクドナルドのハッピーセット戦略、恵方巻き。

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