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E108:メロンのためいき

今日は23日目です

あのですね、ドクターXで岸部一徳さんがメロンを持ってくるシーンありますねー。あれ見ると、今でも、ちょっとだけテンションが上がる私です。


私のメロンとの出会いはですね、ある旅館から始まったのです。昔の話でございますよ。残念ながら、私、この記憶はまったくないんですよ。


小さい頃、家族で旅行に行ったんです。
父が奮発して、少しいい旅館に連れて行ってくれました。

当時、2歳半の私でございます。 
道中も、母が編集してくれたカセットテープをBGMに、キャッキャッとはしゃいでおりました。


夕食のデザートに出てきたメロンを、たいそう気に入ったんですよね。

ニコッと笑って、
「メロン!」と叫んだんです。2歳です。自分で言うのもなんですが、そりゃもう、なんだって可愛いんです。

仲居さんは目を輝かせて、
「まあ、坊ちゃん!ホンモノが、お分かりになるのね!」

わずか2歳で「違いのわかる男」に認定です。
♪ダバダー ダーパ ダバダー ダバダ

そこから質問攻め…

お名前は?
源ちゃん?
まぁかわいい!
おいくつ?
2歳なの?
メロンがわかるの?
あらぁ、天才かしら!

……なんでやねん


さて、仲居さん、
なぜか「源太2歳」に狙いを定めました…


ささ、源ちゃん、これはなーに?
褒められて機嫌のいい源太でございまして、
満面の笑みで返す「メロン!」


メロンねー!
そうよねえ!
なんてお利口かしら!
そんな源ちゃんには、もう一つ差し上げましょう!


お父様、お母様、
この子は2歳にしてメロンの良さがわかる、
素晴らしいお子様ですわ。


ささ、もう一つ差し上げましょ。


メロン!

2歳半の源太が、とびっきりのスマイルで叫びます。

そのたびに、
仲居さんは、にこやかに
メロンを運んできます…

若い両親も、息子を褒められて
それなりに気分が良くなってまいりまして…。


おい、ここ、
なんて、サービスのいい旅館やねん!
気分ええなぁ。

なんてね…


さて、もうみなさんは気づいていらっしゃいますよね?

次の日、高額な支払いに驚いた両親でございまして。

請求書にはしっかり、メロンの追加料金も加算されておりました。
世の中とはそういうものでございます…。


帰りの車の中でも
「メロン🎵メロン🎵」と上機嫌の息子でした…
親の心子知らず…


「お前は、小さい頃から金のかかる子だった…。」

両親はそう言って懐かしく振り返ります。

人生の節目など、
お金の話になるたびに、
もれなく、このメロンの話も上乗せされます。

知らんがな

記憶にございません。

記憶がないのに、何度も何度もこの話をされます。

父上、母上、それはあんまりでございます。

私が悪いのですか?
私とメロンに、罪はございません…

ちなみに、今、1番好きな果物は 
「桃」でございます。

その影響かどうか分かりませんが、
現在、メロンは2位に陥落いたしました。

メロンに、罪はございません……たぶん


タイトルでユーミンと山瀬まみさんが浮かんだら、
同世代より上↑ですぅ。
【66日の23日目】







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