「P.S. I LOVE YOU殺人事件」後篇~ジョニー・マーサー徹底解剖4
手紙の最後に必ず記されていた「P.S. I LOVE YOU」とは、妻であるあなたへ向けられたものではなかったのです…
そもそも「P.S.」が「追伸」という意味ではないのですから…
・・・・・
前回を未読の方はコチラをどうぞ。
お、おい…
さっきから波の音が聴こえへんか…?
ホントだ…
なんで波の音が?
・・・・・
ぎょえ~~~!
なんで断崖絶壁の上~~!?
殺人事件の謎解きは、やっぱり岸壁の上がふさわしいと思わないかい?
もちろん2時間ドラマ化を想定してのことでもあるんだけど…
しかし、断崖絶壁に立つ未亡人の姿というのは実に美しい…
そのまま絵になりそうだ…
お褒めいただき光栄ですわ…
ですけど、先程まで座っていた椅子がここには…
また椅子を借りてもよろしいでしょうか?
残念ながら湯田さん、ここにはイスはありません。
イスを借りることはできないのです。
!!!!!
またマイマイが何か言ってるぞ。
でもマスクのせいで声がくぐもってて、よくわからないな…
仕方ない。おかえもん、話を続けてくれ。
では、殺害された日の福田音吉氏の足取りを追って行きながら、考えていくとしよう…
あの日福田氏は朝早くに起きると、プロジェクトメンバーとは別に、ひとりで下町へと向かいました。
予定地の土地買収がなかなかスムーズにいかないため、一日をかけて地権者の家を一軒一軒まわろうと考えていたのです。
いくつかの家を訪問したところで福田氏は、あたりが夜のように暗くなっていることに気付きました。
「もう夜?そんなに時間が過ぎていたのか?」と驚いた福田氏でしたが、あいにくその日は腕時計を忘れていて、時刻を確認できません。
しかも雨まで降り出してきたので、福田氏は困ってしまいました。
するとちょうど通りの向こうからやって来る行商の老人の姿が目に入ったのです…
福田氏が時刻を訪ねると、老人はこう答えました…
「もう9時じゃな」
まるで見てきたような言い草…
妄想もいい加減にしてほしいわ…
ご心配ありません、湯田さん。
僕は先日首都へ行き、ちゃんとその時の老人から話を聞きました。
彼を捜し出すのに骨が折れましたけどね…
でも確かにあの日、よそ者風の男から時刻を聞かれて「9時」だと答えたそうです…
・・・・・
もう夜の9時だと聞き、雨の中、福田氏はホテルの部屋へ戻りました。
でも他のプロジェクトメンバーは誰もホテルに帰って来ていません。
変だなと思いつつ、福田氏は部屋のベッドにもぐりこみ、明日に備えて眠ろうと考えました。
だけど、ちっとも眠くなりません…
そこで福田氏は何か本でも読もうかと思い、部屋のデスクの引き出しから備え付けの一冊の本を取り出し、それを読み始めたのです…
ホテルの部屋の机の引き出しの中の備え付けの本?
なんだそれ?
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