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2022ワールドカップ日本戦を統括する

こんにちわ、アルキメデス岡本です。

さて、ワールドカップ2022、ベスト8を賭けた日本vsクロアチア戦が終了しました。

4年ぶりに日本サッカーの歴史を塗り替えるチャンスを得た日本でしたが、惜しくもPK戦の末、クロアチアに破れてしまいました。今回は、ワールドカップ2022における日本サッカーの戦いを統括したいと思います。

森保JAPANの始まり

サッカー日本代表は、2018ロシアワールドカップでのロストフの死闘を終え、2022カタールワールドカップに向け、新たな監督をリストアップしていた。その候補として選ばれたのが、森保一であった。森保一の経歴はご存知の通り、日本代表ボランチであり、サンフレッチェ広島(2012-2017)を3度のリーグ優勝に導いた名将である。

順調に勝ち進んだワールドカップ予選

ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチ、西野朗の跡を継いだ森保JAPANは、伝統的な4-2-3-1のシステムでワールドカップ予選を順調に勝ち進んだ。その戦いの中で、2018ロシアでの主力だった、大迫、香川、本田らの攻撃的システムから、久保、堂安、浅野、前田、南野、三笘、鎌田らを中心にした、堅守速攻型のチームに世代交代を進めていった。

死の組まさかの首位通過

そして迎えたカタールワールドカップドイツ戦、大方の予想を覆し2-1の逆転勝ち、続くコスタリカ戦は負けたが、スペイン戦でも2-1逆転勝ちで、まさかのグループ首位通過。
日本サッカー史上、最高の形でベスト16に勝ち進んだ。

クロアチア戦でのゲームプラン

ここまでの戦いの中で、4-2-3-1のシステムから、3-4-2-1(3-4-3)のシステムが当たり自信を深めていた森保JAPANは、クロアチア戦でも同じシステムで臨んだ。

一方、モドリッチを中心にしたクロアチアは、スペインのように細かく繋ぐパスサッカーではなく、サイドを中心にロングボール攻撃で日本のサイドの裏をついてきた。日本も伊東純也を起点に右サイドから、素早い攻撃を仕掛け前半43分、コーナーからの攻撃で前田大然が先制点を決める。森保JAPANのゲームプランとしては上出来の試合展開となり、そのまま後半に入る。クロアチアは、サイド攻撃を継続して後半10分、右サイドのクロスに遠いサイドにいたペリシッチが頭で合わせ、同点に追い付かれる。

19分、長友に代えて三笘、前田に代えて浅野を投入する。後半30分には鎌田に代えて酒井を投入した。後半42分には堂安に代えて南野を投入。1-1のまま90分を終え、延長戦に突入した。延長前半11分、相手のロングスローからシュートを連発されるが、体を張ってブロックする。

延長前半15分、三笘が自陣から長いドリブルで持って上がり、ゴール左からカットインして正面からシュートもGKがセーブ。延長前半終了。延長後半開始時に守田に代えて田中を投入した。延長後半4分、左サイドの三笘がクロスを上げるが、クリアされる。延長後半9分、ロングスローからピンチを迎えるが権田がキャッチ。120分で勝負がつかず、PK戦に突入した。

決定力不足と戦術眼

後半、同点に追いつかれ、三笘と南野を投入しサイド攻撃を仕掛けたが、この戦術はクロアチアには通用しなかった。森保監督のゲームプランは、0-0もしくは、0-1でも、戦術三笘で逆転するプランAしかなく、その他のプランを仕掛けるバリエーションが無かった。
三笘を封じられた場合のオプションが貧弱で、決定力の高い堂安に代えた南野も不発に終わった。

この場合、最終的なカードとしては、田中、柴崎という攻撃的MFの投入になるが、森保監督は田中を選択。しかし、延長後半15分での投入では機能せず不発に終わった。

結果的に森保采配を分析すると、決定的パスを強みとする柴崎を一度も使うことなく、三笘を中心にしたサイド攻撃と堅守速攻型の戦術に固執し、追加点を取れずに万策尽きた状態で敗北したと言えるでしょう。

最終的な勝機があったとすれば、三笘のサイド攻撃が通用しない状況を素早く見極め、延長に入った段階で守田に代えて、柴崎を中心にしたスルーパス戦術の4-2-3-1オプションに変更するべきでした。そうすれば、前がかりになったクロアチアの裏を、三笘、南野、浅野、伊藤のスピードで切り裂く事ができた可能性が高かったでしょう。

    浅野

 三笘 南野 伊東

   柴崎 遠藤

谷口 吉田 冨安 酒井

    権田

10番という司令塔の不在

クロアチア戦に限らず日本の敗因は、10番という司令塔の不在が大きいといえます。司令塔とは、試合展開に合わせゲームプランを決める、ピッチ上の監督、もしくは決定力の高い選手です。今回の森保JAPANは、ドイツ、スペインという強国に堅守速攻のカウンター戦術が見事にハマッた結果、それが成功体験になりすぎてしまい柔軟性と創造性が失われてしまいました。

ベスト8に勝ち上がったサッカー強国には、必ずといっていいほど10番という司令塔が存在し、監督の指揮とは別に、ピッチ上で臨機応変に判断する司令塔が決定的な仕事をしています。

過去の日本代表の10番には、クセの強いラモス瑠偉、名波浩、中村俊輔、香川真司といった、決定力の高いオールラウンドプレイヤーがいましたが、森保JAPANには本物の10番がおらず、ここぞという時の決定力不足が際立ってしまいました。10番でないにせよ、中田英寿、遠藤保仁、本田圭佑などのゲームメーカーが試合をコントロールする事は非常に重要な要素です。

2022カタールワールドカップ統括

ドイツ、スペインが入った死の組を勝ち上がる為に、堅守速攻型に特化した森保JAPAN は、ゲームプラン通りジャイアンキリングを達成したところまでは良かったが、10番という司令塔がいないまま決勝ラウンドに進み、三笘中心のサイド攻撃戦術(3-4-2-1)の成功体験に固執してしまい、戦術のバリエーションの少なさが露呈。ゲーム展開に応じた、ゲームプランの柔軟性と、積極的な攻撃性と創造性が失われ、戦術的近視眼に陥り行き詰まった結果、クロアチアの堅守を崩せずベスト16で敗退。森保JAPANは、2020東京オリンピックでも、フランス、メキシコに勝利したが、3位決定戦でメキシコに破れ敗退。

森保JAPAN の4年を総括すると、若手の育成と日本代表における実績は評価できる一方、堅守速攻型の戦術以外にゲームプランのバリエーションが無く、ここぞという時の攻撃力と創造性では世界のベスト8と対等に戦うにはまだまだ戦力不足。日本代表は2010アフリカワールドカップ以降、攻撃力の向上とサッカースタイルの確立を模索してきたが、未だその課題を克服出来ていない。ザッケローニ時代は攻撃力が向上したが、その反面、守備力が弱体化。その後、ハリルホジッチ時代は、デュエル重視の速攻が強化されたが、森保監督になってからは、堅守速攻に偏りすぎてしまった感は否めない。企業で言えば、現状維持型の管理職タイプでイノベーションを起こせる起業家タイプではない。

選手のクオリティでは、フランスのエムべパ、アルゼンチンのメッシ、ブラジルのネイマール、クロアチアのモドリッチ、イングランドのケインのような、エースストライカー、ポストプレー、何でもできる10番タイプの司令塔が必要不可欠。

その為には、欧州のビッククラブでスタメンはれる選手をもっと増やすしかない。

それは、、、日本の大和魂を持った、、、日本人離れしたスーパーサイヤ人クラスの、、、スーパーストライカー、、、、最後の、、、

まとめ

まとめると、サッカー日本代表がベスト8の壁を破って、世界と対等に戦う為に必要な要素は以下の通りである。

・10番という決定力の高いワールドクラスの司令塔を育成する(鎌田、南野、久保、堂安は実力不足)

・欧州のビッククラブでスタメンはれる選手をもっと増やす(人材移籍システムなどの強化含む

・ワールドクラスの戦術眼を持った代表監督を抜擢し、戦術のバリエーションを増やし、試合展開に臨機応変に対応できるチーム(自分の頭で考えて仕掛ける)を育成する(森保は戦術の引き出しが少なく攻撃力不足、情緒的でチームをまとめるが詰めが甘い)

・日本の弱点を徹底的に強化し、日本サッカー協会全体のイノベーションが必要(旧体制の田嶋会長を退任させて、海外経験豊富な若手中心の新体制を構築する、例∶中田英寿、ラモス瑠偉、本田圭佑、長谷部誠、小野伸二、、、)

それではまた4年後、、、、バイバイ〜






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