経営と執行のバランス
社内の1on1で話した内容について、今一度自分の中で言語化する意味でもnoteに書いてみようと思う。
今日のテーマは「経営メンバーとしての役目を果たしたいが、執行に割く時間が多くバランスが取れない。どうしたら良いか。」というもの。
非常に悩ましいですよね。
200名規模くらいまでのスタートアップだと取締役、CxOなどの役割を持っている人であっても、ガッツリ自分の作業を持っているケースは珍しくないと思うし、そんなきれいに経営だけやっていて回るという状況はレアだと思う。
きっとみんななんとかそのバランスを取りながらやっているのだろうなぁと思うのですが、今日はそんな話。
大きな石からコップに入れる
当たり前の話ですが、まとまった時間が必要なもの、しかもそれが長いものほど最初に予定しないといけない。きっとそんなことは誰しも頭ではわかっている。問題は、日々発生する緊急度が高いと思われるタスクをどう処理していくか、またそれによって逼迫する大きな仕事とのバランスをどうするか。
ほとんどの場合、緊急のタスクが入ってきたとき、人は大きなタスクを一旦なんとかなる、と動かしたり、無視したりして、手元のタスクに取り掛かってしまう。
しかし、一番重要なのはここでグッと耐えることなんだと思う。
本来大きな石から入れたコップに途中で「やっぱこれ入れたいから」と言って後から石を追加することはできないはず。追加するためにはコップを壊して、入れるしかない。そう、壊しているのだ。自分の予定やスケジュールというのは音を立てて物理的に壊れるわけではないので意識することは難しいが、確かにその無理によって何かが壊れていることは確か。
それが健全な組織のあり方なのか、権限移譲した権限なのか、個人の健康やコンディションなのかはケースによるが、いずれにしても良い状態でないことは確かである。
やはり優先順位を決めて、それに反するものはもう諦めるしかないのではないか。今日のお話の中では「開き直る」という表現をした。
諦める勇気、開き直る勇気
無理なものは無理と。
ただ、経営や仕事というのは、「はい、じゃあ無理なんでやりません」ということばかりを積み上げていってしまうとこれはこれで破綻するので、なんとかしてリカバリする必要がある。
これはまた別のスキルになるのだが、時間軸を長くしてその中でなんとか帳尻を合わせる、ないしはそもそものゴール設定を変更していく、ということが必要になってくる。これは明らかに後天的なもので、しかも練習をすれば誰しもできるようになっていく。もちろん全てをコントロールできるわけではないが、一定の柔軟性を自分の責任範囲の中で持っていくことができるようにはなっていく。
ただ、これは練習すればできるようになっていくのだが、練習しないことには上手くなっていかない。
つまり、遡るが重要なことのために、何かを捨てたり諦めたりして、開き直る、ということができて初めてその先の能力を磨く機会が生まれる。
これはマネジメント論一般にも拡張ができると思っていて、部下のタスクの尻拭いやフォローといったものはマネジメントの役割になるが、いつまでもそれをしてくれる上司である限り、部下の成長は促されない。徐々にハードルを上げ、独力で推進、遂行完了するようになるまでガイドしていく必要がある。きちんとこの期待値とそこへのギャップは伝えていかないと、いつまで経ってもチームとしてできることの大きさは変わっていかない。
諦めてもいい、でもその先につなげることが大事
最後にもう一度、開き直ってもいいんじゃない?と伝えて1on1は終わった。
その代わり自分のやるべきことにフォーカスする時間を増やせせれば確実に成果はでてくると思う。
改めて自分も、最後は自分でなんとかしてしまうとか、体力に物を言わせて帳尻合わせようとしてしまう悪い癖を、もう一度自分の中から追い出さないと、もう一つ上の大きな世界は見えてこないのかなと思った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?