急速に戻す「ウォン安」其の2 - 韓国総合株式指数=KOSPI指数も不穏な動き

  昨日(8月20日)、本日(21日)とどうもKOSPI指数の動きが不自然だ。例えば、日経平均など今日の株価は海外市場の下落の動きに連れる形で売りで始まった。韓国でも朝方からサムスンやSKハイニックスなど主力株が売られる中で、KOSPI指数だけ上昇する動きが見られた。

 24日のGSOMIA延長期限を控え本日の日韓外相会談が注目されており、イベント前に市場が不穏な動きをするのは良くあること。事実、20日にはサムスン向けのレジスト6か月分の許可が経産省から出たことも株価上昇+ウォン買い戻しに寄与したのは間違いない。ただ、韓国の株についてこの2日間の不穏な動きは年金資金などを使ったPKO(Price Keeping Operation、株価維持のための買い介入)ではないだろうか。

 韓国政府は日韓関係の修復を表向き謳っておきながら、一方で放射能の問題をオリンピック委員会の場で言い出すなどの「嫌がらせ」も行っており(福島県生まれの「損切丸」としては心情的には許せない行為)、いつものことだが本当に嫌らしい。メディアを駆使してあれこれニュースをまき散らして、さも日韓が和解するような雰囲気を醸成しようとしているのは見え見え。過去に日本側がほとほと疲れて何度も妥協してきた歴史が垣間見える。

 前稿でも触れたが、こういう展開、雰囲気の中で為替市場でウォンの買い戻しが先行するのはやむを得ない。実際にGSOMIAの結果がでるまではこの展開が続きそうだ。今日の外相会談でおおよその結論が出る、と見る向きがあるが果たしてどうだろうか。

 筆者は、レジストの輸出許可はGSOMIA延長のための日本からの一種の見返りと見ており、これが日本が要求している徴用工問題によるや国際法違反の状態の是正にまでつながるとは考えていない。あくまでGSOMIAが今回の主題だ。もしこの2日間の韓国株価の動きがPKOだとしたら、それこそ矛盾である。外交問題が根本から解決するなら市場介入など全く必要ない

 サプライズでGSOMIA破棄などしようものならKOSPIもウォンも大暴落であろうから、最初から選択肢としてはありようがないのだが、日本側も韓国を経済危機にまで追い込むつもりはないので「関係修復ムード」にお付き合いしているというのが実情ではないだろうか。

 「Sell the Rumor Buy the Fact」。今日の外相会談の結果がどうなるかも注目されるが、実際にGSOMIAのことが決まった後の市場の反応が大事。展開としては、8月1日に投稿した「ホワイト国除外」と「据置き協定」ー ロイター通信の放った矢 の時に似通ってきたが、日米韓3国の基本的なスタンスはその時と全く変わっていない。

 「延長」でも「破棄」でも結局はウォンもKOSPIも売りに転じるように個人的には思うが...この雰囲気の中で逆張りするのはなかなか覚悟がいるし、入るタイミングも難しい。だがその分ハイリターンになる確率も高い。勝負するか否か、ん~。

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