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映画「タイタニック」で「泣けば泣くほど冷める」と言われた話

だよねって納得はできるからさ…



今の若い人にとって映画「タイタニック」(1997)の知名度はどのくらいなのか?

何年か前にゴールデンタイムに前後編でテレビ放送していたので、古典的ポジションは得ているようだが、今の若い人はテレビ自体を見ないようだし。

それでも、大ヒットした主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」(セリーヌ・ディオン)をバックに、船首で主人公二人がいちゃつく名場面は定番ネタ(ある世代には)なので、ああ、あれかと思う人も多いだろう。


アカデミー賞11部門を獲った世界的ヒット映画だったが、当時アート系に走っていたわたしは「あんなお涙頂戴の金ばかりかけたベタな映画」と冷ややかな目で見ていた。


ところが、中学時代からの友達二人から誘われて、気乗りしないまま見に行くことになったのだ。


noteの映画(館)にまつわる話でも書いたが、当時はネット普及はしていなくて、せいぜいガラケー(携帯電話)が一般普及しはじめた、という程度。

映画館には、ネット予約も座席指定もなく、入れ替え制でもなかったため、席取り合戦に負けた場合は次の回までロビー(っても今のシネコンのような広くてきれいな場所ではなく、基本通路)で待つか、立ち見をするかの選択を迫られることになる。

ということで、確実に席を取るには、前の回が終わる頃にシアター内に入り、帰る人が席を立つと同時に狙いを付けた席に荷物を置いたりしてキープする必要があった。

帰る人と来た人が、せっま~い座席通路で入り乱れて、早い者勝ちの戦いは混乱の体。

グループの人数が多いと、最悪二つに分かれるか?など、戦略も必要であった。

まあ、そこまでの混雑を経験した記憶は「タイタニック」だけだが、実際、その時は立ち見の人もいたと思う(194分だが…)。

ちなみに、日本での興行収入は277億
歴代では、「鬼滅の刃」、「千と千尋~」に継ぐ三位に入っている。


そういえば、当時の映画館は入れ替え制でなく、かつ時間無制限ゆえに、時間つぶしや涼や暖を得るために映画館に入る時代でもあった。
だから、ふらっと入った映画館で話の途中から見て、その次の回の冒頭から見たところまで来たら席を立つパターンもあったと思う。

また、空いている映画館は寝るには格好の場所でもあった…。

閑話休題。



さて、当時、まだ若かった我々三人も新宿の映画館で並びの席を確保。

こうして大作映画の上映は始まった。


映画の内容を簡単に紹介。

1912年に実際に起きた巨大豪華客船タイタニック号の処女航海での沈没事故を基に描かれたラブストーリー。
主人公の身分違いの男女は、船という閉ざされた空間の中で、出会い、好意を寄せあう。
が、氷山に衝突した船は沈没し始める。
傾き始める船の中は、少ない救命ボートの奪い合いやらの大パニック。
混乱の中で再会を果たした二人は、お互いの命を守りたいと思いつつ、冷たい海を漂うが、やがて、男性の命が尽きる。
女性は、彼との約束「生き抜くこと」を果たすために、必死に合図を送り、やがて助けられる。

映画の構成は、老いたその女性の回想という形式をとっている。



船が氷山に衝突してからは主人公以外の人間模様も描かれるのだが、エピソードの一つは、史実に基づいた有名なもので、船の楽団が、皆を落ち着かせるために船が沈む直前まで演奏を続けたという話。


で、わたし、この場面で号泣シマシタ。
嗚咽を漏らす勢いで…。

その後も、冷めてるくせに、一度感情移入すると止まらないわたしは、2人の今生の別れのシーンでも涙涙。


結果、映画見た後、近くのマクドナルドで友達二人に怒られるの巻…。


「え~タイタニックなんか見に行くの?」みたいに言ってたくせに、おからが隣で号泣するから、こっちはどんどん冷めたわ!

と。

ハイ、ぐうの音も出ませんでした。
自分でも始末が悪いと思ったわけで。

気持ちが理解できるだけに、スミマセン…ってそれしか言えずのわたし。

ということで、その後は映画館で(激しく)泣きそうな場合はまわりの邪魔はせぬように気をつけるようにはなった。

映画「タイタニック」、色々盛りだくさん、豪華なセットも堪能出来て面白かったっす。


しかし、あの、近くの人が感情的に盛り上がりすぎていると、自分は急に冷静になる現象に名前はあるのだろうか…。



タイタニックに搭載予定だった自動演奏器を見た話↓


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