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家政婦は見た!?三人揃えば最強説

一本でも強そうなのに、三本の矢



娘とランチブッフェに行った。


野菜を使ったお惣菜の多いお店で、5.6年前に知人と行った際、食事もデザートも美味しかった上、リーズナブルでまた来たいと心に留めていたお店だ。

結局、随分間が空いてしまったけど、今回、電車に乗って行ってきた。


相変わらず人気のお店で、出来たての料理が出るたびにあっという間になくなり、次に出てくるものが違うメニューだったりで、バリエーションも多く気が抜けない。

ブッフェ台が全く見えない席だったため、店員さんの「○○出来たてです~
~」とのコールに耳ダンボ(→死語?)状態
であった。


さて、デザートの名物の一つが、「お汁粉」である。

「お汁粉」として出されているが、正確にはぜんざい(粒が残っている)であり、中に入れるものもお餅ではなく、白玉だ。


ランチも終盤、すでにパンパンのお腹を抱えつつデザートのお汁粉(白玉6個入り)を取ってきた私。
とってもおいしいのだが、甘いもの好きな私でも、どんだけ入ってる?
?と砂糖の量を推測したくなる程の甘さ。

娘にも聞いてみようかと思ったが、言葉にすることなく完食した。


のだが。


ここで登場するのが、わたしたちの隣のテーブルにいたお年を召した(70歳前後かな)4人組。

食器を返却しに行った際、グループ黒一点の男性と軽く会話を交わし、やさしげな印象を持っていたのだが、その後聞こえた話から、ご夫婦二人+知人女性二人の組み合わせらしいことがわかった。


わたしがお汁粉を食べたあと、少しして、隣のグループでもお汁粉が話題に上るのが聞こえた。


女性陣三人はすでにお汁粉を味わった後で、今まさに食べている男性が「このお汁粉、結構甘いね」と呟くように言った。


その声を拾ったわたし、(あ、やっぱりそう思う? だよね~うんうん!!)と心で激しく同意していたのだが、一瞬の間を置き、女性三人衆から矢が放たれた。

まずは、
「え? 全然そんなことないわよ」
何言ってんのあんた、と言わんばかりの様子で、奥様から第一の矢。

「うん、むしろこれくらいが、あっさりして食べやすいわ~。ねえ?」
ほんとに、わかってないなという感じで第二の矢も命中。

「そうそう、甘すぎなくて、ちょうどいいわよね~」
当たり前と言わんばかりの第三の矢がダメ押し。
女性三人は完全合意で頷き合う。


「……」
孤立無援。

(いやいや、甘いって~)と、男性を応援しつつも、おばさま方の自然体かつ強固なチームワークが一瞬で発動される様子に、プロ集団か?!と驚愕するわたし。


男性は、負け戦濃厚、死に体ながらも勇気を出して(→たぶん)、ちょっと粘る。

「そうかなあ。下の方からかきまぜたからかなぁ…?」
(下に溜まった糖分がたくさん入った的な匂わせで女性陣との正面衝突を避けつつ、おずおずと主張)。


が、ソッコーで飛んできたのが奥様の一振り、
「あたしだって、かきまぜたわよ」
「…そお?…」


…この件終了とばかり、三武将は別の話題に。
…完敗に乾杯…。


素知らぬ顔でコーヒーを飲みながら、(今回は相手が悪かった。でも、わたしは味方だよ~)と念を飛ばしつつ、食事を終えた。

ちなみに、後で聞くと娘も「甘かった」とのことだった。

わずか数分、こんな一幕を見られて、ちょっと面白かったランチタイムであった。


#エッセイ #食べ放題 #三本の矢 #見た光景 #笑えるエピソード #多数決反対 #ぜんざい #お汁粉 #娘 #ランチブッフェ #高齢者





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