8つの味の「逸脱」はいかが? #文学フリマ東京
どうもこんばんは。おかゆです。
涼しくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近の私はと言うと、この前中学時代からの友人とカフェでお茶をした時、ショーケースに入っていたケーキが気になった友人が店員さんに中身を聞いたところ、店員さんがさらに詳しそうな店員さんに尋ね、詳しそうな店員さんが「クリームっぽいやつです!」と大声で答えてくれてウケました。
ケーキを食べた友人は「むちゃうま」と言っていました。ちいかわかよ。
喫煙OKなカフェだったので、タバコの匂いが混じったショートケーキとチャイを啜りながら、私はこの友人と「逸脱ってなんやろね…」という話をしていました。重いな。
というのも、今度「逸脱」に関する短編小説・エッセイ集を頒布することに決めたからです。
はい。
私おかゆ、人生初の即売会、「文学フリマ東京37」に出店します。むちゃうまなケーキを食べた友人、みそちゃんと出ます。
文学フリマの詳細はこちらから↓
出店場所↓
東京流通センター 第一展示場【D-42】
表紙、裏表紙はこんな感じです。A5サイズの本です。
最近ずっと、紅茶記録で「短編4本を書かねばならない」だとか、「4本揃ったがイマイチ」などとぼやいていた正体は、これでした。先日、ようやく入稿が完了したので、ひとまず安心ということで宣伝させて頂きました。
内容としては、サクマドロップスの8つの味、ハッカ、オレンジ、パイン、メロン、スモモ、イチゴ、レモン、リンゴにのせて、それぞれ「逸脱」にまつわる小説、エッセイを書いています。
Webカタログにて、良い感じに書いた宣伝文句も載せちゃいます。
*
8つの味の「逸脱」はいかが?
「私は先生になりたかった。先生と同じように世界を見たいと願い、さらには先生と同一化することを望んだ。それは、自分自身を棄てることであり、自分自身の否定の裏返しだった。」(「二、愛の告白は腐った苺色」本文より)
ハッカ、オレンジ、パイン、メロン、スモモ、イチゴ、レモン、リンゴ。
どこか懐かしい「サクマドロップス」の味にのせて、私たち「くらむしぇる」の中にある、「逸脱」について描きました。題して『くらむ式ドロップス』です。
休職をした社会人から、自転車が抜けなくなった学校の先生、さらには「あの世界」の登場人物まで。短編小説では、「逸脱」にまつわる4本を収録しています。
エッセイでは、大学時代の「忘れられない」「運命的な出会いをした」恩師について、連作の4本を収録しています。
甘いような、酸っぱいような、8つの「逸脱」。ぜひ、味わいに来て下さい。
【短編小説】by おかゆ
1.薄荷
2.オレンジ生活
3.パインの国
4.メロンソーダ先生
【エッセイ】by みそ
1.李の記憶
2.愛の告白は腐った苺色
3.檸檬的な目覚め
4.それでも私は林檎を食べる
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以上、宣伝でした。
文学フリマ東京にご来場の際は、是非「くらむしぇる」ブース、【D-42】にも遊びに来て下さいね。
◇◇◇
宣伝だけだとTwitterとあまり変わらないので、出店の経緯などをつらつら(ダラダラ)と書きます。
今年の8月頃、「何か次の小説を書きたいなぁ」とぼんやり思っていました。7月に創作大賞のために小説を書いてみて、純粋に楽しかったからです。
公募とか、投稿サイトのお題とか、noteのコンテストなどをぼんやりと見て、5本くらいアイデアを出しました。しかし、どれも書き出すことはできるが、その続きはあまり…という感じで、なかなか筆が進まず。
そもそも、誰かに評価されたくて書くのか?と自問してみると、違うよなぁと。まずは書くことを楽しむのが先じゃない?と思い、公募やらに応募するのは一旦やめました。
まだ夏の暑い日。汗だくになりながら会社に出勤する最中、ふと「文学フリマに出るのはどうだろう?」と思い浮かびました。ちなみに、文学フリマがどのようなものか、未だにちゃんとわかってません。
とりあえず本を書いて印刷して、売るんだろうという乏しい知識でサイトを眺め、私の数少ない友人の1人であるみそちゃんに、「文学フリマ出ない?」と会社のタイムカードを切る前にLINEし、昼休みには「オッケー!」と返事が来ていました。はや。
その後運良くブースの抽選にあたり、出店することになりました。
その後みそちゃんと2度の合宿を開催し、私は短編小説、みそちゃんはエッセイを書くことに。そして、全体のモチーフは「サクマ(式)ドロップス」、収録する小説やエッセイの共通テーマは「逸脱」に決定しました。
「サクマ(式)ドロップス」は、みそちゃんが案を出し、「逸脱」は私が提案した形です。「サクマ式ドロップス」はもう市販されていないので、「式」は残しつつも、味は今でも手に入る「サクマドロップス」の8つの味を採用しました。
「逸脱」…については、自分自身が休職した時に感じたことが大きくて、「自分は(社会から)逸脱した」という感覚について、向き合ってみたかった、というのがあります。
私は4本の短編小説の中で、様々な角度から「逸脱」について描いてみました。
メロンとオレンジが先に思いついて書き、そのあと2週間くらいハッカとパインが全く書けない日々を過ごしました。ハッカは、なんか強烈な感じが返ってプレッシャーになって思いつかず、パインはそもそも何を書いたら良いのか分かりませんでした。それでも粘って、何とか書き上げたら、先に書いたメロンやオレンジよりも自分の好きなお話になりました。
4本揃った後、最初に書いたメロンを読み直し、「つまんねぇ…」と思って丸ごと捨てました。入稿の4日前くらいから書き直し、みそちゃんに見て貰ってなんとか仕上げ、入稿前日からオレンジを書き直して整え、気付いたら朝の4時になっていました。あはは。
みそちゃんは、大学時代に出会った恩師について、4本の連作を書いています。
何度か私もみそちゃんも、お互いの原稿を見せてレビューして…と繰り返しましたが、みそちゃんのエッセイは…狂気に溢れています。良い意味で。
「事実は小説よりも奇なり」とは言うけれど、先生に向けた尋常じゃない眼差しが、小説の主人公じゃなくて実在する人物の実体験だからこそ、リアルで生々しくて、面白い。
みそちゃんも、3本までは書けたけど、最後の1本がどうしても納得いかず落とす予定でした。しかし、入稿前日に最高の文章を仕上げてきて、徹夜で読みながらグッと来てしまいました。
そこから仮眠した後、「○dobeは独占禁止法に引っかかんねーのかよ!」などと文句をぶちまけながら表紙を仕上げ、なんとか入稿しました。想定通りに仕上がったら、自分用のメモとして○ォトショ、○ラレを使わずに表紙を作る方法をnoteにまとめようと思います。
長くなりましたが、社会の荒波に揉まれること約4年、今だからこそ書けた「逸脱」を、8つの味に託しました。
『くらむ式ドロップス』、是非手にとってみて下さい!
おわり
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