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実はほとんどの人が「プロジェクトマネージャー」である Ⅴ/Ⅻ

第五部:リスクマネジメントの基本

これまでの記事では、プロジェクトマネジメントのスキルの日常生活への応用方法について検討し、それらのスキルがいかに私たちの生活を豊かにし、効率的にする可能性を持つかを考慮しました。今回はさらにその範囲を広げ、日常生活におけるリスクマネジメントの基本に焦点を当てます。

リスクマネジメントは、ビジネスの現場におけるプロジェクトマネジメントの考え方をもとにした表現ですが、日常生活や個人的な活動においても、考えられるリスクに対して事前に予防策を講じることは、予期せぬ事態の発生時にも、私たちが冷静かつ効果的に対処し、日々の生活や人生をより安全で安心なものにするために必要な要素です。

そこでこの度は、これまでに考慮したスキルを応用しつつ、日常生活におけるリスクマネジメントの重要性と、その具体的な適用方法を掘り下げて考慮します。

リスクマネジメントのプロセスの適用

日常のリスクを効果的に管理するために、例えば以下のステップを適用できます。

1. リスクの特定

日常生活において私たちは、健康、財務、安全、他者との関係など、多岐にわたる分野でのリスクを特定します。例えば、保証期間を過ぎた家電製品からの火災のリスク、参加するスポーツやアクティビティ中の怪我のリスク、投資や貯蓄環境による金融リスクなどがあります。また、生活環境により考慮する対象範囲は、家族や親族、友人やパートナーへの影響にも及びます。

2. リスクの評価

特定したリスクを、その発生確率と、それがもたらす影響の大きさをもとに評価します。例えば、老朽化した電気配線からの火災のリスクは、生活を共にする家族やパートナーや、隣人の生命にも直接関わるため、非常に高い影響を持つものと評価できます。仮に隣接する家屋のない環境で一人暮らしをしているとしても、不安のある安心できない環境に身を置くことによるリスクを考慮することができます。

3. リスクへの対応

特定されたリスクに対して、リスクを避ける、転嫁する、軽減する、受け入れるのいずれかの戦略を考慮し、選択します。たとえば、健康リスクを避けるために定期的な運動の時間を取り入れることや、家電の火災リスクを軽減するために定期的に設備の点検を実施することも有効かと考えられます。
家族の健康を守るために、バランスの取れた食事や定期的な運動、日々のストレスの管理を促進したり、健康診断を定期的に受けることで病気の早期発見と予防を図ることができます。健康診断に際しては、住まいのある自治体が提供するサービスの利用可否の確認も、有効となる場合があります。

先ずは、何らかのリスクを感じられる場合、その原因を調べてみることから始められるかもしれません。

4. リスクの監視とレビュー

状況の変化に応じてリスクの評価を見直し、採用した対策の有効性を定期的に考慮します。これには、加入する保険の見直しや、生活環境に則した安全対策の検討が含まれます。見落としがちな要点として、例えば、住まいや仕事先において推奨される緊急時の避難経路や避難場所について、最新の情報を確認し、実際に足を運んでみることも有効です。

財務リスクの管理に際しては、不況や職を失うリスクに備えて、緊急時用の資金を取り分けたり、保険でリスクを転嫁する施策を検討できます。また、家計簿などをつけて収支を管理し、無駄遣いを避けることで、財務状況の安定を図ります。大切なのは、一度にすべてを整えることが難しいとしても、段階的に安全や安心に繋がる取り組みを進めていく視点を持つことです。

また、地震や洪水など、自然災害が発生した際のリスクに備えて、非常食や水、必要となる医薬品やその有効性を考慮したり、緊急時の連絡網を準備しておくことができます。特に、災害発生が予測される地域に住まいがある場合には、これらの準備をしっかりと行うことは、自分だけではなく、家族や友人の安全や安心を守る上でも非常に重要です。

まとめ

プロジェクトマネジメントの一環として不可欠なリスクマネジメントは、日常生活においても同じく重要です。事前にリスクを特定し、それに対処する計画を立てることで、私たちは多くの問題を未然に防ぐことができます。他者への影響や配慮を視野に入れた事前の考慮は、不測の事態の発生に際しても、幅広い状況下で自信を持った対応を取るための備えになります。適切なリスクマネジメントを行うことで、私たちは予期せぬ出来事や事故を防ぎ、家庭や生活環境を、より安全で安定した場にすることができます。❀

Ⅴ/Ⅻ

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