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人間になってきた|育児日記

最近、息子が「人間になってきたな」と感じる。

もちろん、生まれた時から人間である。正確には「意思が出てきた」と言った方がいいかもしれない。

以前はミルクを飲んで寝て、微笑んで転がっているだけの生き物だった。語弊のある言い方をあえてするが、自分では何もできないのでペットに近い感覚だった。

それが、つかまり立ちし、はいはいで自由自在に動き回り、パチパチと手を叩いたり、おもちゃを投げることまで出来るようになった。

おもちゃを「どうぞ」と手渡しすると受け取り、「ちょうだい」と言うと持っているおもちゃをくれる。

口に運ばれたものはすべて受け入れていたのが、食の好みが出てきた。息子はドロドロとした食感やお粥が苦手みたいで、パウチのベビーフードは、べーと全て吐き出してしまう。

外出時は、和光堂のベビーランチを愛用していた。スプーンがついていて、温めずに食べられるのでとても便利だったのだが、最近はすっかり食べてくれなくなった。お食事スタイを引っ張りながら大きな声を出して嫌がる。意思表示も一人前だ。

私がダイニングテーブルでおやつを食べていると、すぐに近づいて脚にしがみついてきて、口をパクパクさせながらよだれを垂らす。息子をハイチェアに座らせて、赤ちゃん用のおやつを与えると満足そうに食べる。とても食いしん坊なのは、両親に似たのかもしれない。

先日びっくりしたのが、夫が息子にうどんを与えていると、麺を細かく切っていなかったのにズルズルと啜ってみせた。大人顔負けの啜りように、思わず笑ってしまった。

赤ちゃんのいる生活は、毎日面白いことがいっぱいで、日常の中に笑いがたくさんある。今は犬もいるので、面白さは倍増していて、毎日楽しい。

息子と犬はおもちゃの取り合いをし、お互いを追いかけ回している。シーズーはとても大人しい犬種なので、息子に尻尾や顔を掴まれても涼しい顔をしている。息子は、小さな指先を動かして肉球を触り、一生懸命に観察する。

夜に夫が仕事から帰宅すると、今まではにっこり微笑むだけだった息子が、全力ではいはいをして駆け寄るようになった。犬も大喜びするので、夫の帰宅は、一日で最も盛り上がるイベントになっている。

去年のゴールデンウィークに出産のための里帰りをしたことを思い出した。梅雨がくれば、息子も一歳になる。大人になると月日が経つのがあっという間に感じる。しかし、息子にとってまだこの世界は全てが新鮮で面白い。我が子の初めてを一番近くでずっと見られるなんて、これ以上の幸せはあるんだろうか。

息子の真っ黒な瞳に映る世界を、隣で一緒に見ていたい。

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