Netflixなど家で映画が簡単に楽しめるようになった。
でもね、うちにはテレビがない。
映画は映画館で見る。
年に1度か2度、気が向いた時に娯楽として見ていた。
本を読むように、心にデータではないインプットをとる時間として
映画を見ることにした。
これはその第1回目。インプットの後のアウトプットとしてネタバレ全開でお届けします。

オススメ　90点

映画のおもしろい、おもしろくないは人それぞれ。
結論、おもしろかった。
小さな箱でやるような、場面転換などほとんどしない演劇。
出てくる人数も少ないから、どんどん登場人物のキャラクターが濃くなっていく感じ。そんな舞台が好きな人は好きやと思う。
むしろこれ舞台劇だったんじゃないかな〜と思うくらい。

スピード感とドイツ語

人はそれぞれのリズムを持っている。
歩くスピード、喋るスピード、沸点・融点。
バっと頭に血が上れば、誰だって早口になり大きな声になる。
そしてドイツ語。
日本人の私にとってみれば、スパッスパッと歯切れの良い言葉に聞こえる。
これが討論の切れ味をよくしている。そして時に人を傷つける。

ヒトラーと同じ名前

ストーリーは、4カ月後に生まれてくる子ども名前を当てるところから始まる。当然、誰も当たらない。答えは、アドルフ。
ピンとくる人もいるだろうけど、ドイツ人なら全員わかる
アドルフと言えば、ヒトラー。100万人もの大虐殺をした指導者。
日本でも「悪魔くん」という名前を付けるという親が約30年くらい前に話題になった。でも、似ているようで少し違う。ヒトラーは実在した。
圧倒的な存在感で言えば、「天皇」と名前につけるような感じかな。
これもちょっと違うな〜。

あなたは、賛成？反対？

映画中では全員が大反対！！！
あなたも反対？？
本人は、名前に罪はない。名前は名前であって、本人とは関係ない。
アドルフであっても、他の名前であっても、自分の息子に変わりはない。
この子の性格や人生には関係ない。
確かに。ごもっとも。
アドルフという名前はヒトラー以外にもいる。
しかし、ヒトラーによってアドルフは飲み込まれてしまった。
もう未来永劫、ヒトラーのせいでアドルフは生まれない。
そんなことがあっていいのか？
もう一つ！だったら、うちの子がヒトラーを超えるアドルフになる！と言い始めるのです。子どもはそれぞれ比較されるべき存在でないことを考えれば、ヒトラーを超えるアドルフであるべきなのですよね。
さぁ、賛成？反対？？

ジョークです

お〜名前ってただの呼び名。
でも、一生呼ばれ、使う大切な名前。
なんですが、
このアドルフにする！という弟の発言は、ジョーク（嘘）でした。笑
ジョークはジョークでおわらないのが映画ですよね。
ストーリーは嘘だと明かされないまま進みます。

ジョークが火を付ける

この映画は、ここからが本番。
弟は、本当は亡き父の名前を子どもにつけることにしていた。
後からやってきた弟の妻は、きっとみんなこの名前を喜んでくれると
ワクワクしながら話します。「いい名前でしょ？思入れがあるの」
周りはまだアドルフにすると思っていますから、
「はぁ？？？」と一層、火がつきます！
もう大激怒！！

大体、あなたは！

喧嘩は、昔のことを言い出すと泥沼です。
いえ、底無し沼です。
この映画、沼にはまります。
ずっと仲裁役のように振る舞っていた親友が最後巻き込まれます。

人生の大体ことは、なかったことにできる

思い出してください。
子ども頃、いじめられたりいじめ返したり、
なんでこんなことやったの？言ったの？ってないですか？
大人になってからの方があるかもしれません。
妬み・嫉み・嫌がらせ、したりされたり。
本音と建前。
でもね、人生のいいところは、あんなこともこんなこともあるけど、
やり直せるし、忘れられる。（大体のことは）
そう、「いろいろあるよ、人生なんだから」
が、ボンボン！出てくる。
でも掘り返すとね、掘り返された人も、掘り返した人も凹むのよ。
大戦争が勃発して、あっちにもこっちにも銃弾が飛び、結果は？？

この日から、人生が変わる？？？

こんな大戦争、絶対いや！！
腹の中身を全部見せたら、どうなるか？？
結果、どうにもならない。何も変わらない。

そして、子どもは生まれる

新しい命は、アドルフと名前をつけようが、
どんな親からでも、関係なく生まれてくる。
子どもは、1年に1歳ずつ大人になっていく。

最後のシーンの答えはいかに？？

無事に弟の子どもは生まれてくる。
例のジョークから勃発した大戦争も嘘のようにみんなで病院へ。
ところが、弟は「女の子だった」
アドルフ事件はなんだったのか！！？？
でも、まぁいいか。生まれてきたのだったら。
で、「名前は？？」

さぁ、あなたの答えは？？

お名前は・・・・？？

１　女の子でも「アドルフ」とジョークを飛ばす。
２　ここには書いてないが色々あったお母さんの名前
３　全く関係ない名前
４　そんなのどうだっていいだろ？と答えない
特にここは重要なポイントではないけど、テンポよく過ぎていく最後のシーン。
しかも、そりゃ〜もちろん、「・・・・・」とみんな答えは一緒だよね？と
過ぎ去っていく。
でも、実際は、え？？？そりゃ、あの、その、ってまごまごしちゃう。
あなたの答えはどれですか？