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岡山カレー日記5(サティスファクション カレー&カフェ)

1965年。ローリーングストーンズは、"I can't get no satisfaction."と歌った。
1999年。真心ブラザーズは、「俺は満足している 俺は大満足」と歌った。

オールドシンハラのスリランカチキンカリー(1,100円)

セットにしたので、サラダとスープがついてきた。
スープは、もうレンズ豆を飲んでいると言っても過言ではない。
優しい気持ちになるスープだが、気が付けば身体がだんだん熱くなる。
この後、登場するカレーに合わせて、気付かぬうちに
胃をウォーミングアップしてくれる。

カレーの上にはパパドの帽子

日差しの強いスリランカ。
カレーもパパドの帽子をかぶって登場する。
パパドを外せば、中央に盛られたご飯、周囲を囲むカレーのルー。
ルーはスープ状でまさに、海に浮かぶスリランカ(セイロン島)。

カレーは安定的な辛さを保つ。
口中の唾液を程よく分泌さえるだけの辛さを常に与える。
額にかく、拭うほどでもない汗のように清々しい。

ルーの海には、具材たちが自分の出番を待っている。
ニンジン、ダイコン、タマネギ、シメジ。
普段なら野菜と一括りにしてしまうが、今日は違う。
トランペットにサックスにトロンボーンといった感じだろうか。
ソロパートを絶妙にこないしていく。
この時ばかりは、ルーの辛さがキュッと後ろへ下がる。

いつでもチキンは別格だ。
なぜかちょっと暖かい。さっきまで火のかかった鍋にいた。
俺はいつでも戦えると言っている。
口中に一口で頬張れば、もう誰も入って来れないワンマンショー。
肉の食感は柔らかいにもかかわらず、ぶりっとした重量感と存在感。
暑いスリランカを涼しい顔で過ごすなんて大間違いだ!と
ブワッと汗が込み上げてくる。

天国に行きたいなら、追加のエッグマサラ(100円)

主役級が入れ替わり立ち替わり登場する舞台に、
リズムを止める歌姫が現れる。
その滑らかなで濃厚なキミは、カレーを食べていたことを一瞬忘れる。

水分はなぜ必要か

入店時に出してくれる水が他店に比べて極端に大きい。
「ここで死んではならぬ」と初めから教えてくれていたことに今気づく。

食後のチャイ

インドやスリランカに訪れたことのある人は知っていると思うが、
現地のチャイは甘い。
暑さに耐えるためなのか、辛さをバランスがいいのか理由はわからない。

ここのチャイも甘い。
写真には撮っていないが、スティックシュガーが添えられていた。
つまり、もっと甘くして飲んでいいんやで!ということだ。

もっと甘くして飲むのがここの流儀なのかもしれない。
カレーは音楽であり、それに乗せたダンス。
踊り、汗をかき、我を忘れる。
踊りながら水を飲み、フィニッシュする。

ひとしきり終わった後は、リラックスして瞑想へ。
チャイの甘さは異次元へと誘う。
異次元への扉は、グッと糖分の高いパワーを必要とする。
そうやって生きているのだ。

とカレーを食べながら教えてもらったようだった。
ありがとう、スリランカ。
私は、大満足だ!!


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