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No.1119 ♪ にっぽんよ、にっぽん!

昨年の12月28日に上京しました。
乗降客でごった返していた秋葉原駅(もう、えらい変わりようです。私は「今浦島」になった心境でした…。)の構内で、正面から慌てた風情でジグザグに走ってきたサラリーマンの男性が、何か財布のような物を落としたのですが気付きません。たまたま若い黒縁眼鏡の女の子がすぐに気付いて拾い上げ、
「落としましたよー!」
と大声をあげて追いかけていきました。
 
♪ にっぽんよ、にっぽん!
 
今年の1月5日の大分への帰り、成田空港174番搭乗口でのことです。
乗客が多くなってきた待合いのロビーで、3~4歳くらいの黒人の男の子が、持っていた小銭を何かの拍子にばらまいてしまいました。困った様子で突っ立ったままの男の子と、無秩序に転げてゆく硬貨(銅色をした10円玉より小さいお金)が対照的でしたが、近くにいた何人かの老若男女が硬貨を追いかけて拾い、彼に1枚、また1枚と笑顔で手渡しました。誰一人としてジャンのように靴で踏んで隠す人はいませんでした。そして、何事もなかったような穏やかな空気が戻りました。
 
♪ にっぽんよ、にっぽん!


※画像は、クリエイター・伊藤めぐさんの、「とうがなし / 奄美の教え」の1葉をかたじけなくしました。奄美大島の人々の挨拶に 「とうがなし」「とうとがなし」という言葉があるそうです。お礼を申します。
 なんでも 「尊々加那志」と書き、「加那志(かなし)」は「愛し・ 哀し」で、「有り難い」「ありがとう」の意味で使われるのだとか。
 今日のコラムを包んでくれる言葉のように思いました。