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新しい働き方実験(第2期)日本HP指定企画_運営レポートVol.3

まずはこちらの動画をご覧ください。

【Before】受講前に制作した自己紹介動画


【After】最終課題で制作した自己紹介動画


こちらは、現役の学校の先生が、動画制作講座に参加し制作した自己紹介動画です。

本記事では、2022年6月〜8月の3ヶ月間、動画編集に挑戦した学校の先生たちの成果をご紹介させて頂きます。

本企画は、PC機器を販売する「日本HP」の支援のもと、学校DXを目的にスタートした実験プロジェクト『ガリベンジャーXプロジェクト〜先生がクリエイティブを学ぶと、生徒の可能性は広がるのか?』です。

※詳細は、過去のレポートをご覧ください。


未経験から始める動画編集

講座開始時の先生方の編集スキルはバラバラで、学校行事やプライベートで制作の経験がある先生や、動画に触れる経験がこれまで全くなかった先生など、横一列のスタートではありませんでした。

なんと言っても、日中は学校の先生として日々の業務に追われているので、平日夜の講座に参加し、課題提出まで求められるというカリキュラムに、先生方が対応できるかが不安でした。

しかし、講座がスタートすると、リアルタイムの講座受講が難しい場合でも、講座の録画を視聴し、次の週には課題を提出してきてくださり、誰1人離脱することなく、3ヶ月の講座を終えることができました。


プログラム期間中に学んだこと

学校DX スケジュール (4)

本講座では、「動画編集ソフトの基礎操作」と「感情を揺さぶる動画」の2つの学習を目的に、3ヶ月間の動画制作講座を学んで頂きました。

受講した先生方は、講座を通じて「伝え方」を再認識して頂けたようで、「動画制作の構成は、学校の授業作りにも通ずるものがあり、今回学んだ企画構成の考え方を、授業でも活かしていきたい」と話す先生もいました。


【講座で起きた変化①】編集スキル

スクリーンショット 2022-09-15 17.16.28

講座の進め方は、座学+課題提出をセットにした内容で進んでいきました。週に1本動画を作り、講師からのフィードバックをもとに修正や、制作を重ねるごとで、動画制作スキルが身につくという内容です。

多忙であるはずの先生方は、モチベーションが非常に高く、講座でのフィードバック以外にも、自ら編集方法をYoutube などで調べ、講師陣も知らない編集テクニックを披露する場面もありました。

もちろん、全員が全員動画制作の経験があったわけではないので、課題提出に苦戦をする先生もいました。それでも、週末に時間を作り、次回講座までには「苦戦しましたよ...」と苦笑いを浮かべながらも課題を提出してくれました。最後まで諦めずに、やり抜く先生方の姿勢に運営チームも、沢山のことを学ばせて頂きました。

最終的には、Youtube でよく見られる動画レベルの編集と、視聴者の感情の動きを意識した動画制作もできるようになっていたので、講座の目的を全員がクリアできたと考えています。

何より、表現したい動画にあわせて、自分自身で調べ、それを実践することができるようになっていたので、当初想定していた以上に、先生方の編集スキルは成長していました。


【講座で起きた変化②】OOへの意識

月に一度、講座終了後にアンケートを実施し、先生方のモチベーションや動画編集などへの意識を測ってきました。

Q.自分自身がクリエイティブであると思いますか?

ご自身のことをクリエイティブだと思いますか?

グラフの見方(縦軸:評価値、横軸:月別)
平均:6.0pt→7.8pt(+1.8pt)

Q.PC操作と動画編集のスキルレベル(主観)

Q.PC操作と動画編集のスキルレベル (1)

動画制作によるリスキリングを通じて、「自分自身をクリエイティブだと感じるか?」という問いに対して平均で1.8ポイント(10点満点評価)の上昇がみられました。動画制作スキルについては3.2ポイントの上昇とリスキリングによる効果は高かったと考えることができます。

また、ITスキルも同時に習得したり、他校の教員やフリーランスとの関わりによって自身の価値観が大きく変わったという声を聞くことができました。
これまで課題として認識していたことが実は簡単に解決できることに気が付いたり、課題ではないと認識していたことが大きな課題だと感じるようになったなど、プログラムを通じた心境や意識の変化が見られました。

愛知県立大府高校 野々山先生のコメント(一部抜粋)
「GIGAに関わる端末の利用用途について、これまでは教師が活用『させる』ものと認識していたが、生徒自身が活用『する』べきものであると認識するようになっていった。」
「動画を学ぶこと自体は有意義であったが、直接生徒に教えていては十分な成果は得られないだろうと仲間と議論してきたことに起因する。あくまで学習する主語は生徒であり、端末を使うのも生徒である。このことを強く意識するようになった。」

前回のレポートでも記載しましたが、生徒と本気で向き合う先生方の意見を踏まえた上で、企画当初に想定していた後期プログララムの内容を「先生が生徒に教える」から「先生がハブになって、外部の大人を巻き込みながら、生徒と作る」に変わっていきました。

プロジェクト後半の方針は大きく変わりましたが、学校DXとして本気度の高い先生を巻き込めたという点で大きな成果だといえるし、大事な軸をぶらさずに、プロジェクトの成果を最大化するための大事な決断だったなと考えています。

【講座で起きた変化③】働き方への意識

Q.仕事に対するモチベーションについて
こちらは複数の設問を通じて、アンケートを取らせて頂きました。
結果としては、多様な働き方を実践する運営メンバーとの交流を通じて、ご自身の働き方や仕事へのモチベーションが多少浮き沈みするような結果になりました。

運営メンバー ハマさんの話
「年々仕事が楽しくなっている。自分の人生において大事なものを優先しながら、生きていける今の働き方は、とても幸福度が高い」

こういった、自由な働き方を実践するフリーランスの価値観や働き方に触れることで、先生方の仕事に対するモチベーションは、正直揺らいでいったというのも事実です。
しかしながら、ハマさん自身もその働き方に至るまでに、沢山の苦難や決断を経て手に入れたもので、夏合宿では、そういった職業や肩書きを超えた、人生観についても語らいました。動画編集によるリスキリング以上に、多様な人材との交流が、先生方の働き方への意識を刺激した結果になったと考えています。

生徒も参加する後期プログラムでは、先生方が前期プログラムで感じたモヤモヤや刺激を、生徒との時間を通じて昇華していくことで、やりがいや、自信につながり、先生方の働き方がさらにアップデートされていくことを期待しています。


参加した先生方の自己紹介動画(最終制作物)

<静岡県立掛川西高等学校 吉川牧人 先生
Before:https://www.youtube.com/watch?v=SuEtWDgM_-c
▼After:講座で学んだ編集技術だけでなく、CANVAなどの編集ツールを活用して制作


<日本大学三島高等学校 加藤利光 先生
Before:https://www.youtube.com/watch?v=9y11C5XG3AA
▼After:「想いを伝える」にフォーカスした結果、画像とテキストを中心にした動画で制作


<愛知県立大府高等学校 野々山新 先生
Before:https://www.youtube.com/watch?v=11u8ma8TqY0
▼After:編集スキルに特化するのではなく、構成や撮影などを工夫して制作


<静岡県立掛川工業高等学校 富永宏 先生
Before:https://www.youtube.com/watch?v=qLrN0smLW-U
▼After:生徒と協力して、あの番組のパロディーを!忠実な再現を目指して、撮影方法や画角を強く意識して制作(BGMは著作権の都合で変更)


<静岡県立富岳館高等学校 鈴木庸介 先生
Before:https://www.youtube.com/watch?v=KkuFG0_Av_g
▼After:見る人を飽きさせない工夫を凝らした、自分自身の授業スタイルを紹介する形での自己紹介動画を制作


前期を終えて、後期では何が起こるの?

生徒×先生 ×フリーランス 動画制作プロジェクト (1)

受講した先生の学校ごとに、動画制作プロジェクトに参加したい生徒を募って頂きました。後期プログラムでは、先生と生徒が一つのチームになり動画製作に挑戦します。制作過程のなかで、必要になった知識やスキルは、オンライン講座や生徒も参加するSlackを通じて、運営メンバーでサポートをしながら、一つの動画を完成させます。

生徒×先生 ×フリーランス 動画制作プロジェクト

制作する動画も、学習したい内容も、先生と生徒が相談し、運営メンバーがサポートする形で進行していきます。制作した動画の提出期限は12月。
静岡県掛川市にある掛川城でのプロジェクションマッピング企画や、オンライン発表会など、いくつかの発表の機会が用意されており、参加する学校の先生と生徒はそこに向かって、制作を行っていきます。


最後までこの企画を見届けてくれませんか?

日々移り変わる社会の中、学校教育という領域で、日々葛藤している先生が、ガリベンジャーXプロジェクトに参加してくださっています。

レポートとして記録を残しているのは、全国の生徒の可能性を広げるアプローチをしていきたいと考えているからです。

正直な話、今回参加した先生から学べる生徒さんは、非常に恵まれているなと実感しています。先生方が既に実践されている、自主性を重んじた授業は、これからの時代を生き抜くために必要な「自ら考え行動する」を実践し、体験できる内容になっています。きっと、社会に出てからもその経験が生きていくのだと感じています。

しかし、この先生5人だけでは、日本全国の生徒たちの可能性を広げていくことはできません。

本企画の募集でさえも、なかなかうまくいかず、掛川西高校の吉川先生のお声かけがあったからこそ、実現したプロジェクトです。

僕がレポートを書く理由。それは、より多くの生徒の可能性を広げたいから。

この取り組みを知った先生が、既存の学校教育に対するアプローチとして何かのヒントを得てほしい。または、具体的なアクションとして、学校外の大人を巻き込んだ教育を実践し、社会全体で教育をアップデートするような状況を作っていければと考えています。

ガリベンジャーXプロジェクトを応援したい!と思った方はぜひ、応援コメントやシェアをお願いします!

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