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想定5分 BL声劇『バレンタインだからどうした?』 作 沖ママ

男A『受け』、男B『攻め』

男A
「え?チョコレート……。ううん、ありがとう。ん、嬉しい。あっ、君。名前は?」

《間を開ける》

男B
「あー、今日バレンタインだっけか。悪ぃ、チョコレート食えないんだよね、俺。じゃあな。」

《間を開ける》

男A
「はぁ……どうしよ。チョコレートもらっちゃったな。見つかったら……怒るよなぁ。」

《間を開ける》

男B
「しまった。今日バレンタインだって忘れてたわ。いちいち断る俺の身にもなってくれよ。はぁ……めんどくせぇ。」

《間を開ける》

男A
「早く隠さないと。カバンの中に……っと入らないな、これ。押し込んじゃうか。えぃ!」

男B
「さて、ここにいたらどうなるか分からん。帰ろ……ん?あれ、アイツ……まだ残ってたのか。……何やってんだ?」

男A
「ふぅ、入った。……ん?あっ。」

男B
「やべ!隠れなきゃ!何を喋ってんだ?良く聞こえねぇな。」

男A
「……ありがとう。チョコレート、もらっておくね。うん、またね。」

男B
「……アイツ……。チョコレートもらってやがんのか!?」

男A
「ヤバいヤバい!早く帰らなきゃ!ここにいたらヤバい!」

男B
「お?……このまま尾行しようか。」

男A
「ど~しよ~。カバンに入り切らないよ。ん~ポケットでいっか。そ~っと、そ~っと……。右よし、左よし。今だ!」

《間を開ける》

男B
「ふぅ~。危ねぇな、見つかんなくて良かったわ。さぁ、追いかけるか。」

男A
「あ、しまった!今日一緒に帰る約束してたんだった!あぁ、もうどうしよう。今から戻る?戻った方がいいかな?」

男B
「そうだよ。俺と帰る約束してたんだよ、お前は。さぁどうする?ん?……ちょっとまて。あぁ、チョコレート?」

男A
「やっぱり戻ろ。約束、だもんねな。」

男B
「悪ぃな。チョコレートは断ってんだ。あっ、アイツ!いや、こっちの話だ。じゃあな。……クソ!見失った!学校、戻るか。」

男A
「あれ?いないなぁ~。もう帰っちゃったかなぁ。どこだろ?」

男B
「ここだよ!」

男A
「わっ!?びっくりしたぁ。」

男B《息上がってる》
「はぁはぁ……驚かせて悪かったな。」

男A
「どしたの?……走って……来た?」

男B
「ま、まぁな。」

男A
「ごめん!実は先に帰りかけてて……。」

男B
「お前さ。俺に隠し事してないか?」

男A
「隠し事なんて……。」

男B
「なら、これはなんだ?」

男A
「あっ、ポケットはダメだって!」

男B
「ん?隠し事なんてしてないんだろ?」

男A
「……チョコレート……もらいました。」

男B
「はぁ!?チョコレート!?これか?」

男A
「うん……。断れなくて……その……。」

男B
「へぇ~。俺に隠れてチョコレートもらってたのか。なるほどねぇ。」

男A
「あっ、その。えっと……。」

男B
「ここじゃ、アレだからこっち来い!」

男A
「ちょっ……強引だなぁ。」

男B
「なぁ、もらったチョコレート。全部出してみろよ。これだけじゃないんだろ?」

男A
「う、うん。ちょっと待ってて。」

男B《耳元でささやく》
「なぁ、お前……どんなけもらったんだ?」

男A
「あっ、んと……カバンに……。」

男B
「なぁ、全部出せよ?」

男A
「……分かった。」

男B
「そうだ、このチョコレート、食って見せろよ。」

男A
「え?今、ここで?」

男B
「そうだ。今、ここで。それとも何か?俺に食べさせて欲しいのか?」

男A
「あっ、それもいい……かも。」

男B
「お前なぁ……。ほら、口開けろ。」

男A
「……こう?」

男B
「いいか?……いくぞ?」

男A
「ドキドキする……。あぁ!ダメだ!照れる!恥ずかしい!」

男B
「おい、こら。動くな。」

男A
「そんなこと言ったって……。」

男B
「俺が食わせてやろうってのに邪魔すんのか、お前は。」

男A
「お、おこって……る?」

男B
「そりゃあなぁ。俺は全部断った。」

男A
「え、すご……。」

男B
「早くしろ。」

男A
「は、はい……。」

男B
「ほらどうだ?女子からもらったチョコを、俺に食わされる気分は?」

男A
「……最高。」

男B
「ホント、お前は可愛いよな。この前みたいに、オモチャにされたいのかよ?」

男A
「また……この前みたいに……。」

男B
「そうだなぁ、今日はバレンタイン。特別なのにしようか。」

男A
「特別?」

男B
「お前がもらったチョコレートで……。」

男A
「チョコレートで!?なにそれ、楽しみ過ぎるんだけど!?」

男B
「どこでやる?流石にここじゃ無理だぞ?」

男A
「俺のウチ、来ないか?この時間なら誰もいないはずだからさ。」

男B
「なら、行こうぜ。あ、そうだ。手、出せよ。」

男A
「ん?手??」

男B
「手くらい繋いだって、いいだろ?」

男A
「マジで!?やった!……お前の手、暖かいんだな。」

男B
「バカ!何言ってんだ。……なんか恥ずかしいな、これ。」

男A
「あ~、照れちゃて。可愛い!」

男B
「う、うるせぇ!お前覚えとけよ!今日は我慢しないからな!」

男A
「それはそれでご褒美だと思うんだけどな。」

男B
「コイツ……。さっさといくぞ!」

男A
「ちょっと、引っ張ったら痛いって!」

男B
「お前が悪いんだ、ばーか!」

男A
「バカって言った方がバカなんだからな!大好きだばーか!」

男B
「俺の方が大好きだ、ばーか!」

終わり

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