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想定5分 BL声劇『俺が好きなのはお前なんだ』 作 沖ママ

男A『受け』、男B『攻め』

男A
「頼む!チョコレートの作り方教えてくれ!」

男B
「えぇ!?何で俺!?」

男A
「お前、お菓子作りとか得意だろ?お前しか頼む相手いないんだよ!な、頼む!」

男B
「ど~しよっかなぁ~。俺も練習したいのは練習したいんだけど……。」

男A
「ならさ!材料費は俺が全部出す!」

男B
「え!?いいのかよ!?」

男A
「男に二言(にごん)はねぇ!時間がないんだ!頼む!」

男B
「あ~、もうすぐバレンタインだもんな。それじゃあ、今週の週末に買い出しに行って、練習しようぜ。」

《間を開ける》

男A
「ん~と、無塩バター?なんだそれ?バターはバターじゃないのかよ?」

男B
「バターにも種類があるんだよ。でも原料となる生乳に、もともと少しだけ塩分が含まれているから、厳密にいうと無塩じゃなくて食塩不使用バターって言うんだ。」

男A
「へぇ~。そうなのか。無塩バターじゃないとダメなのか?」

男B
「お菓子を作る時に、塩を入れるから、その塩の量を調整すれば出来ないことはないけど……。」

男A
「な~んだ、そんならどっちでもいいじゃねぇかよ。」

男B
「ダメダメ!お菓子作りにおいて塩味は重要なんだ。パンやケーキがしょっぱい事ってないだろ?」

男A
「そんなの、砂糖を大量に入れたらいいんじゃね?」

男B
「そんな事したらヤバい食い物になっちゃうぞ。ちょうどいい塩梅(あんばい)ってのがあんの。」

男A
「へぇ~、そんなもんかねぇ。」

男B
「あとは薄力粉。」

男A
「薄力粉??要するに小麦粉だろ?」

男B
「小麦粉にも種類があるんだよ!」

男A
「わ、分かった分かった。」

男B
「卵はウチにあるからいいとして……あ、でもせっかくだから買っとこ。」

男A
「あるんなら買わなくてもいいんじゃねぇの?」

男B
「君は、1度で成功すると思っているのかな?」

男A
「いや?」

男B
「だとしたら、ウチにある卵はどうなる?あったはずの卵がない!おかしい、確かにあったはずなのに!ってなるだろうがよ?」

男A
「ま、そうだな。そんなら買ってくか。これで終わりか?」

男B
「肝心のチョコレートを買ってないじゃないか!」

男A
「あ、そっか。チョコレート作るのにチョコレートが必要なんだな。」

男B
「市販のそのまま食べるチョコレートでもいいけど、お菓子作り用のチョコレートがあるんだ。それを買う。」

男A
「へぇ~。チョコレートにも種類があんのな。」

男B
「そう、そこがポイントなんだ。」

男A
「よ~し、これで全部揃ったな!」

男B
「あぁ、ありがとう!荷物、半分持とうか?」

男A
「お、悪ぃな。それにしてもさ、チョコレート作るのにこんなに色々揃えなきゃならないなんて知らなかったわ。」

男B
「手作りって、どんなものでも手間暇と材料費かかってるからな。」

男A
「チョコレート作るぞ~!」

《間を開ける》
《男A、男Bそれぞれ別々の場所》

男A
「ん~と……。確か……ボウルに卵を入れて混ぜて、砂糖を加えてから泡立て器で混ぜる。だったよな。」

男B
「アイツがチョコレート作りたいだなんてな。どんなのが出来るのか楽しみだ。」

男A
「薄力粉を加え、粉っぽさがなくなるまでゴムべらでよく混ぜる……と。」

男B
「練習の時は俺が一緒にやってたから出来たけど、ひとりで出来るのか?連絡してみるか……いや、ダメだ。ここは我慢だ。」

男A
「あれ?チョコレートとバターが余ってる……えぇ!?チョコレート忘れてるじゃん!?え、今から入れていいのか、これ。」

男B
「さて、俺もチョコレート作ろうかな。今回は気合い入れて作んなきゃな。」

男A
「んん~??こんな感じ……でいいのか?さっぱり分からん!教えてもらったのに何でだ!?いちかばちか、オーブンで15分!頼んます!」

男B
「まずは下準備から。これを怠(おこた)ると上手くできないからな。ボウルに入れて混ぜてっと、耐熱容器に流し込んで……チョコレートを押し込んで……。よし、あとはオーブンで焼くだけだ。」

《男A バン!と机を叩く》

男A
「よぉし!準備は出来た!行くぞ!」

男B
「ん~、良い出来だ。喜んでくれるかな。」

《間を開ける》

男A
「ごめん、待った!?」

男B
「待ってないさ。」

男A
「あ、あの……これ。受け取って、くれるかな?」

男B
「もちろん。俺からも、これ。受け取って欲しい。」

男A
「見た目は、悪くないと思うんだけど……。」

男B
「開けていい?ってか、開けちゃう!」

男A
「……どう、かな?」

男B《咳き込む》
「……ぶはっ!ゲホゲホ!」

男A
「えぇー!?大丈夫か!?」

男B
「これは、ヤバい!食べちゃダメななやつだわ!」

男A
「そ、そんなぁ~。ダメかぁ。」

男B
「俺の、食べて見てくれよ。」

男A
「あ、あぁ。……ん、美味しい……。」

男B
「はぁ~、良かった。なぁ?」

男A
「え、なに?」

男B
「これからさ、2人でお菓子作ろうぜ。」

男A
「そ、それって……。」

男B
「ん、大好きだ。」

男A
「俺も!俺も、大好き!」

男B
「お前さぁ、作り方教えただろ~?」

男A
「だってさぁ、難しいんだよ!」

男B
「あはは、これは仕込みがいがありそうだ。」

終わり

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