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網走湖わかさぎ漁見学ツアー Lake Abashiri

冬の網走湖(あばしりこ)での、わかさぎ氷下曳き網漁のガイドを2年間(2シーズン)程、担当させていただいたことがありました。
悪天候などもあり、2月のわずか延べ11日の[幻の貴重なガイド体験]でした。

 網走湖ができたのは、1200年前くらいで、それ以前は能取湖とつながった海。
事実、湖底には旧石器時代の遺跡もあり、これらオホーツク海岸には縄文海進によって取り残された潟湖(ラグーン)が多いのが特徴です。
 網走湖も汽水湖で、大きさ33平方キロ、最大水深16.8m、周囲44kmの大きさです。

 わかさぎは、1~2年魚。公魚と書きます。
2/3は海へ降り、春の産卵のために冬に戻ってきます。これが漁や釣りの対象です。
春には漁師さんたちが40億粒もの受精卵を全国各地へ毎年出荷。天然産卵も網走湖ではなされています。ですので、網走湖は全国のわかさぎの故郷なのです。
 
 氷下曳き網漁(こおりしたひきあみ)は、大正時代から続く漁法で、昔は馬を利用されていたそうです。4人一組で手上げ。現在のような共同漁ではなく、個人で行われ、場所はくじだったそう。馬が落ちたこともあり、丸太で助けたことも。
昭和40代から共同機械化での漁体制とされました。当時と比べると魚は減っているそうです。
 網走湖畔の呼人地区は半農半漁して今に至ります。昔はリンゴの産地でもありました。これらが苦労話の一つです。

 現在の漁は、3人一組の10組で実施。
1月上旬~3月中旬に行われ、市場が休みの日以外、まだ暗い6:30~から開始されています。
 漁場穴は100ポイント近くあり、晩秋、湖の結氷前に網のレールを仕掛けておき、冬の漁期間中、その日の具合(経験と勘)を見ながら、そのレール網を曳きます。つまりカーテンと同じ原理になっているのです。
 幅10×長さ180mの網をセンベイと呼ぶ機械で巻き、やがて重たくなってくるとゴッチと呼ぶ機械に変えます。一つの黄色い浮き玉が出て来ると網上げ直前で、ここがクライマックス、撮影チャンスです。

 箱へドサッと入れた後は、自由にさわって構まいません。緑ゴム手袋の使い回しで体感します。
特に子どもたちが喜びます。アメマスやニシン、カレイやウグイなどといった漁の雑魚たちの説明も好評です。
 ただし、わかさぎのお持ち帰りは、市場検査(含む金属探知)を受けていないため、絶対にいけません。
 雑魚などは遠くに手捨てすると猛禽たちがやってくることが多く、漁業へ依存していることがわかります。観察できるワシたちの説明なども好評です。
 わかさぎの市場価格は=1kg600円から抱卵しだす後半にかけて800円台で取引されます。

<いままでの実施手法>
参加費:お一人様2000円
ポイント
・目新しいものを作る観光ではなく、地域文化をそのまま体験観光に
・網走湖は全国のわかさぎの故郷である、漁師さんの苦労と食育
・大正時代から続く漁の営みのおこぼれに依存するワシたち
     
アトラクション
・スノーダッキー移動、ガイドによる天都山(211m)などの解説、樹氷やダイヤモンドダスト光景、移動に居るワシたちの見学
・漁場での見学体験、網上げされたさかなたちの手袋体感
・捨てた雑魚たちに近づくワシたちの観察
・わかさぎの佃煮おみやげ

この[幻の企画]は、漁師のみなさんのご理解ご協力はもちろんのこと、市役所や観光協会さんの立案調整やPRなくして成り立ちません。
何よりも漁ポイントへご案内、移動するスノーモービルやスノーダッキーを湖畔に用意しておかねばならず、冬季の新大陸発見・あったか網走イベントが併行開催していないと難しいのかも知れませんね。
いつかまた復活することを願ってー


スノーダッキーで楽しく移動


ポイントでの観察風景


網上げの様子


水揚げされたわかさぎ


ガイド風景
ミスター鈴井貴之さんにもご参加いただきました!

直CUE!勝負 目指せ!北海道完全征服!?第2回戦 札幌・オホーツク編 [DVD] 鈴井貴之 (出演, 監督)
に収録いただきました!

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