©️Hideki_Matsuo

北海道から九州に移住。ときに自然ガイドの日々。山歩きとめだか飼育が趣味。学生時代は72…

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北海道から九州に移住。ときに自然ガイドの日々。山歩きとめだか飼育が趣味。学生時代は72山行、127日入山。 都道府県職(農業・水産・生活)/自然体験活動指導者CONE/サービス介助士 記録の残る過去山行(年月バラバラ)や思い出話など備忘録的なことをボチボチと投稿しています

最近の記事

【知床から箱庭の島へ④】羅臼岳

▽6.26 thu   4時起床。くもり。 山も望めない… う~ん、前日の願い叶わず… 二日目は、羅臼岳(1,661m)である。 「男子隊」は羅臼側から頂上へと登り、ウトロ岩尾別側へ下る、つまり知床半島を横断するコース。 「女子隊」はウトロ岩尾別側から頂上を往復するコースで、ぼくはその女子隊の担当である。 ウトロ岩尾別側からでも片道7.2kmの山である。羅臼側からは、さらにキツイ。 ご存じのとおり日本百名山の一つのため、訪れる登山客が多い人気のある山である。 BCで悲

    • 【知床から箱庭の島へ③】硫黄山

      ▽6.25 wed  4時起床。晴れ。 いよいよ第42回北海道高等学校登山選手権大会(兼全国大会予選)の本番登山が始まる。 ぼくが高校3年生の頃に選手として参加していたものである。インターハイと呼ばれているものである。 あのときは東大雪のニペソツ山とウペペサンケ山の連続登山だったな。 この初日は、知床硫黄山(1,563m)。 有名な「カムイワッカ湯の滝」の先にその登山口があり、今も裾野では硫黄臭の噴煙を上げ、古くは純度の高い硫黄が採掘されていた地でもある活火山の山である

      • 【知床から箱庭の島へ②】帰郷

        網走市を経由して山岳会のN氏、会長宅へ顔を出し、一年以上振りに元の職場へと行く。 この道○への派遣研修中、この派遣元の職場へ挨拶に向かうのは初めてという、「ろくでなし職員」である… それでも、首長以下たくさんの方々が温かく出迎えてくれ、やあやあといろいろなお話をする。 久しぶりの庁舎や職場は、静かで涼しげで、地域の時間が流れているんだな~と思う。 馴染みのお店やガソリンスタンド、知り合いのお宅などにも顔を出す。 乳酪館で新発売されたソフトクリームがおいしい。 あちこちで牛

        • 【知床から箱庭の島へ①】はじめに

          ぼくは、高校生の頃から山登りやヒッチハイクをしながら、知床や根室から望める「北方領土」に憧れてきました。 日本固有の領土と云いつつ、外交の問題上、一般に往き来ができない地域です。 山を始めてからは、一つの島、国後島にある爺々岳(チャチャダケ 1,822m)へ登りたいという夢も抱えてきました。 この北海道の自然のたたずまいを想えば、そこには往年、少なくとも北海道の30~40年前の自然に、原生花園が広がり、さわやかな風が吹いていると想うのです。 そして、大戦後、その島たちを

        【知床から箱庭の島へ④】羅臼岳

          高山植物たち

          だんだん忘れかけてきているので、主な花たちを振り返り整理をします。 撮影地〜大雪山系/知床連山/斜里岳/雌阿寒/藻琴山

          高山植物たち

          【回想】春はどこから

          サケが死んだ。 生まれた川で産卵を終えたサケマスたちは、秋の冷たい水の中に沈んでゆく。 悲しい気持ちで見ていると、すぐにカラスやカモメたちがやってくる。 ボロボロに食べられてゆく。 これから雪、冬になってゆく。 空気も心も凛とするようだ。 物語のはじまりです。 ワシたちは流氷とともにやってくるというのは誤りで、11月頃には飛んでやってくる。 ヤチダモやニレの木にとまり、鈴なりになる。 それをワシのなる木と呼ぶ。 サケマスの死がいを川で食べている。 川は下流から凍るから、冬と

          【回想】春はどこから

          【憧憬】 初めての冬山〜斜里岳

          いろいろと山行記録を綴ってきてはいますが、初めての冬山のことは忘れられません。 しかしながら、直後の山行記録を残していないため、わずかばかりの思い出を掘り起こしつつ、ここに記録しておきたいと思います。 向かったのは、斜里岳(しゃりだけ)北西尾根。 斜里岳は、標高1547m、夏にも初めての単独行をした、ぼくにとっては処女なる山です。 (当時の国土地理院地図では1545m) 日程:1990年1月1日〜3日 メンバー:Eさん、Kさん、M田さん、Fさん、ぼく 春に入会した社会人

          【憧憬】 初めての冬山〜斜里岳

          【はじまりはここから⑩】初めての夏山合宿を振り返る

          大雪山黒岳ロープウェイ乗り場の5合目駅構内には電光パネルで大雪山の四季が大きく映しだされていた。 すごいところに行ったものだと感慨無量になった。 先生が人数分のロープウェイ券を買ってくれ、あっという間に層雲峡に下り着いた。 たかが数日であるが、とても懐かしいアスファルトである。 アスファルトがこんなにも心地よかったなんて。 公衆浴場の黒岳の湯にみんなで入り、汗を流す。 生きかえる心地がした。 ザックの底にビニル袋に包んで背負いつづけてきた短パンTシャツに着替えた。心身が軽く

          【はじまりはここから⑩】初めての夏山合宿を振り返る

          【はじまりはここから⑨】夏山合宿〜下山へ

          翌8月5日。 昨夜のO君は落ち着いた。 天候は霧雨、濃霧。 トイレの順番待ちをする。 このキャンプ地からは辿ってきた高根ケ原、忠別岳、化雲岳、そしてトムラウシ山まで望めるらしいが、何も見えない。 早く帰りたい。 もくもくと朝食の準備。 今日の行程は、白雲岳に登り、北海岳から時計回りにお鉢平を巡り裏旭キャンプ指定地へ。そして北海道最高峰の旭岳往復だった。そして一泊。 翌日、黒岳、層雲峡へと下山。 しかしながら、天候が悪かったため、北海岳から反時計周りに一気に黒岳、層雲峡に

          【はじまりはここから⑨】夏山合宿〜下山へ

          【はじまりはここから⑧】風雨の強行軍

          (カバー写真は、高根ケ原からトムラウシ.  晴れた山行時に望む この距離を歩いた) 翌日8月4日は、風雨で濃霧。冷たく寒い。 山岳部に入って、こんな悪天候は初めてだ。 黙々を強いられる1日となる。 (それだけ主体性がないとも言う) 風雨濃霧の中、この重装備で約18キロもの距離を歩かなければならないとの非情の号令。 予定通り、白雲岳避難小屋キャンプ指定地に向かうらしいのだ。 いざとなれば、途中にキャンプ指定地や避難小屋があるらしい。 昨日のロックガーデンを再び戻り、やはり

          【はじまりはここから⑧】風雨の強行軍

          【はじまりはここから⑦】天上の楽園

          (カバー写真は、北沼) クワウンナイ沢の源頭でゆっくり大休憩した一行は、地下足袋から背負ってきたキャラバンシューズに履きかえ、そのまま東へ縦走路に向かう。 乾いたニットの靴下が心地よい。 右に、つまり南へ折れ、トムラウシ山へのロックガーデン地帯に突入する。 体力がバテバテで、隊列もバラバラに長くなりはじめる。荷物の軽い先輩たちはぴょんぴょん先に行くのが癪だ。 この大きな岩が堆積するロックガーデン地帯は、黄色いペンキで時折進路が示されているものの、これでもかこれでもかと幾重に

          【はじまりはここから⑦】天上の楽園

          【はじまりはここから⑥】戦慄の滝登り

          (カバー写真は、滝ノ瀬十三丁の終盤地点) 合宿2日目 朝4時起床。 天気は晴れ。 足が棒のようだ。動きたくない… 朝食を済ませて、またパッキングをする。 このとき、先輩たちは共同装備や食糧をぼくたち一年生に全部押し付ける。ますます重くなった。 Aヒサ君は、この出発時ザックにウンをつける。 悲惨にも沢の水でせっせと洗っている。 またゴロゴロの沢を遡行する。 魚止めの滝は、沢が「S]字にクランクした奥にある。 左岸を通って滝を越える。 魚止めの滝をこえると短い急な滑滝がありそ

          【はじまりはここから⑥】戦慄の滝登り

          【はじまりはここから⑤】夏山合宿クワウンナイ沢へ

          8月2日、夏山合宿初日、自宅で早朝に起きると天気は濃霧だった。 一行はO山先生たちの運転で、白○村組をピックアップしながら、細かいカーブの多い北見峠を越え、上川盆地、そして天人峡に向かう。 天候は晴れだ。 天人峡温泉手前の左側の駐車場で出発の準備をめいめいにする。 あっちゃんが水筒を忘れてきたと言う。 K先生にバカモン!と怒られる。 この頃の水筒というのは、小さなポリタンクだった。 缶詰を開けて空き缶にして代用するという… 共同装備と食糧は先輩たちも含めて平等に分担し、各

          【はじまりはここから⑤】夏山合宿クワウンナイ沢へ

          【はじまりはここから④】夏山合宿への準備

          (カバー写真はクロユリ) 高体連の大会後は、放課後に部室へ行っても、「今日は練習はないよ」という感じの日が続いていた。 中学剣道部の頃は、平日毎日が朝練、夕練、夜練と部活三昧だったため、部活の体(てい)を成しているのかな?と、少し生意気にも思っていた。 しかしながら、何をどう練習したら良いのかも、わからなかった。 7月2日〜に学年の宿泊研修で国立大雪青年の家に泊まり、十勝連峰の三段山に登った。まだ高校生デビューの浮かれ気分が残っていて、まるで遠足登山だった。布団の南京虫に

          【はじまりはここから④】夏山合宿への準備

          【はじまりはここから③】初めての高体連

          (カバー写真はオオバナノエンレイソウ) 5月25日に、遠○登高会の社会人の方々が北大雪山系にあるニセイチャロマップ沢の遡行に連れていってくれた。 天候は雨、少しの登山歩行で大きな滝が現れ、ぼくたちの技量では高巻きができずに帰ってきた。 そして、6月4日から高体連地区大会である。 大雪山愛山渓〜永山岳での2泊3日。 先輩たちがひとつのパーティ、そして登山初心者のぼくたちがもうひとつのパーティとして参加した。オブザーバー参加だったかも知れない。 ひとつのパーティは、CL(チー

          【はじまりはここから③】初めての高体連

          【はじまりはここから②】告白と春山合宿

          (カバー写真はカタクリ) 入学して早々、故郷から同じ通学列車で別の高校に進学した女の子から恋の告白を初めてされた。 小さな胸に抱えた心を告げに来てくれたのだ。 どうして良いのかわからない愚かな少年のぼく… いまでも謝りたい。 一方ではクラスメイトのaiちゃんとの仲を勝手に冷やかしてくれたのは、やっぱりM田君だった。 顧問先生からもからかわれる始末だ。 「お似合いだべさ」 H先生は、最後に「だべさ」をつけるのが口癖のようだ。 これらを含めた調子に乗らなければ、ぼくは山岳部

          【はじまりはここから②】告白と春山合宿