【短編小説】 ミルクティー
私の日常。
それは時計の秒針が進む音と、キーボードを叩く音だけが響く無機質な世界。
顔を上げると私以外に誰もいなかった。
私がこの世界に存在する意味はあるのだろうか。
ふと、そう思ったとき急に可笑しくなって一人声をあげて笑った。
乾いた笑い声はこの世界の中に、すぐに溶けて消えていった。
「どうでもいいよ」
私は誰もいないその場所で、誰かにささやくように呟いた。
椅子にかけていたジャケットに袖を通し、くたびれた革のカバンを持って、無機質な世界から退場した。
外に出ると、車のヘッ