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自分にブレーキをかけるということ

私がずっとしんどいと思っていること、それは、いつもやりたいことがたくさんあって、何かに追われていて、心休まる時がないということだ。
思えば、中学生のときからそうだった。試験勉強もいつでもベストを尽くしたかったし、習い事のピアノもまじめに練習、部活も3年生のときはキャプテンを努めていた。
20代後半から30代前半にかけては、ピアノ熱が再燃し、アマチュアコンクールを受けたり、演奏会に出たりしていた。舞台に出るとなると、何としてもその音楽の頂上の景色が見たいのと、心配性の性格も手伝って、ストイック過ぎるくらいやり込まないと気がすまなかった。

最近、仕事で担当業務が替わり、周囲からの期待に答えたいのと、多くの取引先のビジネスモデルや商流、個人のお客さまのさまざまなご事情などに日々直面し、知的好奇心が刺激される中で、つい全力疾走してしまう毎日が続いていた。
今思えば、身体の中からは、「疲れてきてるぞ。ブレーキかけたほうがいいぞ。」という声が何となく聞こえてきていた気がする。でも身体が動いているうちは、ブレーキをかけるとか、少し手を抜いたほうがいいとか、考えもしなかった。
そしてとうとう、身体が動かなくなった。
休職することになった。

休職して2週間経ったころ、上司と電話面談をした。TVなど受け身のことはできるんだけど、勉強とか読書とかができなくて…と話していると、「今日それ聞いて安心したよ。」と一言。え?なんで?と正直思った。こんなに何もできなくなっているというのに?
「薬が効いてきてるのかもしれないね。強制的にブレーキがかかってきてるっていうか。前まで全力疾走しっぱなしだったからさ。すごくいいことだと思うよ。しばらくは、ゆっくり休んだらいいよ。きっとこれがいい経験になると思うから。」
なるほど。そういうことか。私は、やっとブレーキをかけられたのだ。

次は、こんなことになる前に、ちゃんと身体の声に耳を澄まして、早めにブレーキをかけないといけないと思う。
まだ自信はないけど、今回の経験、上司に背中をポンと押してもらったような気がして、今までよりは、うまくやれるだろう。

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