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水攻めの記憶

水攻め

幼少期で覚えているいやな記憶

ある晴れた日のことでした。
まだお昼だったと思いますが、部屋は薄暗く、カーテンが中途半端に閉まっていました。
(おそらく、朝になったらカーテンを開けるとか夜には閉めるとかいう習慣がなかったんだと思います。)

母親は怒り狂って「来い!外へ出ろ!」と怒鳴りながら私の首根っこをつかみ、「イヤだ!イヤだ!」と恐くてギャン泣きする私を外へ引きずり出しました。

家の前には車のスペースがあり、ホースがつながっている蛇口がありました。(多分、車を洗う用のもの。)

母親は私をつかんだまま蛇口の水を出し、ホースの先を顔に押し付けました。
ホースを持っていない手では私の後頭部をわしづかみにしています。
顔を動かすこともできないので手で水をはらってもドボドボ水がかかり、ものすごくむせました。

私は恐くて大泣きしているので息を止めることもできず、鼻がめちゃくちゃ痛くなるほど水を飲みました。

これまた私が何をしたのかは覚えていませんが、【はじめての記憶】事件があった時と同じ家なので、恐らく3歳位のときです。
「ごめんなさい!」と何度も叫びましたし、もはや死を感じて「助けてー!」と叫んだのを覚えています。

息できない

母親は、近所に聞こえないように耳元で「お前が悪いんだぞ!」「もう二度としないか!あ!?」「黙れ!近所に迷惑だ!」などと言われました。

日中だったので一人か二人おばちゃんが通りすがりましたが、その時はホースを顔から離し、笑顔で「こんにちは~」と。
大泣きしている私を傍らに「子供は困るんです~」と。
小さい私は、おばさんが黙って通り過ぎるのを泣きながら見ているしかありませんでした。

おばさんがいなくなれば、また水攻めが始まります。
小さいながら、人生が終わったような感覚がありました。

本当に私は何をしたのだろう…?

大きくなってから母親にこのことを話したら、テレビを見ながら「ん?覚えてないわ。」と知らんふり。
しまいには、「しかしあんたは本当に腹のたつ子供だったわ。」「お母さんを怒らせることしかしなかった。」と言っていました。


これ、違いますよね。
母親が怒りをコントロールできていないだけです。
信頼関係が築けなかった親の責任です。
生まれて数年しか経ってない人間に向かって、何をそんなに怒っていたのか。

こうして知らぬ間にコントロールされて、私の自我を踏みにじられてきたかと思うと、悔しいです。
きっと、母親も、親に同じような仕打ちをされてきたのでしょう。
だからといって、私にやったことは断じて許されるものではないぞと、ここでしっかり言っておこう。

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