IPO投資 4月銘柄 その1

こんにちは
大倉金司郎です。

いよいよ4月のIPOも始まりました。
3月の過熱感がおさまり、グロース市場への資金流入も減っています。
個人的に3月ほど興奮する銘柄がなくて、、、分析銘柄に迷っていますが
時流的な観点で取り上げます。

それでは今回
173A ハンモック
について私見たっぷりの分析を行います。

ハンモックの由来は「ハンモックでくつろげるような快適なシステムを組織で働くすべての人々に提供したい」という想いを込めた社名とのことです。

会社名:株式会社ハンモック
証券コード:173A
市場:東証G
事業内容:IT資産管理、情報漏洩対策、名刺管理、営業支援、
データエントリー業務の支援解決
所在地:東京都新宿区大久保一丁目3番21号
設立:1994年4月

上場予定日:4月11日(木)
主幹事:SMBC日興証券
公募売出:1,327,000株(公募50,000株)(売出1,277,000株)
想定価格:2060円
公開価格:2060円(4/3決定)
吸収額:31.4億円
時価総額:89.8億円



早速、IPO評価から記載します。

大倉金司郎の家庭投資 評価

まず先に、個人的な見解を記載していきます。
理由や詳細は、この後ツラツラと記載します。

IPO初値:5
IPOセカンダリー:4
売り圧リスク:低
(初値、セカンダリー:10評価 売り圧リスク:高中低評価)

IT環境を提供して組織を強くするためにサービスを提供しています。
特に法人向けセキュリティ分野はゼロトラスト関連からもますます需要が高まります。そして「IT」「クラウド」のワードもIPOでは人気分野です。
とはいえ、懸念点もありますので!セカンダリーに関しての注目ポイントなど詳細と理由は本文に記載します。

※参照
公開価格2060円 時価総額89.8億円
2,472円(公開価格1.2倍) 時価総額107億円
3,090円(公開価格1.5倍) 時価総額134億円
3,502円(公開価格1.7倍) 時価総額152億円
4,120円(公開価格2.0倍) 時価総額179億円
当日上限4,738円(公開価格2.3倍) 時価総額206億円

事業

IT事業
「IT資産管理・セキュリティ対策」「営業支援・名刺管理」「AIによる文字認識を活用したデータエントリー」に関する業務支援システム及びクラウドサービスの開発、提供

少子高齢化、労働人口減少などの課題先進国へのアプローチとしてITの力で企業の生産性を向上する事業としてサービスを提供。テクノロジーの恩恵を受けられることで本当に価値あることに時間も人もお金というリソースを使えますよね。

ポイント

  • 3つのソリューション:「ネットワークソリューション」「セールスDXソリューション」「AIデータエントリーソリューシ ョン」

  • 自社開発によるカスタマイズ

  • 保守契約などのリカーリング型収益

収益モデル

2000年4月から統合型IT運用管理ツール「AssetView」の提供を開始。
これが前進となり現在まで拡大していることがわかります。

2023年3月期の売上高各割合を見ていきます

  • ネットワークソリューション:売上高64%

  • セールスDXソリューション:売上高24%

  • AIデータエントリーソリューション:売上高12%

ネットワークソリューションが主軸になっています。

ストック型ビジネスへ
オンプレミス型の製品の販売が主流でしたが、ネットワークソリューションの製品のクラウド化や、ク ラウド製品であるセールスDXソリューションの成長に伴い、事業のビジネスはリカーリング型のビジネスモ デルに移行している

この手のシステムは導入して5年間は継続などの決まりがある契約もあります。長期的で安定した収益へ繋がります。
また、一度導入すると変更への労力が大変だと思います。社内システムやマニュアル、社員の作業性など。なので普段から使い慣れているシステムを使いたくなるではないでしょうか?そのために継続率が高めになっています。2023年3月期における解約率は0.35%(月次平均)とのことです。

つまり、一度契約になると長期的な安定収益となります

ネットワークソリューション

主軸と言えるサービス「AssetView」
PCやネットワーク機器の一元管理と同時にセキュリティ対策も行える総合ソリューションです。

統合管理による業務効率化

これを分かりやすく例えるならば、従来は以下のような分散した管理・対策を行っていたものを、AssetViewで一元化できるようになったイメージです。

  • PCのアップデート管理 = 全従業員のPCのOSやソフトウェアのアップデートを個別に実施

  • ソフトウェアライセンス管理 = 各部門でソフトウェアの購入と更新を別々に管理

  • 操作ログ管理 = 社内のPCの操作ログをユーザー単位で分散して記録

  • USB制御 = USBメモリの使用を部門ごとに個別のルールで制限

  • ウイルス対策 = 各PCにウイルス対策ソフトをインストールして個別に管理

このように分散した管理を行うと、ITリソースの最適化が難しく、セキュリティ上の脆弱性も発生しがちです。
しかしAssetViewでは、これらをすべて一元的に管理できるようになります。PCのOSやソフトウェアの一斉アップデート、全社員のライセンス管理、PCの操作ログの一元記録、USBメモリの統一ルール制定、全PCへのウイルス対策配信が可能になります。
これは、オフィスの備品を一か所で一括管理できるようになったのと同じです。従来は各部門で備品を分散管理していましたが、AssetViewを導入することで購入から廃棄まで一元化でき、必要な備品の最適配置が可能になるのと同様のメリットがあります。
さらにAssetViewは、ニーズに応じて機能を自由にカスタマイズできるのも大きな利点です。USBメモリ制御が重要な部門ではその部分を強化し、アップデート管理を重視する部門では該当機能を増強するなど、バランス良く機能を組み合わせることができます。
必要の無い機能をつけるよりは、個々にカスタマイズできる方が嬉しいです。

セールスDXソリューション

「営業を強くし、売上を上げる」をコンセプトにしたクラウドサービス
「ホットプロファイル」「ホットアプローチ」の提供

ホットプロファイル
CRM(顧客管理)、SFA(営業支援)、MAツール(マーケティング支援)を1つに統合したものです。これにより、名刺管理から商談履歴、メール履歴など顧客情報を一元管理できます。

極端に例えるなら、従来は名刺を紙の名刺入れに入れ、商談履歴はメモ書き、メールはメーラーに分散していたようなものです。ホットプロファイルは、全ての顧客情報をスマホの連絡先アプリに一元化したような役割になります。

ホットアプローチ
企業データベースから望みの企業リストを作成し、Webフォームに一括でアプローチメッセージを送信できるツールです。

例えば
建設業者が入札案件の見積依頼を複数の発注企業に一括で送付
卸売業者が取引先小売店に新商品案内を一括で送信
代理店が取引先企業に新サービスの案内を一括でアプローチ

上記のように、新規開拓の効率化を実現しています。インターネット時代に合わせた新しい営業スタイルの提案といえるでしょう。
リストアップした企業向けへの一括メールマガジン配信のイメージです。

ITによる効率化で、オペレーティング的な入力作業や確認に要していた人材のコストは減ります。そして、より強い体制で企業運営を行う人材の確保へとつながっていきます。

業績

売上、利益率ともに増収増益基調が継続
ITがますます加速する時流で右肩上がりの傾向

利益率

*第30期は第3四半期(自2023年4月1日 至2023年12月31日)の実績

利益率は右肩上がりですが過去遡ると
第27期2021年3月期のみ経常損失でマイナスになっています。

第27期2021年3月期における経常損失が△424,242(千円)
認知向上及び新規顧客獲得への積極的な広告宣伝活動への投資が増加したことでマイナス計上とのことです。
当時はコロナ情勢もあり、ハンモックに限らずオフラインの営業活動が制限された時期でもあります。積極的にアプローチしていたのでしょう。

成長戦略

ITを活用して業務効率化を支援するソリューションを揃えており、働き方改革の潮流を景気に左右されずに受け止められる強みがあります。

最大の武器は、自社開発と顧客密着営業によりニーズをいち早く製品化できる点にあります。新機能や新製品を積極投入し、常に市場の過渡期を捉えることで成長を加速させています。とのこと。

配当政策

期末配当の年1回
内部留保をしつつも配当による利益還元
第29期 18円
第28期 35円
投資家への利益還元として
グロース市場での急激な株価上昇によるキャピタルゲインよりは
配当によるインカムゲインを進める必要がありそうです。

沿革

2018年4月1日付けで現任である若山 大典氏が代表取締役社長就任

参考記事↓

創業者である若山 正美氏は現在取締役会長
2014年当時の記事で創業エピソードが掲載されています。
力強さが伝わってきます!

参考記事↓

分析ポイント

初値評価の理由

  1. IT・クラウド・セキュリティの強ワード ↑

  2. 単独上場 ↑

  3. 人気業種 ↑

  4. VC売り圧なし ↑

  5. 地合い ↓

  6. ストックオプション8,620株 ↓

  7. 競合他社との差別化 ↓

  8. 創業一族経営の保有と売出比率96.2% ↓

4.について
VC(ベンチャーキャピタル)の保有はありません。

6.について
行使期間:2024年3月30日から2032年2月29日

8.について
1,277,000株の売出、この売出比率が不安材料となり、どう判断されるか!?
180日のロックアップ期間(2024年10月7日まで)なのですぐに売却はされませんが、、、。

セカンダリー評価の理由

  1. グロース市場への資金流入減 ↓

  2. 先月3月の過熱感がおさまる ↓

  3. ストックオプション総計124,560株 ↓

  4. 増配への期待 ↑

1.について
地合の悪化によるグロース市場への資金流入が減っています。
4月に入ってから顕著です。

3.について
行使期間:2024年9月1日から2032年7月31日

4.について
配当政策でも記載しましたが
第29期 18円となっています。
上場後すぐに2024年3月期本決算が発表されます。
このタイミングでの増配期待というところでしょうか!

ポイントまとめ

プライマリーによる初値はまずまずの値段になると個人的に思います。
しかしながら、地合の悪さや過熱感の落ち着きを考慮してセカンダリーでは、様子見での打診になります。
なぜか!?そこまで積極的になれないんです。
むしろ、4月IPO銘柄が出揃ったことで3月上場組が再度見直されることも十分に考えています。

ということで、
173A ハンモック の分析になります。
ではまた!


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