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PdMとしてジャックに足りなかったこと

クリスマスということで不朽の名作「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」を観ました。実は初めて観たのですが、とても面白かったです。観たことない方は是非この機会に観てください。ネタバレを含むため、観てから読んでください。

ディズニーにBANされないようにスクショは貼りませんので、ちょっと解釈が難しいかもしれないことを最初にお詫びしておきます。

作品の中で主人公のジャックは自分たちのハロウィン・タウンに飽きてしまっていました。つまりプロダクトとしては衰退期にいたわけです。

そこで偶然にも遭遇したクリスマス・タウンの情景に感銘して、それを自分たちのプロダクトに輸入しようとします。ジャックは素晴らしいPdMとしての才能を発揮します。

ジャックのビジョンは「人々を幸せにしたい」です。そのビジョンにジャックは突き動かされています。

まず、ジャックはクリスマス・タウンからクリスマスツリーを持ち帰り、念入りに分析します。本を読み、クリスマスという概念について学び、クリスマスツリーを分解して、どのような仕組みになっているのかを解き明かそうとします。素晴らしい分析力を発揮します。

そして、クリスマスを自分たちで解釈して、自分たちなりのクリスマスの解決策を思いつきます。ここからがジャックのPdMとしての真骨頂です。素晴らしい統率力とリーダーシップでハロウィン・タウンのみんなを集会所に集め、ステークホルダーである町長すら見方につけて、自分のクリスマス施策を可視化させて共有していきます。

そして、ハロウィン・タウンのメンバーに一人一人に最適な仕事を割り振って、実行するようにプロジェクトを推進して行きます。ジャックが素晴らしいのは、自分がサンタクロースになり、プレイヤーとしても機能している点です。「人々を幸せにしたい」にするためなら、何でもするというスタンスがPdMとしての才能が垣間見れます。さらに、実行するぞとなった時に濃霧が立ちこめてしまうというアクシデントにも関わらず、瞬時に回避策を思いつきクリスマスプロジェクトを実行してしまいます。凄まじい実行力です。

しかしながら、ジャックのクリスマスプロジェクトは失敗に終わってしまいました。ジャックのクリスマスは街の子供たちを恐怖のどん底に落とし、最終的には警察によって、阻止されてしまいました。

ジャックは何を間違えてしまったのでしょうか。

それは、解くべき課題は正しかったけれども、解決策を間違えてしまったことです。解決策であるクリスマス施策を自分たちが思い込んでしまったクリスマスでそのまま表現してしまったことです。届けるべきユーザーのことをガン無視してプロダクトを提供してしまったがために、ユーザーに受け入れられず、大失敗に終わってしまいました。

ジャックに必要だったことは、プロダクトをリリースする前に試験的にユーザーに問い、不確実性を減らすリーンなプロダクト開発」だと思います。

ジャックがクリスマス施策を実行する前に、子供達を読んで自分たちの解決策を試験することができ、不確実性を落とせていれば、悲惨な失敗をせずに済んだとことは明白です。

しかし、ジャックが素晴らしいのは自分が失敗した後のリカバリーです。本物のサンタクロースを連れてきて、クリスマス施策そのものは大成功させました。自分が失敗したとしても、本来の目的である「人々を幸せにしたい」というビジョンは実現させました。「コトを成す」姿勢は本当に素晴らしいです。

もし、このnoteを観て思い出した方、まだ観てない方は不朽の名作「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」を観てくださいね。

メリークリスマス!

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