見出し画像

俳句・二句選・花林花句会。

先日、花林花句会の忘年会に参加させて頂きました。

各人の自選20句があり、
その場では言いそびれた感銘句を
各人分から二句選でご紹介します。

※各人の年間自選20句の全句は
来年2月刊行の「年刊花林花2024」に
掲載、とのことです。




高澤晶子氏「デクレッシェンド」より



言の葉を飾りて祝うお正月


身ひとつ宙に浮かせて赤蜻蛉


廣澤田を氏「空白」より



待ち合わす人も黄蝶も風の中


宙を打つ津軽三味線夏館



榎並潤子氏「空のうず潮」より



大いなる宇宙の心音春の凪


切り絵する鋏の先の涼しさよ



石田恭介氏「夜濯ぎ」より



言の葉の去り行く先の冬夕焼け


青き踏むはぐれむとする選択肢



金井銀井氏「月夜野」より



心のこり秋空に放ち別れけり


濃緑にミニカボチャ精巧なる秋思



島袋時子氏「台風とミサイル怖し」より


おみくじ派あま酒派ゐて初詣


求めらる「英知と心」落第子



鈴木光影氏「しんがり」より



万有のしんがりとして芽吹きたり


闇が耳澄まして実る初なすび



福田淑子氏「摩天楼」より



みなスマホ覗く車窓に赤き月


夜の富士呑み込む位置にさそり燃ゆ



宮﨑裕氏「FUKUSHIMA」より



偉そうに歩いて座る蟇蛙


赤とんぼ戻ってみたい過去もある



杉山一陽氏「天の川」より




屋根の雪ずり落ちまいと融けにけり


ポケット手してつまづきぬ紅葉道



渡邊慧七氏「チワワの群れ」より



天使の輪隠しはにかむかんかん帽


にぎはひを隔てた隅でみかん食む



以上です。

この記事が参加している募集

QOLあげてみた

最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!