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社会問題は田舎がカギ?!

1970年代以降の約50年間、情報技術や金融業の発達により、サラリーマンの増加や資本主義の加速化が進み、都会で暮らす人が爆発的に増えた。パンデミックや水不足、満員電車・交通渋滞など、都会の人口集中による社会問題が山積みとなった。

田舎の労働力は都会へ流出し、田畑や森が荒れた。食料自給率や都市部の水害、獣害被害など、田舎の過疎化が引き起こす社会問題も増えた。未だに田舎より都会の方が給料が良いと、出稼ぎに近い形で田舎の人口流出が起こっている。

真逆なうごきとして、この20年、リーマンショックや東日本大震災、コロナウイルスの流行を経て、高所得者層や若者世代が、豊かな暮らし求めて田舎で暮らすことの魅力を見出していることも事実だ。

田舎の人口流出の進行による社会問題の肥大化と、一定層の豊かな暮らしを求めた地方移住の観点から、現代人にとって暮らしやすい田舎を提案することは社会問題の解決と豊かな暮らしの提案の手掛かりになるだろう。

四国の山間の町、愛媛県内子町小田地区に移住して4年半。都会との「暮らしの違い」に出会う。夕暮れに煙を上げる、まき風呂の家庭、おみこしや獅子舞が出る秋祭り。ニュータウン育ちの私にとって、非日常のような暮らしが小田では当たり前に営まれていた。
 昔っぽい暮らしが大きく変わったのは1965(昭和30)年ごろ。エネルギー(燃料)革命、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の普及などを経て、数十年で全く異なる暮らしに置き換わった。平成に入っても暮らしの変化には続き、パソコンやスマートフォンの普及によって私たちの生活の中で画面を見る時間が劇的に増えた。

今の子どもたちはタブレット端末は使えても、たき火ができる子が少ないし、親世代でも田畑を耕せない人が多くなった。

全国各地で長い年月をかけて培われた暮らしは、この60年でたくさん失われた。社会問題を解決すべく、新たな田舎暮らしをつくろうとしても、この数十年の異常な生活の前がどんな生活だったかがわからないと雲を掴むような作業だ。

かつての暮らしを体現できる世代の目安は、団塊の世代とされている。団塊の世代も70代半ばから後半に差し掛かり、日本の田舎の衰退に拍車がかかる可能性は高い。

 運営するどい書店のコンセプトは「おばあちゃんちよりもおばあちゃんち」。築100年ほどの古民家で田舎料理や田植え、しめ縄など、近所の年配の方から暮らしを教わるイベントを開いている。

昔っぽい暮らしが必ずしも豊かだとは思えない。しかし近代化した暮らしのジリ貧さも感じている。燃料の高騰や外国で起こる戦争を思うと、輸入品に頼った近代的な生活がいつまで続くかわからない。

地域で培われた暮らしを教わり、近代化した今の生活と掛け合わせることで豊かな生活を作れるのではないだろうか。子育て世代や若者世代の多忙は身に染みてわかるが、じいちゃん・ばあちゃんが元気なうちに、暮らしを営むための知恵をたくさん学んでおきたい。

温故知新ではないが近代社会の課題を解決する鍵は、もしかしたら田舎のおいちゃんおばちゃんが握っているのかもしれない。

おばちゃんたちからおもてなしの料理を教わる
さっそく作ってイベント出店!
イベント風景
竹皮も拾ってみたり

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