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Cece Coakley & Medium Build - Knob Road (Official Live Video)

    • 『よいひかり』三角みづ紀

      タイトル、装丁、 帯に書かれている「フライパン」の 詩の一節にひかれて手に取りました。 生活の何気ないひとこまが、 三角さんの目を通して静かに詠われていきます。 食卓のトースト、窓にさす朝のひかり、 コーヒーやスープの湯気、 オムレツの黄色、雨の匂い、 恋人との会話・・・。 三角さんが感じた風の音まで、 聞こえてきそうな気がしました。 どこにも奇を衒ったところがなく、 体から心からそっとあふれてきた言葉が 真摯に紡がれていることが伝わってきます。 ひとつひとつの詩が、こ

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        Marika Hackman - Drown (acoustic)

        • 『いつか王子駅で』堀江敏幸

          語り手である<私>の、 どこまでも自由に広がっていくイメージを 一緒に辿っていくのが心地良かったです。 何気ない会話、 読んでいた小説の一節、 目に映ったものが 過去の記憶と繋がり、 <私>の頭の中でゆったりと静かにふくらんでいくーー。 昇り龍の正吉さん、 居酒屋「かおり」の女将さん、 大家さんとその娘の咲ちゃんなど、 魅力的な人たちとの会話も楽しく読みました。 王子駅を後にする女将さんの姿、 咲ちゃんの走る姿を思い浮かべながら、 私は二度と戻らない時間の中を生きている

        Cece Coakley & Medium Build - Knob Road (Official Live Video)

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          Allegra Krieger - "Low" (Official Music Video)

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          Ólafur Arnalds - Saudade (When We Are Born)

          Ólafur Arnalds - Saudade (When We Are Born)

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          『羊と鋼の森』宮下奈都

          ゆっくりと調律師の道を歩む主人公・外村。 彼の一歩一歩、 確かめるように進む歩き方が好きです。 心がしんとして、 いつのまにか私もピアノの森の中にいました。 木がさわさわと揺れ、緑の中に光が差していく。 爽やかで、穏やかで、美しいひと時。 ピアニストも調律師も一流になるには、 いくつもの葛藤や苦しみを 乗り越えなければならないことが、 外村の目を通して伝わってきます。 鋭すぎる感受性に苦しんだ柳も、 自分の限界が見えてしまった秋野も、 そこを超えて今に辿り着きました。 美

          『羊と鋼の森』宮下奈都

          『夜明けのすべて』瀬尾まいこ

          久しぶりに 瀬尾まいこさんの本を読みました。 するすると読みやすく、 体に入っていく文章と 心に残る物語。 やっぱりいいな、と思いながら 一気に読みました。 藤沢さんが 映画「ボヘミアン・ラプソディ」を見て 感動して、 山添君のアパートへ走り 感想を語るシーンが好きでした。 すごくいい作品に出会った時、 とにかく誰かに話したくなる感覚、 よく分かります。 パニック障害になってしまい、 すべてに興味を失くした山添君が、 PMSに苦しむ藤沢さんと出会い、 次第に好きだっ

          『夜明けのすべて』瀬尾まいこ

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          björk: stonemilker (360 degree virtual reality)

          björk: stonemilker (360 degree virtual reality)

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          『ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯』クレア・キップス

          第二次世界大戦下のイギリスで、 ピアニストのクレア・キップスに 助けられた一羽の雀、クラレンス。 まるで人間の子供のように感情豊かな彼が、 とにかく可愛らしかったです。 たとえば、こんなエピソード……。 スプーンいっぱいのクリームや砂糖などが キップスからもらえそうだと 分かったクラレンスは、 よく羽を毛づくろいして どこか特別に選んだ場所で、 自分自身を落ち着かせてから それを受け取る準備をします。 反対に、薬を飲まされそうだと分かると、 やんちゃ坊主のように がっくり

          『ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯』クレア・キップス

          『アルゼンチンババア』よしもとばなな

          みつこが十八歳の時、母は亡くなった。 それからしばらくして、みつこは 父がアルゼンチンババアと付き合っている という噂を耳にし、 街はずれの、廃墟みたいなビルに住んでいる アルゼンチンババアのもとを訪れる。 アルゼンチンババア(ユリさん)の存在が、 私はとても心地よかった。 あっけらかんとして、 どこにも鬱屈したところがなくて。 すべてを祝福するような、 朝のものすごい光のようなあたたかさ。 そして、廃墟ビルに流れる、  とても穏やかで静かな時間。

          『アルゼンチンババア』よしもとばなな

          『ふくわらい』西加奈子

          暗闇での「福笑い」と「言葉」だけを愛し、 生きてきた編集者、鳴木戸定(なるきどさだ)。 名前も育った環境も特殊な彼女は、 自分が他人からどう思われるか、 ということをいっさい気にしない。 編集者になった定にとって大切なことは、 「言葉」が組み合わさってできる「文章」が 生まれる瞬間に立ち会うこと。 そのために作家の力になること。 ただそれだけ。 作家からの頼みなら、裸にもなるし、雨ごいもするし、 反対に雨を止ませる儀式までやってのける。 会社の屋上で、

          『ふくわらい』西加奈子

          『ぶらんこ乗り』いしいしんじ

          初めて、いしいしんじさんの『ぶらんこ乗り』を読んだのは、 もう10年以上も前のこと。 書店で目にした、美しくかわいらしい装丁。 『ぶらんこ乗り』というタイトル。 ひらがな6文字の著者名、 いしいしんじ。 丸っこくて、やさしそうな名前。 でも少し、いたずらっけがある気がする。 なんとなく興味をひかれたわたしは、 本を開いて、ページをめくった。 「いつものいやなあのばからしい高校」から帰ってきた”私”が、 おばあちゃんに「あのこのノートが見つかったよ」と

          『ぶらんこ乗り』いしいしんじ

          Ölafur Arnalds live from Hafursey, in Iceland for Cercle

          本当に 同じ時代の 同じ世界の 出来事なのかな 信じられないくらい 美しかった

          Ölafur Arnalds live from Hafursey, in Iceland for Cercle

          『バーボン・ストリート・ブルース』高田渡

          高田渡さんの著書 『バーボン・ストリート・ブルース』を 読みました。 高田渡さんは、生きていく逞しい力を持った人。 繊細な心を持った人。 物事をよく見ている人。 お酒ばかり飲んでふらふらしているけど、 一本芯の通った人。 音楽だけでなく生き方もかっこよかったです✧˖° 山之口貘の詩について、 書いているところが好きでした。 私もそういう詩や詩人が好き。 実は、 ちょっと憧れの生き方です。 『バーボン・ストリート・ブルース』 高田渡 筑摩書房

          『バーボン・ストリート・ブルース』高田渡

          『昨夜のカレー、明日のパン』木皿泉

          七年前に 夫の一樹を亡くしたテツコと、 現在も同居を続ける一樹の父・ギフ。 そして、 そのふたりの周りにいる人たちを 描いた物語です。 まだ一樹が生きていたころ、 そのお見舞いの帰り道、 深夜のパン屋さんで買ったパンを 抱きかかえて歩く テツコとギフ。 私がこの小説で、 いちばん好きな場面です。 テツコも、 ギフも、 その周りの人たちも、 みんな愛らしくて やさしい人ばかりで みんなほんとうに 素敵なのですが、 私は特に テツコの恋人の 岩井さんが好きです。 作中に

          『昨夜のカレー、明日のパン』木皿泉