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三島由紀夫「夏子の冒険」感想~ズッコケ三婆ズ!?(祖母、母、伯母)がいい仕事してるよ~

お前にはまだ早い!
白戸家お父さん犬🐶につっこみを入れられそうなので、読むのを躊躇していた三島作品だったが、こちらの作品は読みやすいと小耳に挟んだので手に取る。

ホントだー!
読みやすくて面白い♡
ポップでガーリーでコメディもありのエンタメ色が濃い純文学だった。


なにが面白かったかというと、
個性強めの主人公も良きだけど、脇に控えるズッコケ三婆ズ!?(祖母、母、伯母)がいい仕事するのよ。


ほら、小説(児童書)や漫画にアニメにドラマとか...。
三人組って、個性が異なる三人が一緒に行動することで、より存在感を発揮するでしょ。

たとえば、「ズッコケ三人組」とか、「三匹のおっさん」とか、
ドラマ「大奥」で美味でございます~とつまみ食いするお女中三人トリオとかね。

物語を和ませる存在としても欠かせないのも三人組だと思われる。

もしかして、もしかして...。
本書から三人組が活躍する話がはじまったとか?

待って✋、解説によると村上春樹の「羊をめぐる冒険」は本書のパロディらしいのよ。

「羊をめぐる冒険」未読なんだけど、三人組登場するの?
いろんな意味で、「羊をめぐる冒険」も読んでみたくなった。

🐻🐻

さて、主人公の夏子の魅力と、簡単なあらすじ紹介。

深窓令嬢の夏子は、取り巻きのブルジョア男たちに満足できず、函館の修道院に入ると言い出した。

一度言い出したら聞かない夏子に負け、ズッコケ三婆ズ!?(祖母、母、伯母)は修道院まで送り届けるために函館行きの列車に同乗する。

修道院に入るんじゃなかったのかーい!列車の中で見知らぬ青年・毅の目に情熱的な輝きを見つけ、恋の導火線に火がつき彼についていこうと決めた夏子。

その毅は、亡き恋人の仇である熊を討ちに行くところだった。
グイグイくる夏子にタジタジだったがいつの間にか、熊よりも恐ろしい...猪突猛進な夏子に惚れてしまう毅。

毅と夏子の恋の行方は?
果たして毅は、仇である熊を討つことができるのか?

とにかく夏子のキャラが魅力的。

惚れた男、毅に二度も撒かれてもあきらめずに追いかける行動力が半端ないのに貞操はしっかり守る。

一番の魅力はやっぱり、最後の、驚き、桃の木、山椒の木!大どんでん返しともいえる行動じゃないかな。

私は夏子らしくて好きだった。


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