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あんぱんと牛乳

 あんぱんと牛乳。
 雑誌を見ていたら、この組み合わせが載っていた。パンと牛乳は合う。パンとミルクティーではなく、合わせるのならカフェオレ。あんぱんは、よく食べる訳ではないが、あんぱんとコーヒーの組み合わせも好きだ。
 あんぱんと牛乳という組み合わせは、小さい頃を思い出す。祖母が出してくれるおやつだった。母が帰ってくるのが遅かったので、祖母がおやつを用意してくれていた。子供の頃はコーヒーや紅茶など飲まなかったし、ジュースばかり飲むと体に悪いと思ったのだろう。お茶は、食事の時しか飲まなかった。おやつを食べるときは牛乳だった。
 小さい頃は、夕方にビンの牛乳を飲み、菓子パンを食べていた。パンは、あんぱんが多かったのだと思う。牛乳は、食事以外で何か食べるときの決まった飲み物だった。
 夕食の記憶。苦手なおかずを残そうとして、叱られる。もっと早く食べるように言われ、義務のように食べていた。
 おやつは自分の好きなペースで、テレビを見ながらのんびり食べられた。自分ひとりの時間。「自分だけの特別な何か」を意識したのは、小さい頃のおやつの時間だったのかもしれない。
 父が、あんぱんを食べて牛乳を飲んでいる時もあった。とても美味しそうに、嬉しそうに食べていた。私も同じ表情で食べていたのだろうと思う。
 あんぱんは絶対これ、と決まったものを見つけたい。見つけたら、ビン入りの牛乳を買って、ひとりの時間にゆっくり食べようと思う。

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