らーめんは嫌いじゃないが普段あまり食べない

並んでまで食べたいとは思わない

14年前に前の会社に入社した

そこで1人の男と出会う

2つ年下の彼は強烈なキャラの持ち主

らーめんが大好きでらーめんのホームページを持っていた

情報誌の取材を受けたり

らーめん好きなら誰でも知っているテレビによく出る方とも交流があった

年間４００杯以上食べると自慢していた

らーめんではないが大型連休には家族を残し1人車で香川県へ

2日でうどんを30杯以上食べるような男だった

そんな彼に美味しいらーめん屋をたくさん教えてもらった

将来はらーめん屋をしたいと言っていた

8年前のちょうどこのくらいの時期に会社を辞めてしまう

少し心配だったので引き留めてはみたが意志は固かった

強烈な個性であるがゆえに

回りの人間とも上手くやれていなかったのは分かっていた

個人的にそのキャラは嫌いではなかった

理解した上で付き合えば逆におもしろい

個人的に送別会を開いてあげた

別れ際にハグをし

耳元で「何かあったら相談しろよ」と言っておいた

その1週間後

彼は家族を残して逝ってしまった

相談してくれればよかったのに

彼の命日が近付くとらーめんを食べる

彼のことを忘れないよう

毎年この時期にらーめんを食べる

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※写真はいつか食べた柴崎亭(つつじヶ丘)の鴨中華そば　麺顔が美しい