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【自家製麺】濃厚煮干し鶏白湯中華ソバの作成

吊るし焼き。
まずここからこのお話は始まる。
このスチーム・パンクな吊るし焼き器で二種の肉を焼く。

前日から醤油ダレにドボ漬けしてあった

・豚肩ロース
・豚バラブロック

こいつらを吊るし焼きにしていく。

後からの感想だが━━━━

案外と味が濃くなるので焼く寸前に醤油ダレにサッと漬けて焼くだけでもいいのかも知れない。
まぁこの辺は微修正しつつ何度もやればいいことで。

電気コンロで温度を上げていく。
直火だと温度が上がり過ぎてしまうから100℃推移でじっくり吊るし滴る肉汁で燻していく。

一時間でかなりの燻しが入っている。
前回の失敗から学びここではまだ火が入りきっていないのは学習している。

低温調理したチャーシューを短時間吊るし焼きにしたらどうかな?っていう新境地に至っている。
要はこの燻し香が良い訳だから短時間でも香りが移る筈。
なので中心温度をパスチュライズで安全設定に持ってった後、吊るしてオーブンで温めるように燻し香をつけてやれば今までに無い物に仕上がるか?

まぁそんな事をやりつつビールをキメつつ時間は過ぎ行く。

━━━━2時間経過
ここが限界点だろう。端々が少々焦げている。
非常に芳ばしく良い香りだ。

冷やし食べる直前にオーブンで温め直す。
しっかりと吊るし焼きの燻し香が入っているので温めるだけで良し。

Twitterでアンケートを取った結果「濃厚鶏白湯煮干し」がエントリされたのでテーマが煮干しとなる。
なのでまずは質より量、市販の煮干しを大量に水出ししていく。
同時にサンマ節の混合節、昆布も水出し。

初日はここまで。

二日目

製麺をして行く。
ハルユタカ主体の小麦粉に全粒粉を3%配合させる。

ボーメ度は10度。
加水率は38%だ。

全粒粉はしっかりと焦げ付かないように炒る。

かん水を水回ししそぼろ熟成をさせる

40分ほど寝かせたら足踏みしてコシを加えていく。

パスタマシンの限界を感じ早く小野式製麺機などを所望している今日この頃だが延圧から一度複合。

かん水の調合がうまく行っているのでボソつかずキレイにまとまっている。

発色もいい。
近々、小宮商店から特ナンバーワンを25kg仕入れ更に製麺には没入していきたい所。

一方手切りも。
駒板(ナビ)無しと━━━━

駒板有り。

どちらかというと駒板を使わない方が安定したように思えるのでこちらも随時修練は必須。

一方、サンマ節の魚介出汁からサンマ節を取り出し白絞油へ。
水出ししてない真物も入れてみたが水出しした方が身が開いて油に風味が移りやすいことが判明した。

サンマ香油

かなり風味の強い香味油だ。
中華そばには安定して使えるだろう。

次は一昼夜水出しした煮干しを1時間ほど煮立たないように煮出して煮干しを取り出し肝と頭を取っていく。

簡単なとり方はお腹を三回くらい押してやってから頭を引き抜くとワタまで一気に引き抜ける。
サンマの中骨の抜き方と一緒だね。

身だけと━━━━

頭と肝に分け頭と肝で香味油を引いていく。
こうすると完全に無駄なく煮干しを友好活用できる。

身は水出しして引いた清湯と一緒にフードプロセッサーにかける。

合わせるとこうなるのでこれをじっくり弱火でトロトロになるまで煮込む。

さぁ動物系の仕込み。
今回は「鶏白湯」という事で鶏の捌き身をほぼ丸鶏一羽分。
そして爪付きの手羽を大量に使用していく。

まずは鶏ガラを湯がき掃除する。
この掃除が重要だ。
臭みを抜くにはまずは中の血合いや内臓をすべてキレイに洗う。

二羽分だが結構な量になる。
これがラーメンスープの主たる原料だ。

24cmの寸胴にその他肉とガラを入れ煮込んでいく。
右の豚ひき肉はサンマ節出汁の補強用出汁だ。

灰汁がwwww

ホイップクリームのように出て来やがる。

灰汁を取りきると今度は━━━━

ハイパー鶏油タイム

さすが手羽を大量に使っているので良く鶏油が出て来る。

似ている間に鶏コンフィも仕込んでいく。
塩コショウをしっかりした後━━━━

オリーブオイルに漬けて真空状態にする。

そして58℃で2時間半低温度コンフィ。

4時間ほど経過した様子。
この辺になってくると肉は煮崩れて骨が露出してくるので木べらで潰しながら炊いていく。
非常に焦げやすいので徹底した管理が必須。

計6時間炊き、キレイに濾して━━━━

乳化はどうやら成功した様子。
キレイな鶏白湯が出来た。

鶏コンフィ、2時間半も仕上がり冷やし。

5分半-2分の味玉も完成。

諸々仕上がったので厨房をリセットしてラーメンの仕上げに取り掛かる。

今回は鶏白湯と濃厚煮干しを5:5で合わせて行く。

コンフィはこんな感じ。

20分オーブンで再加熱した吊るし焼きの香ばしい豚バラブロックに━━━━

肩ロース。

さぁ整いました!

麺はなるべくデカイ鍋で滞留させながら湯がくといい。

【自家製麺】
濃厚煮干し鶏白湯中華ソバ

加水率低めを狙ったパツパツな全粒粉麺と煮干しとこっくりした濃厚鶏白湯が最高に合う。
煮干し出汁の塩分が強めなので醤油ダレは20cc。
鶏油と煮干し香油で整えた。

バッチリ味はキマった!!!

スモーキーな豚バラもこれだけで成立するコンテンツ。
だがやはり少々漬けが長く味が濃くなりすぎたか?
次回は漬け時間を短くだな。

肩ロースは非常に食感が良くバラとは違った風合い。状況によりどちらかを選べるな。

味玉も狙い通り硬さ、味の入り方。
味玉の場合は少し出汁を強めにして漬けておくと上手く味が入る。

肩ロースはやはりオリーブオイルでやるべきだ。
風味がいい。
しっとりと柔らかく鶏白湯との融和性が高い。

和え玉

煮干し香油と少々の醤油ダレで調味し麺の上に玉ねぎと煮干し粉。
本当はほぐしチャーシューを乗せたいところだが今回のチャーシューは吊るしなので出来ずに断念。

こういう感じでニボニボポキポキしつつ。

自分の嵩上げの為に行ったラーメンの仕込みが終わった。
12時間厨房で料理していました(笑)