初恋

画像1 「初恋の思い出」という言葉は、ぼくにとって少し遠い。初恋は、今もぐさぐさと胸を刺すし、頭や身体中の血液が不穏にたぎる。なんでもない時間があるときはいつもそうだ。そして、もし初恋の人がいま目の前に現れたら、やっと積み上げてきた自分の人生ががらがらと崩れてしまうかもしれない。その恐怖からどうしても抜け出せない。もうどれだけ経ったろうか。今も生々しく苦しい。敵の誰もいないゲームのマップに、ひとりだけ入り込んでしまったみたいだ。倒すべき相手など存在せず、クリアできないから、いまもマップから抜け出せないのだ。

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