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五十肩は突然やってくる

朝、目覚めたら五十肩になっていた。

いや、その時はそれが何なのかわかっていなかった。

突然、左腕が胸の横にくっついて離れなくなってしまったのだ。

いったい、わたしの身体に何が起こったの!?

腕を上げようと力をいれても催眠術でもかけられたかの様にくっついて離れない。

昨日までは何不自由なく普通に動いてたのに…。

軽いパニック状態。

その日は平日で、いつも通り仕事がある日だったので動く右手で支度する事にした。

顔は片手で水をパシャパシャかけるだけ。

歯磨き粉を出そうにもキャップを開ける事が出来ないので水磨き。

髪はブラシ付きのドライヤーでとかすだけで精一杯。

いつも当たり前の様に両手が使える事がめちゃくちゃありがたい事なのだと感じる。

左腕が上がらないので前開きのシャツを選び、悲鳴をあげながら腕を通し着替えて会社へ向かった。

職場の人に腕が上がらない事を伝えても
よくわかないという様な顔で苦笑いされる。

これは経験してみないとわからないと思う。

50代半ばの男性上司には「ああ、それね」と言ってニヤリとされたけど、気持ちをわかってくれる理解者が現れて少し嬉しくなった。

右手だけで出来そうな仕事を片付けて、午後から半日休みをもらい近所の整形外科へ向う。

病院に向かっている途中も痛みはどんどん増してきて左腕を右手で押さえながら歩くほどだった。

平日のせいか病院はあまり人がいなく空いていた。

若い医者「どこまで腕上がりますか?」

いたたた…と声を上げながら手首を5センチくらい浮かせて

わたし「こ、ここまでです」

と答えると

若い医者「え?それだけ?」と言った。

若いあなたにはわからないでしょうよ!
この痛み!

と若い医者に心の中で八つ当たりしながら、弱々しく

わたし「はい…」

と答えた。

骨に異常がないか肩周りのレントゲンを撮って診断を待つ間

こんなに痛いのはどういうわけなのか

腕が脇にくっついて離れない病気って何!?

と考えていた。

結果

若い医者「筋肉の炎症ですね。湿布と痛み止めで様子をみましょう」

わたし「それだけですか!?」

若い医者「痛み止めの注射でもしましょうか?」

わたし「…いや、いいです」

薬局で湿布と痛み止めをもらい

帰り道歩きながら、これが五十肩というものなんだと理解した。

この先ずっと腕が上がらないままになったらどうしよう。と不安になる。

医師に湿布はどこに貼るのかと聞いたら肩の筋肉に貼ると良いと教えてもらったので、家に着いてすぐ湿布を貼り痛み止めの薬を飲んだ。

その日の夜はお風呂に入り、右手だけで頭を洗いドライヤーをかけ湿布をしたまま眠りについた。

次の日の朝、多少痛みはあったものの昨日よりは腕が上がるようになっていた。

肩より上には上がらないけれど、脇の下にくっついて離れないよりはましになってホッとした。

原因はよくわからない。

思い当たる事といえば5キロのお米をスーパーから家まで10分ほど持って歩いたくらい。

そんな事で腕が上がらなくなる?

それが原因だとしたら、この先また同じ様な事があるかも知れないとゾッとする。

今では好きなアーティストのライブで腕を上げてはしゃげるくらいに完治したのだけど

それでも、少しでも肩がピリピリ痛くなったらすぐ湿布をしたり揉みほぐしたりして自己流で予防している。

肩甲骨周りをほぐすのも良いらしい。

ちょっとの不調も先手先手で予防して行かなければならない歳頃になったのだなとしみじみ思う。



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