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カンフー事変

ときどき、ほんと何がスイッチになったかもわからないのだけど、幼い頃の記憶がフラッシュバックすることがある。そして思い出すのは、たいていテレビの前にいる自分だ。

小学生に上がる前は、一人、もしくは弟と家で過ごすことが多かった。母もパートで働きに出ていたこともあり、留守番担当であった。そんなとき、テレビの前に身を置いて、毎週のように足を運び借りてきた作品をビデオデッキに押し込んでいた。

みつばちマーヤ、ムーミンのようなアニメはもちろん、ジューレンジャー、ウルトラマン、ゴジラのような特撮ものも片っ端から観ていた。そんななか、どういった経緯かわからないが借りてきた映画作品が『カンフーキッド』だった。

ド田舎で祖父とともに暮らしていた三兄弟が、ひょんなことから都会に出て、街のちんぴらたちとカンフーで戦うことになる。ざっくり、そういう物語。

ぼくは、カンフーにしびれた。人間、あんなふうに身体を動かせるのかと。小さくても大人をぶっ飛ばせる可能性に満ちてるんだなあと。どこでどう修行すればああなれるのか。わりばしでハエを捕まえる練習もしてはみたが一向に上手くなる気はしなかった。

そう、ブルース・リーでもジャッキー・チェンでもなく、俳優としての名すら知らぬ三兄弟に心を奪われた。べつに実際に習ったわけでもないのだけど、ぼくにカンフーを教えてくれてありがとう。「カンフー」の文字を目にするだけで血沸くようになったよ。

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