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雑音

今日は少し用があって、久しぶりに仙台の夜の街に出た。

街中のアーケードにはたくさんの人が歩いていて、金曜日の夜ということもあって、心なしかみんな楽しそうだし浮かれているように見えた。

通りかかったブリティッシュパブでは、たくさんの人がWBCの試合を見ながら盛り上がっていたけど、その様子を横目で見ながら私は全く浮かれる事ができない。

最近は、テレビをつけると「そんなにこの国は平和なのか?」と思うほどWBCの話ばかりがダラダラと垂れ流されているので、私は心底この話題に飽き飽きしている。

芸能人の話や野球の話よりも時間を掛けて伝えて欲しい事は山ほどあるのに、権力に忖度しまくりの情けないマスメディアに何の存在価値があるんだろうと、テレビをつける度にため息が出る。


今私たちが生きている国では、毎日狂った政治のニュースやスキャンダルが耐えないし、モンスター化した政治家達が憲法の改正を着々と目論んでいるような危機的な状況でもあるのに、大衆の関心は全く別の方向を向いている。

「生活がギリギリだよ」なんて言いながら関係のない話ばかりしている。


野球の話題ばかりに浮かれ立っていられるほど日本も世界も全く平和じゃないのに、このWBCというお祭り騒ぎをメディアと大衆が一緒になって盛り上げる様は、アンバランスな人間社会の縮図にも見える。

私には、壁越しに聞こえてくる熱狂も歓声もただの雑音にしか聞こえない。

人も社会も矛盾ばかりででうんざりだ。




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