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女の脳 と 男の脳

 ストレッチしながら、歯を磨きながら、テレビ見ながら、雑誌を読めるのが女。
 男がそれをやったら、口周りも服も床もドロドロ・ベトベトになってしまう。
 男の脳は標的に向かい、女の脳はどこまでも広がる。男と女ではおまたのデザインがまるで異なっているように、脳の働きも異なっています。うちの家族を見るだけでも分かります。

なぜ靴下をテーブルの上に置くのか?

 妻が娘に「どーしてあなたは靴を脱ぎっぱなしにするの!?」と言った。はあわてて靴を下駄箱にしまった。
 続いて妻は息子に「どーしてあなたは靴下をテーブルの上に置くの!?」と言った。息子は動かなかった。 
 この瞬間、ボクは事態がのみ込めた。そして笑ってしまった。
 解説しよう。は妻の言葉を「靴を片づけなさい」という命令と受け取った。そして命令に従った。
 息子は妻の言葉を「なぜ靴下をテーブルの上に置くのか?」という疑問と受け取った。そして「なぜなんだろう?」と考えた。そういうことなのである。
 ここで、「娘は素直な良い子で、息子は言うことを聞かない困ったヤツ」と思わないでほしい。同じ男としてたまには息子の肩を持ってみるが、息子の反応は妻の言葉を素直に受け取った結果なのだ。「どうして?」と聞かれたから、理由を答えようとした(Why? に対して Because で応えようとした)のである。何も間違ったことはしていないじゃないか。
 男の脳は、基本的にそのように働くのである。ただ、息子はすぐにその理由を説明できなかった。だから動かなかったのである。とはいえ、もし息子が即答したら、妻は怒り出したに違いないのだが。
 
 ボクが笑っているのを見て、息子もようやくわかったようだ。そして、妻にこう言った。
「『靴下をテーブルの上に置くな』 って言ってくれれば置かないのに、『どうして?』って聞くから『どうしてなんだろ?』って考えちゃったよ」と。妻はやっぱり怒り出した。
 最近じゃ娘もボクに言うんだ。「どうしてパパは・・・なの!?」って。そういうときボクの脳はまず「どうしてなんだろ?」って思考回路に行っちゃうんだ。そして一呼吸おいて「あぁそうか、・・・ という意味なのか」とようやくわかるのである。
 
 男だったらそういうときには「・・・するな!」(しないで!)って言うのにね。かくも女と男がわかり合うのは難しい。

右ってどっち?

 よく行くショッピングセンターに円形の広場がある。 休日には催し物が行われるような場所である。妻と別々に買い物をしていてその広場にボクがいたとき、妻からボクの携帯に電話が入った。

妻 : いまどこ?
夫 : ○○広場。
妻 : じゃぁ、そこから右の方の通りを進んだところのお店に私いるから、来て!
夫 :えっ?
妻 : すぐ近くなんだから、早く来てよ。
夫 :右って ・・・
妻 : はぁ? あなた、右と左の区別もつかないの?
夫 :いや、そういうことじゃなくて ・・・
妻 : あなたはいつもそうなのよね。 この前も ・・・
夫 :おまえ、オレがいまどっち向いてるのか分かってんの?
妻 : そんなもん分かるわけないじゃない! またそうやって人の話をはぐらかすのね。
夫 :だから、右ってどっち?
妻 : もーいいかげんにしてよ! 私が行きそうなお店くらい分かるでしょ!
夫 :そんなこと言われても ・・・
妻 : あなたは私に関心がないから、そういうことも分からないのよね。もういいわよ!
夫 :いや、そんなことはないけど ・・・
妻 : 私、もうお腹ペコペコなの! あなたのせいよ!

プチッ ツーツーツー
 そんなぁ 。。。 このときばかりはボクが怒られる筋合いはないと思うのだが ・・・ あるのかな?
 「右」と言った時点で妻にとってはそれはもう済んだ話で、僕は一人置いてけぼりを食らう。そして僕が事情を説明しようとする頃には、妻の話は別の方に移ってしまっている。
 かくも、女と男が分かり合うのは難しい。

  で、オレはどっちへ行ったらいいんだ?

お出かけ前の夫婦のやり取り

お出かけ前の夫婦のやり取り。

夫: 早くしてね。
妻: 女性はね、お出かけの準備に時間がかかるのよ。

ボクは「早くして」とお願いしたんだが、妻は「なぜ遅いのか」を説明した。これってズレてないか? まぁ、いいや。

夫: スーパーに行くのに、どうしてそんなに時間かけるの?
妻: すぐ行くから、ちょっと待ってて!

あれっ? 今度はボクは質問したのに、命令が返ってきた。これってズレてないか? まぁ、いいや。

妻: どうしてあなたは着替えもしないで平気なの?
夫: スーパーに行くだけだから、このままで十分でしょ。

質問答えたんだから、これでいいはずだよね。ボクの対応、間違ってないよね? そしたら、今度はこう来た。

妻: どーしてあなたはいつもそうなの!?
夫: 「そうなの」って、なんなの?

だってそうでしょ。「そう」が何を指すのかわからない(候補が多すぎて絞れない)んだもん。だから聞き返したのさ。

妻: ばか。
夫: ???

そうしたら、いきなり悪口が飛んできた。
こうなったら返しようが無い。それとも、何か返した方がいいんだろうか?
 
 ボクはきちんと答えているつもりなのに、ボクのお願いを聞いてもらえず、質問にも答えてもらえず、意味のわからない質問を投げかけられ、仕舞に悪口を言われる。かくも女と男が分かり合うのは難しい。

 以上のことを踏まえて、最後に教育論を一つ。

数学嫌いの女の子、読書嫌いの男の子

 男の脳は1点集中が得意で、女の脳は全体把握が得意なのである。原始の時代から男は獣を追い、女は木の実を探した。その生活スタイルがそれぞれの脳に今でも生きている。
 さて、なぜ女子高生は数学が嫌いになり、男子小学生は読書が嫌いになるのか? 答えは、高校の数学を男の先生が男の発想で教え、小学校の国語を女の先生が女の発想で教えるからだ。

 詳しく説明しよう。男は理屈だけで数学を受け入れられるが、女は他とのつながりで数学を受け入れる。つまり、どこでどのように使われるかが、女にとっては大事なポイントだが、男にとってはどうでもいいことなのだ。
 ところで、男の中でも理屈が特に大好きな人が大学の数学科に進んで、数学専門の教員になる。そして彼らは、理屈だけで数学を教えようとする。そのやり方は、男には合うが、女には合わない。男はそのやり方を支持するが、女は数学が嫌いになる。
 そして男の数学教員は言う。「男は数学ができるのに、女はできない」と。

 逆の現象が、小学校の国語で起きている。女は物語が好きで、男は雑学が好きだ。つまり、女はひとつながりのとまとまったストーリーを好むが、男は雑学の寄せ集めで十分楽しめる。
 ところで、小学校の先生は女性が多い。確かに、子供をまるごと受け入れるのは女の方が向いている。そして彼女らは、子供たちに物語を読ませようとする。そのやり方は、女には合うが、男には合わない。女の子は喜んでファンタジーやメルヘンを読むが、男の子にはつまらない。
 そして女の先生は言う。「女の子はよく本を読むのに、男の子はちっとも読まない」と。

 ところで、これらのことは女と男の宿命かというと、そうではない。高校数学で、それが有効に使える場面を伝えたり、生活実感を伴うような教材を使えばよいのである。小学校の読書で、クイズでもなぞなぞでも、雑学を仕入れられるような本を読ませればいいのである。そうすれば女子高生は数学が好きになり、得意になる。 男子小学生は国語が楽しくなり、本を読むようになる。
 男の脳は標的に向かい、女の脳はどこまでも広がる。 男の脳は分析脳で、女の脳は統合脳。男と女ではおまたのデザインがまるで異なっているように、脳の働きも異なっている。そういうものなのである。

◇      ◇      ◇

女と男の心理学 〜 
▷ 女の脳 と 男の脳   + 恋が芽生える瞬間
▷ 花咲く季節  + 女が男を野に放った 
( ▷ かぐや姫の結婚の条件 )        

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