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そのサッカーを疑え!

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2018年5月の記事一覧

CL決勝。ベイルのシュートを見て、想起せずにはいられないR・マドリー18年前の中心選手

CL決勝。ベイルのシュートを見て、想起せずにはいられないR・マドリー18年前の中心選手

 チャンピオンズリーグ(CL)決勝。ハイライトはガレス・ベイルのバイシクルシュートだった。あれが決まってしまうと、さすがのリバプールも降参するしかない。マルセロから送られたクロスに対し、ふわりと身体を宙に浮かせ両足をシザース。瞬間、急角度にコースを変えたボールは、気持ちよさそうにゴールに吸い込まれていった。

 豪快ではあるが技あり。183センチ、74キロ。見るからにゴツそうな、サッカー選手として

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日本に望まれるのは、巧いのに巧さをひけらかさない奥ゆかしさ。

 ボールの奪い方が巧いサッカーを見るたびに思う。日本が目指すべき道はこれだ、と。

 最近では今季のヨーロッパリーグ(EL)を制した、アトレティコ・マドリーだ。シメオネが監督に就任してから、ずっと続く傾向でもあるが、そのボールの奪い方は芸術的でさえある。

 メンバーには好選手が名を連ねている。技術的に高度な巧い選手で占められているが、彼らは「私たちは巧いです」と、技量をひけらかそうとしない。きわ

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「出る杭」は怖がらずにしっかり立てる。代表監督に求められる資質とは

 登録メンバー35人の顔ぶれより、最終メンバー23人の顔ぶれより、僕が知りたいのは西野新監督のサッカーだ。サッカーの中身に大きな影響を与えるのは、ある特定の個人のプレーより、監督の唱えるサッカーである。本田圭佑、香川真司がメンバーに入る、入らないより、これは大きな問題だ。

 だが、西野監督はそのあたりを積極的に語らない。就任記者会見でも、切れの悪い答弁に終始。その姿勢について、そこがキモだとの認

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哲学を語らない風土。「サッカーは布陣でするものだ!」と、あえていいたくなる理由

 3年数か月前、日本代表監督に就任したハビエル・アギーレは、その就任記者会見の席上でこう述べた。

「布陣は4-3-3を基本に考えている。展開次第では3-4-3にもなります」と。

 もちろんこの時、代表選手は決まっていない。顔ぶれがハッキリしていないなかで、使用する布陣だけはしっかりと宣言した。

 そして実際、アギーレは4-3-3が試合の中で中盤フラット型3-4-3に変化する、俗に言う可変式の

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