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そのサッカーを疑え!

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2020年1月の記事一覧

「ボール支配率の時代は終わった」の大いなる誤解。それを支える2大要素とは

「ボール支配率の時代は終わった」の大いなる誤解。それを支える2大要素とは

 ボール支配率の時代は終わった。ポゼッションサッカーでは勝てなくなっている。近頃そんな声をよく聞く。サッカーには様々な見方があるので、当然、様々な声が生まれてくるが、この言葉を耳にすると、その切り口について乱暴さを覚えずにはいられない。

 ボール支配率の上昇を最大の目的に試合を戦っているチームはない。ボール支配率が高くても勝ち点は伸びないし、フェアプレーポイントが上がるわけでもない。上昇させたと

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日本代表監督。過去の解任騒動に見る傾向と森保Jの関係

日本代表監督。過去の解任騒動に見る傾向と森保Jの関係

 森保監督への逆風。引き金になったのは、昨年12月に行われたE1選手権対韓国戦の敗戦だった。この段階では「このままでは4年持たないのではないか。心配だ」と述べるに止めたのは筆者だが、巷にはそれ以上に敏感な反応を示した人も多くいた。解任の声は湧き始めていた。グループリーグ最下位に終わったU-23アジア選手権を経て強まることになった解任論だが、この時すでに抑えは効かない状態になっていた。

 歴代の監

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続投に意欲を見せる森保監督が更なる深みにはまっていく可能性

続投に意欲を見せる森保監督が更なる深みにはまっていく可能性

 真実は勝利した瞬間より敗れた瞬間に描き出される。とりわけサッカーはそうした性格を持つスポーツだ。Jリーグにしても、高校選手権にしても、W杯にしても、現在行われているU-23アジア選手権にしても、勝者はわずか1チーム。優勝チームを除くすべてのチームは、敗者として舞台を後にすることになる。

 惜しかった。よくやった。何やってるんだ……。優勝した瞬間より、敗退が決まった瞬間の方が抱く感想の種類は豊富

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サッカーは個人競技に非ず。U-23アジア選手権。東京五輪代表選考レースばかりに目を奪われるな

サッカーは個人競技に非ず。U-23アジア選手権。東京五輪代表選考レースばかりに目を奪われるな

 1月8日に開幕したU-23アジア選手権。東京五輪出場を懸けたアジア予選だ。開催国の特権で予選が免除されている日本にとっては、いわばオブザーバーとしての参加になる。

 メンバーはベストではない。海外でプレーする選手で呼び寄せることができたのは食野亮太郎(ハーツ)のみ。そもそも海外組は、東京五輪本番に出場できるか微妙だ。所属クラブから出場許可が得られない可能性がある。

 U-23アジア選手権に出

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